耕うん機時代の終わり、トラクター時代の始まり。エンジンフード付耕うん機、日の本號TG型「撮りトラ@土の館」

今日もNさんに連れて行ってもらった(Nさんありがとうございます!)、茨城県稲敷郡美浦村にあるスガノ農機の本社工場にある、北海道上富良野町にあるスガノ農機の『「土の館」 土と犂の博物館』の分館?で見た、エンジンフード付の耕うん機、日の本號TG型「撮りトラ」です。

中には古いトラクターや、プラウが展示されています。これについては後々(いつになるかわかりませんが)紹介します。
北海道上富良野町にあるスガノ農機の『「土の館」 土と犂の博物館』の分館?の中には古いトラクターや、プラウが展示されています。  
日の本號耕うん機TG型です。写真ブレブレで申し訳ない・・・きれいにレストアされていて(ボルトナットも新しくなっている??)そのデザインもあいまっていつの時代の物かぱっと見にはわからない感じです。
日の本號耕うん機TG型です。写真ブレブレで申し訳ない・・・きれいにレストアされていて(ボルトナットも新しくなっている??)そのデザインもあいまっていつの時代の物かぱっと見にはわからない感じです。
耕うん機がかなり普及し、乗用トラクターがポツポツ使われるようになった頃、こんなトラクター風のエンジンフードを持った耕うん機が現れたのですよね?
1960年頃は耕うん機がかなり普及し、乗用トラクターがポツポツ使われるようになりました。(見てきたように書いていますが、実際には知りません)耕うん機時代の終わり、トラクター時代の幕開けのような時期です。そんな時、このようなトラクター風のエンジンフードを持った耕うん機が現れたのですよね?

例によってキャプションを読んでみます

HINOMOTO TG
日の本号小型トラクター TG型
製造:東洋社(日本)
出力:6.5馬力
使用経過:昭和37年当時17万円程で導入。
昭和50年頃まで使われていた。
ロータリとプラウを付け替えて使用。
専用の砕土機が別に付いていた。
農協の推奨機だったため多くの台数が導入された。
導入年度:1962(昭和37)年

日の本号小型トラクター TG型キャプション

とあります。昭和37年頃の17万円は今でいうと208万円くらいのイメージです。今、こんなに大きな耕うん機は売っていないのかもしれませんけど、今だと1/10くらいの値段で買えますか?

流線型、ストリームライン好きとしてはこういう形が大好きです。オリジナルはどんな色だったのかがすごく気になります。
流線型、ストリームライン好きとしてはこういう形が大好きです。オリジナルはどんな色だったのかがすごく気になります。

一瞬しか存在しなかった一連の耕うん機、以前もいくつか紹介しましたよね!

エンジンフード付き耕うん機は微妙な色のツートンカラーが主流な感じでした。これは片山製作所の日の出式。古風な式名とモダンな形の取り合わせがナイスです。
メリーディラーもフルカバー式エンジンフード。
どのメーカーも、作業するにはあまり影響がない見た目重視のこのタイプを作っていたということがおもしろいです。こちらは三菱CT-70型。
クボタだって同様のタイプを出していました。やはり微妙なツートンカラーです。塗り直されているのでオリジナルはどうだったかはわかりませんけど・・・
タイトルの画像は1966年のF90ですが、この形に先鞭をつけたのは1959年のホンダF150だと僕は考えています。
同じ土の館で見たヰセキのKF850も「エンジンフード付きトラクター風耕うん機」のカテゴリーに入れられると思うのです。

このように1960年前後、短い期間の間にドバッと「エンジンフード付きトラクター風耕うん機」が出てきて、その一員として今回「日の本號TG」を再発見したと言っても良いかもしれません。

輸入トラクターからヒントを得たと思われる欧米風スタイルに古風な名前の取り合わせがくすぐります。日の本+號ですもん。
当時のトラクターからヒントを得たと思われるスタイルに古風な名前の取り合わせがくすぐります。日の本+號ですもん。
そういえばこのころ四角のヘッドライトが出てきだしたのですよね。四角とも丸ともつかない微妙な四角ですけど・・・ランプの銘は確認できませんでしたが、バルブがスタンレーなので、スタンレー製のヘッドライトではないかと思います。
そういえばこのころ四角のヘッドライトが出てきだしたのですよね。四角とも丸ともつかない微妙な四角ですけど・・・ランプの銘は確認できませんでしたが、バルブがスタンレーなので、スタンレー製のヘッドライトではないかと思います。
耕うん機がかなり普及し、乗用トラクターがポツポツ使われるようになった頃、こんなトラクター風のエンジンフードを持った耕うん機が現れたのですよね?
実は手前のスタンドに掲げられている表が耕うん機とトラクターの普及年表なのですが、今日は時間がなく触れられません。これを見ると1955〜1956年あたりに耕うん機の普及台数のピークがあって、その後トラクターに取って代わっていったようなのです。

1955〜1956年あたりが耕うん機の終わりの始まりとしたら、1960年〜1962年のこの「エンジンフード付きトラクター風耕うん機」達は耕うん機時代の終わりに立ち会っていたと言えるのではないでしょうか?

今日はこんなところです。また明日!

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