朝3分の農機考古学、ロビンST50形は1973〜1974年(多分)

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戦後の食料増産を支えた農機メーカーの中で、今ではその名前が消えてしまったものがあります。富士ロビン株式会社(精神・製品は今も残っていますけど)もその1つ。今日はUさんがオークションで見つけてくれた、(いつもありがとうございます!)その富士ロビンのST50形で『スキマを埋めて日本農機の流れを把握!「運輸省型式認定番号」』シリーズです。

ロビントラクターST50形

オークションで売りに出されていた、ロビントラクターST50形です。色が赤だと三菱と間違えてしまいそう・・・元々この色だったのでしょうか?黄色なら良かったのに・・・
オークションで売りに出されていた、ロビントラクターST50形です。色が赤だと三菱と間違えてしまいそう・・・元々この色だったのでしょうか?黄色なら良かったのに・・・

ロビンのトラクターはいくつか紹介しています

数は少ないのですが、ロビンのトラクターは今までいくつか紹介しています。

佐藤造機は歩行式田植機も作ってたんだ!富士ロビンはあぜねり機とあぜけずり機。手押しタイプのこんな機械があるなんて知らなかった・・・
機械化農業1978年4月号の広告。ロビンのあぜねり機・あぜけずり機です。1966年に富士ロビン株式会社という名前になったそうです。その、富士ロビンも2007年にマキタに買収され、マキタ沼津という名前になり、2013年にマキタ本体に吸収合併され完全に消滅してしまいました。
機種名:動力耕耘機 形式・仕様:ロビン 7馬力 製造社・国:富士重工㈱ 日本 導入年度:1956(昭和31)年 使用経過:国産の耕耘機も実用の段階に入る。リバーシブルプラウ(ドイツのホルダー社)やいろいろな作業機を工夫して使用した。 1960(昭和35)年には耕耘機の全盛時代となる。 当時の動力源は、牛で引かせる車が主で、小さなトレーラは使いよく重宝であった。
また、1956年製とされるかなり古い形の耕耘機も紹介しています
興味のある方はこちらの記事でどうぞ!
いつ頃のものか全くわかりません。少なくとも1976年以前のものと思われます。
また、富士ロビン株式会社には1963年発売とされる貴重な乗用トラクターもありました。
興味のある方はこちらの記事でどうぞ!

ロビントラクターST50形に戻ります

農研機構の安全鑑定シールが貼ってあるのですが、残念!読めません。これが確認できればさらに正確に年代を特定できるのに・・・それにしても相当磨いたのでしょう。メッキ部分がピカピカです。
農研機構の安全鑑定シールが貼ってあるのですが、残念!読めません。これが確認できればさらに正確に年代を特定できるのに・・・それにしても相当磨いたのでしょう。メッキ部分がピカピカです。
ああ、これは再塗装ですね。タンクの口の内側が塗られてしまっています。
ああ、これは再塗装ですね。タンクの口の内側が塗られてしまっています。
ロビンのステッカーのフチから赤の塗料が侵入してきてしまっているところからも再塗装だとわかります。オリジナルの色はこれでよくわからなくなりました。
ロビンのステッカーのフチから赤の塗料が侵入してきてしまっているところからも再塗装だとわかります。オリジナルの色はこれでよくわからなくなりました。
ロータリーはセンタードライブのようです。
ロータリーはセンタードライブのようです。
手元でエンジンが掛けられるよう、スターターが延長されているんですね。各部とてもきれいです。
手元でエンジンが掛けられるよう、スターターが延長されているんですね。各部とてもきれいです。エンジンは当然ロビンエンジン。EY25型です。
タイヤもこのまま行けそうに見えます。
タイヤもこのまま行けそうに見えます。

お待ちかね運輸省型式認定番号

この写真を撮ってくれたことに感謝です。 小形特殊自動車 運輸省認定番号 農882号 ロビントラクター ST50形
この写真を撮ってくれたことに感謝です。

小形特殊自動車
運輸省認定番号 農882号
ロビントラクター ST50形

この運輸省型式認定番号の小さな銘板、支給されるのではなく、各社のオリジナルだと思われます。書体や内容が会社によってそれぞれかなり違い、そういうところも見どころです。

それにしても、会社のほうでは申請して認定が下りたら、銘板を作ってわざわざ貼付けるという大変な手間です。その間運輸省のほうでは「農882号を授ける」と言うだけ・・・認定(みとめさだめる)とはこういう関係性なんですねぇ・・・

農機はこれ以外にも国営検査などもありましたから、ただ作って売るだけでなく、様々なお伺いとそれにまつわる作業があったということですよね。役所に目を付けられると仕事が増える例です。

早速シートに記入します

1975年の崖からズリ落ちているのと、わかっている前後の関係から1973年〜1974年の間に登録されたのではないかと推察できます。ただ、少し気になるのはデザインが新しすぎること。後に出た三菱の耕耘機にそっくりなので、そのあたりが謎というか心配です。
1975年の崖からズリ落ちているのと、わかっている前後の関係から1973年〜1974年の間に登録されたのではないかと推察できます。ただ、少し気になるのはデザインが新しすぎること。後に出た三菱の耕耘機にそっくりなので、そのあたりが謎というか心配です。
これですね。ヘッドライトあたりやカバー類の形がすごく似ています。このあたりだと一気に1979年くらいになってしまうと思います。
これですね。ヘッドライトあたりやカバー類の形がすごく似ています。このあたりだと一気に1979年くらいになってしまうと思います。
オークションで売りに出されていた、ロビントラクターST50形です。色が赤だと三菱と間違えてしまいそう・・・元々この色だったのでしょうか?黄色なら良かったのに・・・
う〜ん・・・似ている。このあたりは、色々めんどくさいので認定番号をいちいち取らずに、以前取った似たような機種のものを流用するということもあるかもしれません。この点、今後整理する必要がありますよね。

『農機の運輸省型式認定番号一覧表』に追記しました

『農機の運輸省型式認定番号一覧表』を固定ページで公開しました。一番上のメニューから入れるようにしています。これから新しく運輸省型式認定番号を発見するたびに追記することにします。

(ほぼ同時に英語版の一覧表も公開しています)← Click here for the English version.

追記:今まで一部の環境ではテキストが読めなかったということがわかったので修正しました。スマホでも読めるようになったと思うのですが、もし読めない場合はコメント欄でもメールでも構いませんので連絡をください。お願いします!

今日はこんなところです。それではまた明日!

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