クボタL4ケタ末尾00の四駆は黎明期の構造。L1500DT「撮ってもらって撮りトラ」

今日は昨日の続きで、Nさんに撮ってもらった(いつもありがとうございます!)クボタL1500DTの写真で「撮ってもらって撮りトラ」です。DT(Double Traction)は当時のクボタ四駆の呼び名ですが、このL4ケタ末尾00の四駆はまるで急ごしらえな感じ。後付けキットによく似た構造なのでした。

クボタL1500DTです。L4ケタ末尾00のDT(Double Traction)はとっても貴重。僕は今のところL2000とこのL1500しか確認していません。この写真で前のタイヤを駆動するためのデフが右側にあるのを確認できるでしょうか?
クボタL1500DTです。L4ケタ末尾00のDT(Double Traction)はとっても貴重。僕は今のところL2000とこのL1500しか確認していません。この写真で前のタイヤを駆動するためのデフが右側にあるのを確認できるでしょうか?
この写真のほうがわかりやすいかな?リヤタイヤのほうから長い棒が伸びていてフロントのデフまで繋がっています。つまり、エンジンからミッションを通ってリヤタイヤを駆動し、その一部が前に戻ってきてフロントタイヤを駆動する・・・ミッションからセンターデフを介してフロントタイヤを駆動するのではないUの字タイプの四駆でした。
この写真のほうがわかりやすいかな?リヤタイヤのほうから長い棒が伸びていてフロントのデフまで繋がっています。(センダンソウがちょうどかぶっていて繋がりが見にくいですけど)つまり、エンジンからミッションを通ってリヤタイヤを駆動し、その一部が前に戻ってきてフロントタイヤを駆動する・・・ミッションからセンターデフを介してフロントタイヤを駆動するのではない、いったん後ろに行って戻ってくるUの字タイプの四駆でした。
後輪の繫がりを確認できる写真はないのですけど、この写真でもステップの下をシャフトが通り、ユニバーサルジョイントを介してフロントのデフに繋がっていそうな感じがわかりますよね?
後輪の繫がりを確認できる写真はないのですけど、この写真でもステップの下をシャフトが通り、ユニバーサルジョイントを介してフロントのデフに繋がっていそうな感じがわかりますよね?
その部分、拡大してみます。ユニバーサルジョイント部分、ガマの穂みたい。
その部分、拡大してみます。ユニバーサルジョイント部分、ガマの穂みたい。
この写真で何とかフロントデフとの接続部分が確認できます。
この写真で何とかフロントデフとの接続部分が確認できます。
拡大してみます。テープかなにか巻いちゃった感じ。
拡大してみます。テープかなにか巻いちゃった感じ。

このタイプの四駆、あとはL2000DTしか見たことがないなぁ

クボタL型4ケタ末尾00のトラクターの中では他にL2000DTしか見たことがありません。(当社比)

ずいぶん昔の写真です。そこを当時意識していたわけではないので、たまたま写っていただけですが、L1500DTと同じように後ろからステップの下を通ってシャフトが前にやってきていて、ガマの穂を介してフロントデフに繋がっているのがかろうじてわかります。
ずいぶん昔の写真です。そこを当時意識していたわけではないので、たまたま写っていただけですが、L1500DTと同じように後ろからステップの下を通ってシャフトが前にやってきていて、ガマの穂を介してフロントデフに繋がっているのがかろうじてわかります。
雄勝スレートというホンモノのスレート(1枚貰ってきちゃいました)で葺かれたステキな屋根を持つ小屋の中で見つけたL2000DT。もう10年前の記事なので写真が小さいです。

これ、四駆黎明期のキットなどに見られる形

このタイプの四駆は四駆黎明期のキットなどに見られる形で、きっと二駆のトラクターを四駆にするのに一番手間のかからない方法なんです。

四輪駆動のFORD5000に戻ります。これがその駆動システム。巨大なデフが偏心して乗っています。
四輪駆動のFORD5000です。これがその駆動システム。L1500DTと同じく右側に巨大なデフが見えています。
FORD50004WD おもしろいことに、動力はエンジンからいったん後ろに回り、床下を通ってまた再び前に戻ってきているみたいです。昔の四駆はこのように横を通す感じだったのでしょうか? MANのAckerdieselもこんな感じでした。
FORD50004WD
同じくキャビンの床下を通ってそのフロントデフに動力がきていることがわかります。
詳しいお話はこちらのリンクで・・・奇しくもクボタのL1500と同じようにフォードの4ケタ末尾00型です。

