今日は札幌農学校第二農場で見た、昭和40年代のクボタ総合カタログ(そんな感じです)の中の、クボタクボタL35R、ST22「昔のカタログシリーズ」です。
kubota L35R
また、商品の特長は・・・
強力35馬力のクボタディーゼル
■トルクの大きい新設計のディーゼルを搭載しています。
■クボタ独特の球形燃焼室とナイロンファンによって、騒音を非常に小さくしました。
■グロープラグ付きですから寒冷時の始動も簡単です。日本の農業形態を考えて設計
■ブレーキやエンジン部は、オール密閉式ですから、防塵、防水は完全です。
■耕耘幅は、1660ミリ(約5.5尺)もありますから非常に能率が上がります。しかもタイヤ幅より大きいので、タイや跡が残りません。アゼぎわもきれいに耕うんできます。
■最小回転半径が、わずか2.3メートルと非常に小さくできますので能率的です。
■代かき、一連うね立て、二連うね立て、片うね立てなど、非常に能率的に、きれいにできます。均平耕うんもできます。
■地上高が大きく、湿田作業や水田・畑作の管理作業に高性能を発揮します。あらゆる作業機がセットできる
■動力取出軸は、国際標準の565回転/分と、高速の1,062回転/分の回転速度をもち、アタッチメントの動力取出装置をセットするといろいろの作業機がとりつけられます。
■ミッドモーア、フロントローダ、トレーラなどの同時装着ができるように、腹部からも動力を取り出すことができます。
■三点リンクは、国際規格サイズですから、各種の作業機がセットでき、広範囲な作業ができます。強力で操作しやすい油圧装置
■高圧油圧シリンダを2コ装備していますので、1.2トンの持上力があります。
■油圧ポンプは、エンジンに直結しており、クラッチを切ってもエンジンが回転している限り油圧装置が作動します。
■作業機の落下速度を調節することができます。運転しやすい
■道路走行時の最高速度は、20キロメートル/時です。
■エンジン回転速度、車速、PTO回転速度、運転時間が一つの計器に表示されていますから、一目でトラクタの状態がわかります。
とあります。興味を持った部分は2つ。ひとつはクボタ独特のナイロンファン!
今はほとんど全てのエンジンのファンはプラスチックだと思うので、商品の特長には挙げられませんが、これが静粛運転に関連しているとは知りませんでした。
そしてもう一つは1.2トンの持上力
今だと油圧揚力と描いてあるのがほとんどではないでしょうか? 持上力、すごくわかりやすくて気に入ってしまいました。
昭和42年(1967年)生まれ
「久保田鉄工80年の歩み」という本の巻末資料27ページの年表、昭和42年の項には、コンバインM200R型、畦畔ダスターBD4型などと共にトラクターL35R(水田用)が載っています。昭和42年(1967年)生まれなんですね。
kubota ST22
また、商品の特長は・・・
新設計の水冷ディーゼルを搭載
■エンジンは、水冷2気筒22馬力の高性能ディーゼルで十分な余裕馬力を持っています。
■グロープラグつきですから寒冷時でも一発でスタートできます。
■燃焼方式は、球形燃焼室式で、燃焼効率が良く、燃料消費も少なくてすみます。
■スイッチでエンジンが始動するセルスタート式です。稲作にも使用できる畑作トラクタ
■畑作用としては、北海道での経験を生かして最高の性能を発揮できるように設計しましたが、自家米も生産しておられる農家のことを考えて、水田にも使用できるようにブレーキやエンジンは完全密閉しています。
あらゆる作業機が装着できます
■トラクタの前部、腹部などに数多くの作業機装着用のネジ穴があります。
■ミッドモーアとヘイローダー、トレーラが同時にセットできますので、牧草の収穫作業に非常に便利です。
■国際標準の後部PTOの他に、中央下部のPTO、エンジン直結の高速PTOがありますから、各種の作業機をセットして動力を取り出すことができます。
■三点リンクを装備していますから、作業機を簡単に確実に脱着できます。心地よく運転しやすい
■前後に調節できるクッションのよい座席ですから、運転者が疲れません。
■ハンドアクセルのほかに、フートアクセルを装備しています。
■トラクターメーターがついていますから、エンジンの毎分回転速度、積算回転数(アワーメータ)、PTO回転数、速度を表示していますので作業や整備に便利です。
作業能率が高く作物を傷めない
■地上高が非常に高いので、ミッドカルチによる中耕作業や、タンク後装の防除作業などの管理作業に適しています。
■デファレンシャルロックがついていますので差動装置を固定し、牽引力を増大することができます。プラウ耕や湿田での片足スリップの心配がありません。強力で作業に便利な油圧装置
■油圧装置は、下部リンクの先端で800kgという強力な持上力がありますから、重い作業機も楽にセットすることができます。
■油圧コントロールバルブには、操作レバーの自動戻り装置を備え、またデプスコントロール装置によって作業機を一定の高さに保持したまま作業できます。
■油圧ポンプは、エンジンに直結していますから、エンジンが回転しているときは、クラッチペダルを踏んでも作動します。
とありました。こちらも持上力ですね。ST22のほうは持上力800kgでした。となると、ずいぶんL35Rの持上力1.2トンは大きい感じです。
「久保田鉄工80年の歩み」という本の巻末資料26ページの年表、昭和41年の項には、バインダー(3条刈り)HC75型、トラクターL13型(水田用)などと共にST22が載っています。昭和41年(1966年)生まれなんですね。
このSTシリーズ、ST18型が先行して昭和40年(1965年)に発売されているようです。
ST22の実機、いつか見られたらいいな・・・と思います。
今日はこんなところで・・・また明日!