今日は以前ネットで見かけて「?」となっていたイセキカラーの日の本MB1100、何気なく見た井関農機の社史に「MB1100の供給を受け」という記述を見つけて「本当にあったんだ!」と、確認した・・・というお話です。「ネットの写真で撮りトラ」ですね!
問題の写真
ネットで探しても写真は2枚しか見つからない貴重品
ネットで探してもMB1100の写真は数枚しか見つからない貴重品。これが問題の写真です。
MB1100はこんなトラクター
かなり前にずいぶん日の本のMB1100を紹介しています。過去の記事を並べます。
井関の社史にあった記述です
イセキの社史「井関農機60年史」を何気なく見ていて見つけた記述です。少し長くなりますが、引用します。
農業人口の現象と労働力の高齢化・女性化が進む中で、昭和40年代後半には、15馬力以下の小型トラクタを求める市場の要望が無視できなくなってきた。当社は40年に開発したTR1型乗用耕耘機に続けて、40年に「TM1200型」「TB1400型」を生産、販売し小型トラクタの需要に応えたが、40年代後半を迎えるとそのままでは通用しなくなり、改良を迫られていた。
「井関農機60年史」179p
しかし、前述のように、中型トラクタTSシリーズの開発に技術陣の総力をかけていたから、小型トラクタを自社開発する余力がなく、したがって、この分野は他社の製品に依存して市場を維持することとし、大阪の東洋社から11馬力の小型トラクタ「MB1100型」の供給を受け、48年6月からOEM商品として販売を開始した。
こうありました。70年代にどこのメーカーも大きいのから小さいのまでやたら商品の種類が増えました。だからといって全部自社で揃えたわけではなく、このように足りない分を他社から補っていたというわけですね。
きっと、販売店がお客さんから「もっと小さいのはないの?」「もっと便利なものはないの?」と言われ、それが製造会社に上がってきたのでしょうね。
殺し文句は「他社にはあるのに」でしょう。「市場の維持」という社史の中の言葉にそれがよく表れているような気がします。
純粋な意味での市場の維持だとしたら、他社の製品で小型トラクターの市場は維持されているわけで、この場合の市場の維持とは「自分の畑」・・・「自分の畑の維持」という意味でしょうから。
結局は自分で作ったそう
イセキは当時、小型トラクター分野の市場を日の本からの供給でしのごうと考えたのでしょうが、その頃の11馬力クラスには既にブルトラB6000が既に存在していました。
また、年を重ねて三菱のD1300、ヤンマーのYM1300なども本格的な四駆も出てきました。
尻に火がついてTX1000を作ったそうです。11馬力なのでちょうどMB1100の後継という形になりますよね!
TX1000/TX1000F
イセキのサイトにはカタログがありました
そのカタログでTX1000の運輸省型式認定番号が農1005、そしてTX1000Fが農1006とわかってしまいました。
早速データシートに記入してみます
年表も作ってみます。
どこかが商品のラインナップを充実させると、他社も何が何でも同じことをする・・・クルマでも同じような様子ですよね?
これって、世界中どこでもそうなのでしょうか・・・気になります。
今日はこんなところです。また明日!