今日は伊藤産機さんのところで見た、ハンドトラクター、三菱耕耘機CT83「撮りトラ」です。現時点で僕の見た、3番目に小さな運輸省型式認定番号で、300番台なんです。最近はこの運輸省型式認定番号にハマっていて、これを集めれば古い機械の前後関係や年式を知ることができるのではないか?と、考えています。
異形のヘッドランプが特徴的な三菱耕耘機CT83です。
三菱耕耘機CT83 ハンドルの付け根部分に銘板があります。
三菱耕耘機CT83 こんなところカラオイルを入れるのですね。銘板と老いるタンクキャップの間に塗りつぶされてしまった認定番号番号票があります。
三菱耕耘機CT83 拡大してみます。小型特殊自動車
運輸省型式認定番号 農322号
三菱 CT83型
300番台です。僕が今まで見て確認できたものとしては三番目に小さな数字です。
三菱耕耘機CT83 昔、伊藤産機さんで販売したものなのでしょう。お金の掛かっていそうな金属製ステッカーが貼ってありました。
僕が今まで見た中で一番小さな数字は、200番台で農238号、ヰセキの画期的ワンボディ耕耘機、KF850のものでした。農林省検査合格の番号が1958年で、井関農機60年史によると1959年12月発売ということでした。以前もエンジンのないドンガラを見たことがあるのですが、大きく口を開けた正面の開口部から覗くビクターオート製のSTHIL空冷単気筒ディーゼルエンジンのファンがカッコいいです。
僕が今まで見た中で二番目に小さな数字は、スガノ農機「土の館」で見た、くろがねベビートラクター(くろがねKBT型)の農248号。このトラクターのキャプションには、1962年(昭和37) 帯広畜産大学で、495千円で購入。教材として長年使用してきたもの。国内の販売は少なかった。
とありました。
こちらは以前見た三菱耕耘機CT531です。ある程度カバーリングされていますが、ワンボディ形ではなくエンジンが別体の古い形のもの。汚れているだけで錆は少なく、まだ現役で働けそうな機体です。面白いのはタイヤ。きっと交換すると高いので、貰ってきた軽トラのタイヤかなにかを履かせて、それだと牽引力がないのでスノーチェーンをはめたのでしょう。考えるなあ。燃料タンクキャップは失くしてしまったのでしょうか? レジ袋を縛って代用です。CT83とほぼ形は一緒ですが、こちらのほうが若干新しく、運輸省型式認定番号は農364号で、国営検査合格が1964年2月となっています。
- KF850 農238(農林省検査合格が1958年、1959年12月発売)
- くろがねKBT型 農248(1962年(昭和37) 帯広畜産大学で、495千円で購入。)
- 三菱耕耘機CT83 農322
- 三菱耕耘機CT531 農364(1965年〜1969年(三菱年表)国営検査1964年2月)
という順番になり、三菱耕耘機CT83は1962年〜1965年の間に作られたということになります。
三菱耕耘機CT83 ヰセキKF850が、ホンダF150のワンボディ型でスタイリッシュ、しかも格安という(まだ運輸省型式認定番号の確認はできていません)黒船に驚いて作られたということをふまえ、そのあと数年も経ってこのCT83ができていることを考えると興味深いです。三菱はメンテナンスや故障率などを気にかけ、どちらかといえば保守的な立ち位置をとっていたのかもしれません。
三菱耕耘機CT83 中央の丸い軸にハンドルを刺して手動で回し、エンジンを掛けるのだそうです。
↑試しに回してもらったのですが、掛かりませんでした。
三菱耕耘機CT83
エンジンは三菱かつらディーゼル SD8型
最大11PS 2200rpm
定格8PS 2000rpm
と書いてあります。
三菱耕耘機CT83 超渋い燃料タンクキャップ。部品が兼用なのか、農用ディーゼル軽油 GAS OIL 2号軽油、とどっちだかわからないような表記がされています。
三菱耕耘機CT83 お約束の「アツイトキアケルナ」と、いうことは、自然循環式ではなく、加圧循環式のラジエターだったのでしょうか?
三菱耕耘機CT83 汚れていますが、ずっと納屋の奥、屋根の下で保管されていたのでしょう。思いのほかいい状態です。
三菱耕耘機CT83 ラジエターファンはアルミかなにかの鋳物出できているようです。
三菱耕耘機CT83 変速段数は低中高の3速と後進一速のようです。
三菱耕耘機CT83 ヘッドランプは今仙電機です。
三菱耕耘機CT83 古い機械はトラクターも耕耘機も鉄板厚そうでいいですよね!今日はここまでです。また明日!
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海外旅行者さん おはようございます
情報ありがとうございます!
1.三菱耕運機は1964年から韓国に「大同工業」という会社にライセンス方式で導入し、生産された。
だから三菱ディーゼル耕運機と似たような形の耕運機韓国にも数台残っています。
新しい機械もいいけれど、古い機械もなかなか味があっていいものですね。
ハンドルを使ってエンジンをかけるのは一度でいいからやってみたいです(笑)個人的には一つだけのヘッドランプと、むき出しのプーリーとベルトが結構好きです。