今日は東海村で見つけた、透明っぽい殻に中心部が蛍光黄色の、見たことのない小さなカタツムリ、コハクオナジマイマイ(多分)です。
調べてみると、元来山口県や四国以西にのみ分布していたものだけれども、ここ30年くらいで関東のあちこちで見られるようになったという、国内外来種もしくは国内移入種なのでした。
小さくてうまく写真が撮れなかった
コイツを調べてみる
調べてみるとWikipediaにそれらしいものが見つかりました。オナジマイマイの日本産近縁種、コハクオナジマイマイ(琥珀同蝸牛)じゃないかと思います。
オナジマイマイは
オナジマイマイ(同蝸牛)、学名 Bradybaena similaris は、有肺目オナジマイマイ科に分類されるカタツムリの一種。人家付近や田畑などで見られ、野菜や苗などを食害する小型のカタツムリである。東南アジア原産だが農作物に付着し、日本を含む世界各地で外来種として分布を広げた。
オナジマイマイ
とされ、その近縁種コハクオナジマイマイ(琥珀同蝸牛)は
殻径15mmほど。オナジマイマイとちがって日本固有種である。中国地方、九州、屋久島に分布するが、千葉県や神奈川県にも分布を広げている。
ウィキペディアより
とあります。
どういうわけだか本州、しかも関東にまで分布を広げているということなんですね。
本家九州のちゃんとした写真
しかし他の地域では外来種(移入種)
Wikipediaで外来種を調べてみると、『外来種(がいらいしゅ)とは、もともとその地域にいなかったのに、人為的に他の地域から入ってきた生物のこと。』で、移入元が国外か、同一国内の他地域であるかによって、国外外来種・国内外来種と区別するのだそうです。
ということで、このコハクオナジマイマイは国内外来種ということになりますよね? 国内なのに外来種と言うのがちょっとおもしろいですが、地域外から来たと考えれば辻褄が合います。
この外来種という言葉、国土交通省が使ってきた言葉で、環境省がコハクオナジマイマイを見た場合は国内移入種ということになるらしいです。
最近は言葉として「外来種」の勢力が強くなってきているように思えるので(移入種と言う言葉はあまり聞きません)、環境省的に「外来種」という言葉は、環境省環境に侵入しつつある「国内移入単語」として苦々しく感じているかもしれません。
関東各地で見られているらしい
そのコハクオナジマイマイ、福島や栃木でも見られています
これ、何となくわかります。だって「遅い」の代名詞、カタツムリですもの・・・いくらなんでも1000キロ以上も足を伸ばすとは考えにくいです。
「遅い」の代名詞、カタツムリ
もちろん茨城でも報告があります
話はコハクオナジマイマイに戻ります。
また、茨城県の貝類についてのこんな報告pdfも見つけました。
日本固有のコハクオナジマイマイ(オナジマイマイ科)は主に岡山県以西での分布が知られていたが、1990 年代から関東地方で確認されるようになった。2009 年に笠間市の菜園で本種が大発生したのを機に、小学校や茨城県自然博物館の来館者の協力を得て、2010~2011 年にかけて、茨城県全域における生息調査を実施した。その結果、大子町を北限とし、県央・県南地域を中心に茨城県内の広い範囲での本種の生息が明らかになった。茨城県への移入経路については不明だが、目撃情報や分布状況から、この種は2000 年代初めには茨城県内に移入され、その後、県央・県南地域を中心に分布を拡大していったのではないかと推測される。菜園での現地調査では、特にアカジソ、ブロッコリー、キャベツ、ネギなどの葉菜類やトマス、ナス、キュウリなどの果菜類への被害が甚大である。また、農作物への被害は他にもタバコ畑やニラ畑などでも確認されている。茨城県ではこれまでオカモノアラガイによる農作物への被害例はあるが、本種による被害はそれよりも深刻である。今後、何らかの防除対策が必要になってくるのではないかと考えられる。
報告PDFより
茨城県では笠間で大発生したり、実際に農作物へ被害を及ぼしたりしていたのですね!
僕の見つけたカタツムリは、東海村で貰った木の板についていたものです。今までの報告を見る限り、コイツは歩いてきたのではなく、何かにくっついて移動してきたと考えるのが無理がないです。
それに1匹でも繁殖できるようですから、とにかく乗物に乗って全国各地に散らばったということなのでしょう。
ある時から目立つようになったということですから、その乗物は「ナントカブーム」で西のほうから全国に広がって、しかも小さなカタツムリがついていてもおかしくないもの。卯〜〜〜ん・・・なんだろう???
とにかく大変申し訳ないのですが、僕の見つけたカタツムリ、(結構な数居たのですが)全員死んでもらいました。ごめんね。
今日はこんなところです。また明日!