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今日はネットで見つけてしまった、ヰセキポルシェ進化の過程と『スキマを埋めて日本農機の流れを把握!「運輸省型式認定番号」』シリーズです。
僕の大好きな形、ポルシェライセンスで空冷ディーゼルのヰセキTBシリーズですが、1970年代に入るとさすがに他に対して古くさく見えたのか、ガラッと外観を変えられてしまうのでした。他にも理由があって、TBシリーズはほどなくTSシリーズへ移行してしまいます。
ちょうどその過渡期、TBシリーズは後のTSシリーズの顔にモデルチェンジ
ちゃんと空冷かどうかネットで写真を漁ると・・・
TB1700はその名の通り、まるっこい形で鉄仮面のTB17の着せ替え版ということになります。
ヰセキの社史にはそのあたりが書かれています。少し長いですが引用すると・・・
■中型トラクタTS型のシリーズ化
「井関農機60年史p178」
昭和40年代の初め、農機メーカーにとって、トラクタの品ぞろえは経営戦力上の大きな課題であり、とりわけ中型トラクタを完備することが市場制覇の鍵となるとみられていた。そこで当社においても需要予測に基づき、当社にとって最も好ましい組み合せ(シリーズ)を選び、中型トラクタ開発を進めていくことにした。
まず、開発のポイントを水田性能におき、個々の型式については、その実現可能性、採算性について十分に検討し、研究、設計、試作の各段階で計画を見直し、改めて商品化の是非を論議することにした。また、ポイントとなるエンジンについても早急に調査を始めることにした。
一方、その前段階として、エンジンの冷却性能を向上させたほか、販売第一線からの改良点を織り込んで、TB17型とTB23型のモデルチェンジを行ない、44年に「TB1700型」および「TB2300型」を発売した。そして、その評価をもとに次期シリーズの具体的方針を決定することにした。
TB1700に戻ります
![他に比べて水田での性能がとても良かったという評判があったはずのTBシリーズですが、きっと他メーカーが追い上げてきたのでしょう。社史もしばらくすると空冷ディーゼルエンジンの故障や音の大きさ、オーバーヒートなどの記述が多くなります。後のエンジンの水冷化(つまりTSシリーズ)を念頭に、まず外観の刷新を図ったのでしょう。このモデルチェンジはその「観測気球」ということになります。](https://oba-shima.mito-city.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/iseki_tractor_TB1700-5-504x378.jpg)
後のエンジンの水冷化(つまりTSシリーズ)を念頭に、まず外観の刷新を図ったのだとすれば、このモデルチェンジはその「観測気球」ということになります。
運輸省型式認定番号も見つけてしまった!
早速シートに記入します
![詳しくは固定ページで前後のトラクターを確認してもらいたいと思いますが、このころのトラクターはすべて四角い顔。その中でひときわ丸いのがヰセキのTBシリーズです。基本設計が1950年代ですから1970年頃には20年も前。ずいぶん「古くさい形」に見えたかもしれませんね。](https://oba-shima.mito-city.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/seet-8-504x380.jpg)
その中でひときわ丸いのがヰセキのTBシリーズです。基本設計が1950年代ですから1970年頃には20年も前。当時はずいぶん「古くさい形」に見えたかもしれませんね。
↓一覧表も改訂しました
『農機の運輸省型式認定番号一覧表』に追記しました
『農機の運輸省型式認定番号一覧表』を固定ページで公開しました。一番上のメニューから入れるようにしています。これから新しく運輸省型式認定番号を発見するたびに追記することにします。
(ほぼ同時に英語版の一覧表も公開しています)← Click here for the English version.
追記:今まで一部の環境ではテキストが読めなかったということがわかったので修正しました。スマホでも読めるようになったと思うのですが、もし読めない場合はコメント欄でもメールでも構いませんので連絡をください。お願いします!
顔考察に戻ります
![左が旧型の顔。右が新形の顔です。今見るとどちらも丸っこいかわいらしい形です。でも、運輸省型式認定番号ソートの表を眺めていると、トラクターとしては四角く、正面グリルを強調した「オラオラ顔」が主流。「フェンシングの防具か仮面ライダーか」という趣のヰセキポルシェデザインはもう時代遅れだったのかもしれません。](https://oba-shima.mito-city.com/wp/wp-content/uploads/2021/07/henka-504x284.jpg)
引用した社史にも書かれていたように、どうもヰセキはちょっとずつ様子を見る、慎重な会社のようです。このモデルチェンジがTB→TS移行の観測気球として、ヰセキの思う「オラオラ顔」を世に問うてみたたというのもわかります。
ついでに一緒に見つけた他の写真も
今日はこんなところです。また明日!