今日はhokkaidoujinさんにお招きいただき行ってきた、第34回国際農業機械展in帯広で行なわれていたオールドトラクター保存会による「クラシックトラクター展」で見た、ヰセキポルシェの多分次男、イセキTB-17「撮りトラ」です。



キャプションによると
機種名:ヰセキトラクタ
形式・仕様:TB-17型 16.5馬力 822cc
製造社・国:井関農機㈱ 日本
導入年度:1965(昭和40)年
使用経過:小型トラクタが一般農家に急激に普及する。
プラウ耕やロータリでの砕土作業、モーアの牧草刈りなど畜力から機械化に大きく進んで行った頃のもの。
途中で入手、経過は不明。
現在も使用できます。
となっています。






運輸省型式認定番号 農553号
ヰセキ TB17型
ヰセキトラクター
TB-17 822cc 16.5ps/2800rpm
運輸省型式認定番号は農553号でした!

しかし、土の館のTB-17は1965(昭和40)年に導入。そして、この機体は1964(昭和39)年式とあります。この運輸省型式認定番号によるソートと、キャプションなどに書かれている自己申告の年式には大抵数年のギャップがあり、自己申告のほうが古めなのが興味深いです。型式を申請する数年前からトラクターを売っていたということも考えられます。

新設計の水冷4サイクルディーゼル採用
■小型ながら本格的なトラクタL13GR様として特に設計しました。トラクタ用としては最高に軽く、世界にも誇りうる高性能ディーゼルです。
■クボタ独自の休憩燃焼室を採用していますから燃焼効率が高く、燃料の消費も少なくてすみます。
■機関各部は、オール密閉式で、代かきの際に泥水がかかっても平気です。
■寒冷時でも始動性がよく、低速でのトルクが大きい、粘り強く強力なディーゼルです。
■エンジンと車体は直結していますから、ベルト駆動よりも動力の伝達効率が良好です。


竹下鉄工、藤井製作所、協和農機の3社がそれぞれ
開発を開始し、1963 年に協和農機のYM18A(18 馬力)
がヤンマー農機では初のトラクタとして商品化された。
その後、トラクタの開発は綜合技術研究所に引き継が
れ、1966 年2月には竹下鉄工と共同でYM160(10 馬力)、
協和農機と共同でYM260(20 馬力)を発売した。
とあり、1966年生まれです。


ポルシェの顔、ヰセキTB-15型です。詳しいスペックはわかりませんが、空冷単気筒ディーゼルの15馬力なのだと思います。ヰセキの社史『井関農機60年史』によれば、誕生は1964(昭和39)年。ポルシェとの提携は1962(昭和37)年からで、ヰセキポルシェシリーズ最小かつ最古のモデルということになります。


注意書きを撮っていますね。

「エンジンオイル注意事項」
1.オイルは毎日点検して、ゲージの最上線まで給油する。(最大3.7L)
2.オイルはDGクラス以上の、ディーゼルオイルを使用すること。
使用大気温度 使用オイル粘度
25℃以上 #30または10W-30
0℃〜25℃ #20または10W-30
0℃以下 #10W
3.エアクリーナーへも、同じオイルを入れること。
4.オイルは、50時間毎に交換すること。



製造番号2453
製造年67-8
萱場工業株式会社
とあります。
油圧装置か何かでしょうか?製造年は1967年8月を表しているのでしょうね。
それよりも注目はレバーの根本です。
これ、グリスが入っているチューブじゃないでしょうか?ナイスアイディアだなぁ・・・

