田植機の決定版は他社とほぼ同じ仕様。ヤンマー田植機YP2伊吹カタログ裏面

今日はShioikaさんからいただいた昔のヤンマー田植機、YP2伊吹カタログ裏面写真です。

伊吹YP2は1972年12月発売。この時点でヤンマーは、当時行なわれていた育苗方式のかなりの部分をカバーできる田植機を揃えていたということになります。「どのお宅でも田植えをすぐに機械化できた」ということですよね!
そのカタログの裏面です。カラーの部分で♡をつかんで、裏面でしっかり説明というごくあたりまえの作りのカタログです。
そのカタログの裏面です。カラーの部分で♡をつかんで、裏面でしっかり説明というごくあたりまえの作りのカタログです。

条件としては稚苗〜中苗の箱育苗。中苗〜成苗(木枠育苗)の露地育苗まで対応できると謳っています。

また、左右独立の自動スウィング装置で耕盤の浅い深いや、畔際などで左右の深さが違う時にも安定して植付けできると謳っています。

カタログには突然ツバメが登場します。
カタログには突然ツバメが登場します。それほどスペースが余っているわけでもないのに、おもしろいですね。でもかわいい!

しっかり説明部分、もう少し確認します。

以前いただいたYP2単独のカタログでこのあたりをさらに確認してみます。
1Pよりは2P・・・情報量が多いだけに、こちらの説明のほうが繊細です。
1Pよりは2P・・・情報量が多いだけに、こちらの説明のほうが繊細でより詳しく説明されています。突然出てくるシリーズ、こちらは田んぼにチョウチョです。ツバメは実際に見たことがありますが、チョウチョはありません・・・

4.の部分、畔際の処理装置の部分で「他社との違い」が出ています。YP2が発売される前年に先行して販売されたイセキのPF20のことなのでしょうね・・・せっかくなので両者を比べてみます。

イセキPF20のスペックはこの記事の時に大体わかっています。

ヰセキ田植機PF20
●エンジン 4サイクルヰセキKF344・出力2.5ps
●機体寸法 全長1940mm・全巾900mm・全高810mm
●重量 65kg
●走行方法 2輪フロート式、サイドクラッチ付
●能率 60分/10アールあたり
●育苗方式 ばらまき苗 苗令2.0〜2.5葉、10cm〜18cm
●栽植密度 2条並木植え、条間30(PF20Aのみ33)

『伊吹』 YP2

全長:1900〜2000mm
全高:7980〜890mm
全幅:880mm
重量:70kg
植付け条数:2
植付け感覚:30cm
植付け株間:10、12、14、16、18、20cm
植付け株数:3.3㎡あたり100、90、80、70、60、50株
植付け深さ:2〜5(3段)cm
作業速度:0.3〜0.6m/sec
空冷4サイクルガソリンエンジン1.6PS/1800rpm〜2.4PS/2100rpm

伊吹のほうが重さで5キロ重いですが、苗は20cmの大きさまで植えられます。しかし、ほとんど違いは見られません。「他社との違い」で書かれていた自動スウィング装置の部分はどうでしょう・・・

{特長} ①ばらまきマット苗を使用。 ②走行部は2輪駆動の自動スイング式を採用、耕深にあわせ適宜自動スイングすることにより、常時、適正な牽引力を保つ。 ③フロートが大きく、しかも自動スイングするため植付ける地面への接地圧が一定で、安定した植付け性能が得られる。
{特長} ①ばらまきマット苗を使用。 ②走行部は2輪駆動の自動スイング式を採用、耕深にあわせ適宜自動スイングすることにより、常時、適正な牽引力を保つ。 ③フロートが大きく、しかも自動スイングするため植付ける地面への接地圧が一定で、安定した植付け性能が得られる。

自動スイング式は同じで、その動作範囲も深さ5cm〜30cmととりたてて違いが見られません。

しかし、左右の違いについては記載がないので、伊吹のカタログにあったように畔際では耕盤深さの左右差を吸収できなくて田植機が傾いてしまうのかもしれません。

両者は畔ぎわの振る舞いぐらいしか違いのない、大変よく似た機構と性能だったということなのかもしれません。

軽くて田んぼの上を滑り、特別な育苗方式が要らず、価格も先行他社に決められているとなると、できることは限られてきますよね。

ひも苗式というユニークな育苗方式で機械化の先鞭をつけ、さらに普及しつつあったマット苗式田植機ができたので、結果すべての苗タイプをカバーする田植機ラインナップが完成・・・

ということで僕がひも苗式(田植機の王者として)とマット苗式が両方載った田植機カタログを見ることができたわけです。

今日はこんなところです。また明日!

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