今日は先日のhokkaidoujinさんの案内で見た富士重工の乗用型トラクター、ロビン T-21「撮りトラ」詳報です。
この富士重工ロビンT21トラクター、渋沢社史データベース(富士重工のWEBより詳しいです)によれば
昭和38年(1963)5月24日 ロビン四輪トラクターT11型、T21型生産開始 富士重工業株式会社
とあり、11馬力と思われるT11と共に1963年に生産開始されたことがわかります。
とりあえず前回のおさらいから・・・
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ごくごくプレーンな形。どこも引っ掛りがない「見たようなカタチ」です。まあ、この頃のトラクターをしげしげと眺めたことはないんですが・・・
何だこの四角いものは
少し写真を眺めていて引っ掛ったモノがありました。写真を撮っている時も少しだけ違和感があったのですが、インパネの左下のほうにあったタバコの箱より少し大きいくらいの金属の四角い箱です。

内容は・・・
注 意
1.手動ポンプはエンジンをスタートさせた直後必ず2〜5回手動して下さい。そうすればあなたのエンジンは寿命が倍加します。
2.タンク内のオイルはエンジン潤滑油 DG級以上SAE#20、0℃以下ではSAE#10Wと同じオイルを入れて下さい。
3.再スタート時でも手動ポンプをお忘れなく手動する事を勧めます。
注意書きでした。なんでしょうねえ・・・ガソリン2ストロークみたいに潤滑オイルを燃やすようなエンジンなのでしょうか?
それはさておき、今まで見た注意書きの中ではかなり意欲的なものです。
だって、大抵の注意書きは上から目線で「〜スルコト」と書いてあり、「なぜそうしなければならないのか」という部分が欠落している感じですもん。
その中で2〜5回ポンピングするだけで『そうすればあなたのエンジンは寿命が倍加します』というのは素晴らしい表現です。
寿命が倍になるならやるしかないですし、万が一忘れてエンジンを壊しても「自分が忘れたからだなあ」とあきらめもつきます。欠点としては「ポンピングを忘れたのだがどうしたらよいか?」と、お客様相談室に電話がかかってくるくらいでしょうか。
機械が普及し始めの頃の注意書きは本当におもしろいです。
情報も少なかったでしょうし、各社がそれぞれの考え、もっと言えば担当者の考え、顔が見えるような気がします。
それに比べて今はどの注意書き、マニュアルも会社によっての特長の違いなどは感じられませんよねぇ・・・
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・・・というのが前回の分。これからが新しい情報です。



















富士重工ロビンT21はこれでおしまい。また明日!
H2さん こんにちは
これ、僕も切に思います
図表って大抵メーカーの縦割りで、合併や吸収というともうどっかへ行っちゃってわからなくなってしまうんですもん
それじゃつまらないので、DNAを元にした横断的な図表が見たいですよね
どの業界もそうですが、草創期には多くのメーカーが参入していますね。農業用トラクター事業の統合や撤退の歴史の図表ってどこかにないのかなぁ。
いま日本メーカーは4社になりましたが、ヤンマーと井関は提携強化したので、いずれは統合しそうな気がします。
三菱マヒンドラはどうなるかわかりませんが、三菱重工傘下ゆえ、大赤字でなければシーズとして維持し、あえて撤退することもないという感じなんでしょうかね。トラクターは自前は中型以下のみで大型はクボタからのOEMですが、クボタが統合するメリットは無さそうですし。