今日も『スキマを埋めて日本農機の流れを把握！「運輸省型式認定番号」』シリーズです。このシリーズの最大の難関は製品の寿命がトラクターに比べ短いコンバイン。（もし田植え機もこのラインに加わっているのだとしたら田植機が最大の難関かもしれません）今、僕はコンバインブームなので、1970年生まれ、ヰセキ初（国産初？）の乗用型コンバインヰセキHD650R/660Rを2つ追加します。
ヰセキの社史には国産初の自脱型コンバインHD50の変遷のようすが描かれています。
まず、HD50型は、昭和43年には「HD50A型」、44年には「HD50B型」と毎年性能を向上させたが、そのころから乗用型の要望が高まってきたため、44年には機体後部に折りたたみ式の座席を設けた乗用歩行兼用型の「HD50R型」を開発し、翌45年（1970年）には始めての乗用型「HD650型」と「HD660型」（北海道向け）を発売した。
井関農機60年史
とあります。ここで注目したいのは乗用兼歩行型の型番末尾に「R」が振られていることです。これをふまえて手持ちの資料と付合わせ推理してみたいと思います。
ヰセキコンバイン HD660R 農702号
手持ちの資料ではHD66という機種が、1970年あたりに農702号として認定されています。運輸省型式認定番号ですから、公道を走行することを念頭においていると思われ、だとすればこのHD66型式は乗用の「R」型だと考えられます。
また、社史より乗用のHD660型（北海道向け）という機種が同じ頃（1970年）に出ています。毎年改良していたとは言え、似たような番号のコンバインが多数生まれたとは考えにくいので、以下のように想像できるのではないかと思います。
運輸省型式認定 HD66型＝社史による社内通称HD660型（北海道向け）
ヰセキコンバイン HD650R 農703号
先の法則が正しければ、この機種は社史による社内通称がHD650になるはずです。
以前見たカタログにHD650Rというコンバインがあるのですが、型式HD65型、運輸省型式認定番号、農703号はこれではないかと思うのです。
カタログでHD650Rとなっているのは、乗用の証である「R」がついている・・・という考え方です。つまりこうなります。
運輸省型式認定 HD65型＝社史による社内通称HD650型＝販売名HD650R
シートに記入します
『農機の運輸省型式認定番号一覧表』に追記しました
『農機の運輸省型式認定番号一覧表』を固定ページで公開しました。一番上のメニューから入れるようにしています。これから新しく運輸省型式認定番号を発見するたびに追記することにします。
（ほぼ同時に英語版の一覧表も公開しています）← Click here for the English version.
追記：今まで一部の環境ではテキストが読めなかったということがわかったので修正しました。スマホでも読めるようになったと思うのですが、もし読めない場合はコメント欄でもメールでも構いませんので連絡をください。お願いします！
今日も大した内容ではないのにずいぶん時間がかかってしまいました。それではまた明日！！