向こうの大人はオモシロイコトしているなぁ。Fiat Someca SOM 20D & Citroën 2CV

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今日はいつも写真を送ってくれるNさんからの情報(Nさん、いつもありがとうございます!)です。

偶然見つけた映像だそう。外国の人は趣味でプラウをかけたり、好きに機械を作ったりしているのですね。大人がヒマや金(それほど大きなお金ではないと思いますが)に任せて「おもしろそうだからやってみる」っての、めちゃめちゃいいですし、カツカツの身からすると羨ましいです。

映像には、不思議な形のハンドトラクターが・・・見たことのある顔があります。フィアットのソメカ20ディーゼルトラクターと、有名車2CVのニコイチだそう。
2気筒の空冷が軽やかな音を立ててプラウ掛けをしていますね。エンジンは横置きのようです。
2気筒の空冷が軽やかな音を立ててプラウ掛けをしていますね。エンジンは横置きのようです。
プラウがけをしています。競技会か何かでしょうか? とりあえず、現時点でわかったことを順番に上げていきますね。
プラウがけをしています。競技会か何かでしょうか? とりあえず、現時点でわかったことを順番に上げていきますね。

ご存知と思いますが念のため2CV

もちろんこの形は皆さんご存知と思います。僕は形は知っているけれど、エンジンが水平対向の空冷2気筒とは知りませんでした。

シトロエン・2CVは、フランスのシトロエンが1948年に発表した、前輪駆動方式の乗用車である。

きわめて独創的かつ合理的な設計の小型大衆車で、1999年、20世紀を代表する車を選ぶ「カー・オブ・ザ・センチュリー」の選考過程におけるベスト26に入った1台である。

Wikipedia シトロエン2CV

wikiの中にもう一つ、すごく腑に落ちた記述がありました。少し長くなりますが、引用します。

「こうもり傘に4つの車輪」
ブーランジェの提示した農民車のテーマは、「こうもり傘に4つの車輪を付ける」という、簡潔さの極致を示唆するものであった。

価格はアッパーミドルクラスであるトラクシオン・アバンの1/3以下という低価格が求められた。

しかし、自ら自動車の運転もこなすブーランジェによって具体的に示された条件は、技術陣をして「不可能だ!」とまで言わしめた難題だった。それは以下のようなものであった。

●50kgのジャガイモ又は樽を載せて走れること
●60km/hで走行できること
●ガソリン3リッターで100km以上走れること
●荒れた農道を走破できるだけでなく、カゴ一杯の生卵を載せて荒れた農道を走行しても、1つの卵も割ることなく走れるほど快適で乗り心地がよいこと
●車両重量300kg以下
●もし必要とあれば、(自動車に詳しくない初心者の)主婦でも簡単に運転できること
●スタイルは重要ではない

Wikipedia シトロエン2CV
最後の「スタイルは重要ではない」というところ、そして「こうもり傘に4つの車輪を付ける」部分が目に見える形で実現されていて、それがチャームポイントにもなっていますよね?
最後の「スタイルは重要ではない」というところ、そして「こうもり傘に4つの車輪を付ける」部分が目に見える形で実現されていて、それがチャームポイントにもなっていますよね? コウモリ傘・・・まさにそんな感じです。

僕はフランスというと「思ったよりおおらかで明るいラテン色の強い国」というイメージを持っていたのですが、この開発目標を見るとすごくドイツのカブトムシ、ワーゲンのような厳格さを感じます。

温暖でいかにもラテンという感じの南欧マルセイユでも緯度でいえば北海道の小樽くらい。パリだって稚内より北で、そのさらに北、オランダが出自のアンドレ・シトロエンが創業者のシトロエンだからできた業績なのかもしれません。

ワーゲンの開発目標は ●頑丈で長期間大きな修繕を必要とせず、維持費が低廉であること ●標準的な家族である大人2人と子供3人が乗車可能なこと(すなわち、成人であれば4人乗車可能な仕様である) ●連続巡航速度100 km/h以上 ●7 Lの燃料で100 kmの走行が可能である(=1 Lあたりの燃費が14.3 km以上である)こと ●空冷エンジンの採用 ●流線型ボディの採用 と言うものだったそうです。厳しい条件という意味においては2CVと似ているような気がしませんか?
ワーゲンの開発目標は