同じような構造の四駆は他にも見つけられました

今ざっと検索して見つけたROADLESSというメーカーの四駆キットなのですが、FORD5000についているのと似てますね。
今ざっと検索して見つけたROADLESSというメーカーの四駆キット。FORD5000についているのと似てますね。
 County 1124 Super Six 非常に興味深い形です。こんなの見たことがありません。Fデフをまるで地球儀のようなアームで支えて操舵に対応しています。地軸の傾きがキングピン角度・・・というわけですね!それにこいつでキャスター角も調整できそうです。しかもFデフが2つあるということは、別々に駆動されているということです。(大本は一つですが・・・)
以前紹介したCounty 1124 Super Sixなどについていた前輪駆動ユニットも同じような作りでした。
County 1124 Super Six そして向かって右も同じように・・・つまり左右2セットです。
County 1124 Super Six
これだけ見るとL1500DTと同じような作りですけど、このカウンティ・スーパー6はさらにユニークで、これと同じものが左側にも独立して付いているんです。
County 1124 Super Six お!さすがにこのデカいタイヤ+4WDですからパワステですね! 後ろから来たプロペラシャフトはユニバーサルジョイントでフロントデフに繋がれています。
County 1124 Super Six
ステップの下を通ったシャフトがL型と同じようにフロントタイヤを駆動します。まだそれほど四駆の有用性が認知されていない頃、それを求めた人達が採用した駆動システムだったのだと僕は考えています。

ホント、ユニークかつカッコいいんですよね。このマシン。

時間のあるかたはこちらのリンクも是非!

他にも散見されます

David Brown 1210 このアクスルは今まで見たものとはずいぶんスタイルが違い、カクカクのアクスル。作る人によってデザインは様々です。
David Brown 1210
クラマーのフロントアクスルは今まで見たものとはずいぶんスタイルが違い、カクカクのアクスル。しかも左側に偏心したスタイル。
David Brown 1210 こんな感じなんです。前へ向けたPTOから動力をとっているような気がします。これ、おもしろいですね!これなら簡単にポン付けできそうです。よくわからないのですが、ゆっくり走っても速く走っても回転数は一緒なんですよね?何かめんどくさい問題が出そうですけど、ちょっと具体的にイメージできません。
David Brown 1210
こんな感じなんです。前へ向けたPTOから動力をとっているような気がします。これ、おもしろいですね!これなら簡単にポン付けできそうです。
フォードにしてもこのデヴィッドブラウンにしても当時二駆で評価の高かったトラクターです。メーカーとしてはそれで十分と考えていたのか、四駆のバリエーションはなかったと思います。そこへサードパーティのメーカーが四駆のキットを売り出した・・・という構図なのだと思います。

「L1500DTやL2000DTはその後付け四駆キットの作りによく似ているな」と思ったのでした。

これがL4ケタ末尾01型になるとなくなってしまう

いかにも「あとから付けました」という感じのL2000/L1500DTの四駆システム、L4ケタ末尾01型になるとスッキリスマートな形になってしまいます。

クボタトラクター kubota L3001DT
L3001DTです。フロントタイヤは中心にあるデフで駆動されるためスッキリしてしまっています。
クボタL2601DTは農研機構の登録で1976年、今年で40歳です。3気筒立形4サイクルディーゼル1299cc、26馬力/2800rpm。この顔はL3001と同じ涙袋のあるタイプ。
L2601DTも同じくスッキリ。
クボタトラクター kubota L2201DT
クボタL2201DTです。この写真はちょっとわかりにくいかな・・・

L1500DTの写真に戻ります

L型独特の楕円メーター。ユーシン精機の角形のヒューズボックスも奥に見えていますね!(トラクターの部品を色々作っていたユーシン精機のことを知りたいかたはサイト内検索で!)
L型独特の楕円メーター。ユーシン精機の角形のヒューズボックスも奥に見えていますね!(トラクターの部品を色々作っていたユーシン精機のことを知りたいかたはサイト内検索で!)
ウインカーが黄色い!
ウインカーが黄色い!
黄色いウインカー、好きなんです。なんかカッコいい・・・北海フォードのF180にも付いていましたね!
黄色いウインカー、好きなんです。なんかカッコいい・・・北海フォードのF180にも付いていましたね!
この東洋社の黄色いウインカーは好きです。
これです。
耕深制御レバー
なんだか良くありません?

いつものことでとりとめなくなってしまいました。今日はこんなところです。また明日!

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