
今日はShioikaさんに送ってもらった、ヤンマーのオートスレッシャーPK-1B、昔のカタログシリーズです。
以前Nさんに送ってもらった鉄クローラ、自脱キャリーPTC-1Bの直接の後継にあたり、当然履帯も鉄からゴムへ変わっているのでした。
ヤンマーの社史「『豊穣無限』ヤンマー農機20年のあゆみ」によれば、PTC-1Bの誕生は1971年、そのカタログは当時の様子がよくわかる素晴らしいスナップ写真に彩られています。
Shioikaさん、いつもありがとうございます!

作業風景はもとより、ぴしっとした「おだがけ」の直線、お手伝いする子供、意欲的なローアングルの稲の写真など、いい写真ばかりです。
中心のヤンマーオートスレッシャーPK-1Bは、以前紹介したホイールタイプのPF-1Aと、上部構造は全く同じもののように見えます。
よく見るとカタログのタイトルはPKとだけありますね。エンジンのタイプや機体サイズによってスラッシュの後の記号が変わるシステムのようです。

空撮の秋の田んぼ。山に囲まれた田んぼには四角い部分がほとんどありません。
山の形、川の形に添い、美しい曲線を描いています。確かにこういう場所ではバインダーと、このようなハーベスターが必要になりますね! 70年代初頭はこのような圃場が多かったのでしょうか?
●湿田で機動力を発揮する特殊エンドレスゴムクローラを採用。耐久力があり、湿田でも、土や藁の巻き込みがなく、土ばなれがよいのでスイスイ移動します。
カタログより
少し引っかかったのは、「湿田に強いエンドレス・ゴムクローラ」という部分。
クローラのことを「無限軌道」というくらいだからもともとエンドレスじゃないの?
と思ったのですが、これはネックレスのようにコマを一つ一つ繋げて輪にした鉄のクローラに対し、「ゴムクローラは、輪ゴムのようにぐるっと一巻きなのだ!」と表現したかったのだと思い直しました。
きっと、当時はゴムのクローラの出始めでしょうから、なんとか強調したかったのだと思います。
舗装路を走る際に静かという現在の売文句も、家から圃場までの未舗装ばかり走ったであろうこの機械では成立しなかったでしょうしね。

ああ!ここでも前回引っかかった「しいな」が出てきます。お!しかも、ここはPF-1Aと違ってカラーですね。
しいな
しひな 【粃・秕】
皮ばかりで実がない、もみ。また、よく実が入らずにしなびた果実。
僕のように知らなかった人のためにもう一度書いておきますね。
(そんな人はいないかもしれませんが)

これで中央の機体の様子がよくわかります。稲を送るチェーンの部分、むき出しで全くカバーがされていない今では考えられない 恐ろしい仕様になっています。

と、おや?写真に写っているのはPK-1Bではありません。ホイールタイプのPF-1A、もしくはその後継のPFシリーズのようです。
また、機械の誕生は1971年ですが、カタログは1974年のもののようです。

エンジンが水冷4サイクルディーゼル、ホッパー式のNS60-TのものがPK1-B、それより若干馬力の大きい水冷4サイクルディーゼル、コンデンサ式のNS70-CTのものがPK-1BCとPK-2BCとなっています。
内容としては突っ込むべき思い出し後悔しそうな愛称も付いていませんし、淡々としたカタログでした。(イセキには「恋女房ものりたがる」などというカタログありましたね。そういえば)
でもいつも言うようにヤンマーのこのころのカタログは写真が素晴らしいです。
今日はこんなところです。また明日!