●頑丈で長期間大きな修繕を必要とせず、維持費が低廉であること
●標準的な家族である大人2人と子供3人が乗車可能なこと(すなわち、成人であれば4人乗車可能な仕様である)
●連続巡航速度100 km/h以上
●7 Lの燃料で100 kmの走行が可能である(=1 Lあたりの燃費が14.3 km以上である)こと
●空冷エンジンの採用
●流線型ボディの採用

と言うものだったそうです。厳しい条件という意味においては2CVと似ているような気がしませんか?

2CVは農民のための車、ビートルは国民のための車、そして日本では

2CVは農民の輸送や移動手段を主な目的とした大衆車でした。これって、「農民車」とか「国民車」と呼ばれたコマツユニカと似た生い立ちですよね!

生まれた時期はコマツユニカが1950年代とずっと後ですが、少ないリソースで最大限の効果を上げようとしたギリギリの取捨選択が、その形にそれぞれ表れているような気がしてとても興味深いです。

2CVはフランス語で2馬力

「2CV」はフランス語で「2馬力」を意味する deux chevaux(フランス語発音: [dø ʃ(ə)vo] ドゥ シュヴォ)の略語で、そのエンジンは、空冷水平対向2気筒 OHV(type A:375cc, type AZ:425cc, 2CV-4: 435cc, 2CV-6: 602cc )とかなりの小排気量。

バイク並みです。恐らくこれを耕耘機に載せたところで画期的に強力というわけではないはずで、「ウケ狙い」「やってみたかった」ということがありありとわかります。その効果は絶大で、もちろん僕も食い付いてしまいました。

エンジンはこんな感じ

油冷エンジンなのでしょうか?大きなオイルクーラーが印象的です。ワーゲンやBMのような水平対向OHVですがかなりコンパクトな印象です。いちいち3Dに起こした貴重な資料とも言えます。
ネットで写真を探してきました。コンパクトで美しい。
ネットで写真を探してきました。コンパクトで美しい。航空機技術者が作った感じがプンプンします。

ニコイチのもう一つの片割れFiat Someca SOM 20

ネットで写真を探して来ました。Fiat Someca SOM 20です。ニンジンな色合いがなんとも素敵ですよね!
ネットで写真を探して来ました。Fiat Someca SOM 20です。ニンジンな色合いがなんとも素敵ですよね!

Fiat Someca SOM 20はウィキペディアによると、1953年からイタリアのメーカーFiatTrattoriのフランス子会社がナンテールの工場で製造した小型農業用トラクター。

1956年に発表されたこのモデルは、このとき生まれたSomecaブランドの2番目のトラクターであり、フランスの農業市場向けにこれまでに製造された最高のトラクターの1つと見なされています。 ナンテール(オードセーヌ)のソメカ工場で18,741台製造されました。

ニンジンさんはフランスで作られたFIATトラクターだったのですね。「ソメカ」という名前もカワイイです。

2万台近くも作られたとか・・・愛され感があります。コマツ「ユニカ」とも響きが似ていますよね?関係ないけど。

話を最初に戻しますと、あのニコイチはオランダ系ユダヤ人のアンドレ・シトロエンの作らせた農民車でもある2CVと、イタリアのFIATがフランスで生産したトラクターの愛され合体だったのです。

きっとどちらも現地の人になじみのある、できれば切り離したくないものなのでしょう。それを一緒にしてしまう・・・おもしろいですね!

日本に当てはめたら・・・なんだろう?ハコスカブルトラをニコイチにしてしまう感じでしょうか?もしこれを作ったら衝撃です!!

今日はこんなところです。それではまた明日!

上の記事とゆるく関連しているほかの記事:

“向こうの大人はオモシロイコトしているなぁ。Fiat Someca SOM 20D & Citroën 2CV” への2件の返信

  1. 確かにそっちです!明らかにそっちです!!
    スバル360に訂正します!!!

  2. 日本に当てはめたら・・・なんだろう?ハコスカとブルトラをニコイチにしてしまう感じでしょうか?

    そこはスバル360で!

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