今日も昔のカタログシリーズ&田植機考古学。Shioikaさんに送ってもらったヤンマー田植機YP2伊吹カタログとトラクター狂さんに送ってもらった同じく伊吹のカタログの比較です。
もう少し見開き部分を比較してみましょう。
両者微妙に違うのですが、内容で印象に残るのは2色の後者にある「フロートを上げれば田んぼのどこからも出られます」という部分。
前者には全く出てこない記載です。実際に販売され、使った人からの声だったのでしょうね。
他にはイラストの苗が後者は2列に減っていること。そしてなぜかYP2の向きが変わっています。
そして何よりも、いや、もうそれは初めから気になっていたもの。それは・・・
しかし、これらのヒトはオイルショック後の2色刷りのカタログ見開きでは消えています。
さらに次のページに行きますと・・・
何よりもテキスト部分の変化がすごいです。少し長いですが引用してみますね。
73年8月
〜ヤンマーは豊かなみのりを皆様にプロデュースいたします〜
ヤンマーは皆様にお届けするすべての商品にこの精神を貫いています。稲作、畑作、酪農、果樹、園芸など様々な経営体、経営規模に適応できる豊富な機種、生産性をたかめる作業システム、完全なアフターサービスなど、ヤンマーは、皆様と共に豊かなみのりをプロデュースします。
74年10月
〜ヤンマーは豊かなみのりを皆様にプロデュースいたします〜
ヤンマーは、創立いらい一貫した「燃料報国」の精神のもとに、もっとも経済的で能率の高いディーゼルエンジンを中心とする農業機械を開発。稲作、畑作、酪農、果樹、園芸など様々な経営体、経営規模に適応できる豊富な機種を揃えて、生産性をたかめる作業システムを生み出すと共に、完全なアフターサービス体制を確立し、皆様に豊かなみのりをプロデュースします。
なんだか74年10月のカタログには突然「燃料報国」の文字が入っています。まさにオイルショック・・・それに、創立いらいと書かれていますが、「ヤンマー農機20年のあゆみ」を見てもタイトルは「豊穣無限」ですし、「燃料報国」などどこにも出てきません。
カタログに「燃料報国」が入り、遊びのある不思議なキャラクターが吹っ飛んでどこかへいなくなってしまう・・・
そんなインパクトをオイルショックは農機の世界に与えたようです。
輸入に頼っているオイル問題は、完全に解決することはこの先もなかったはずですが、バブルの時にはそれを忘れたようなカタログがあるわけですから、「モノを売ること」は危機すらも販売につなげる材料にすること・・・なわけですね。(非難しているわけではなく、全くそうするしかないと思うので)
それだけに昔のカタログを見るのはおもしろいです。
今日はこんなところです。それではまた明日!