今日は札幌農学校第二農場で見た、クボタトラクター最初のL型、L170R、L200R「昔のカタログシリーズ」です。先日の緒形拳さんがドーンとでているカタログの続きです。総合カタログなのでしょうか?
★車体
名称 L170R
形式 農用四輪トラクタ
全長 2,220ミリ
全幅 1,100ミリ
全高(ハンドルまで) 1,300ミリ
軸距 1.380ミリ
最低地上高 332ミリ
輪距(前輪) 920・1,080ミリ
輪距(後輪) 880ミリ・1,100ミリ
タイヤ(前輪) 4.00-15
タイヤ(後輪) 8.3/8-24
重量 800キロ(ロータリなし)・980キロ(ロータリつき)
三点リンク カテゴリー1(三点リンクは特別装備品)
変速段数 前進6段 後進2段
主クラッチ 乾式単板式
駆動方式 後輪駆動
差動方式 デファレンシャルギア式(デフロックつき)
制動装置 一系統左右独立(連結装置つき)
かじ取り装置 ボールスクリュー式
作業機昇降装置 油圧式
最小回転半径 1.7メートル
PTO 規格DIN,SAE規格1 3/8(インチ)
ロータリ 1.360ミリ(約4.5尺)延長1.560ミリ(約5.2尺)★エンジン
名称 E800
形式 立形水冷4サイクルディーゼル
シリンダ内径×行程 102×96ミリ
シリンダ数 1
総行程容積 784cc
出力 17馬力 2,800回転/分
燃焼室形式 球形燃焼室式
使用燃料 クボタディーゼル重油またはディーゼル軽油
燃料タンク容量 21ℓ
潤滑形式 トロコイドポンプによる強制圧送式
始動方式 セルスターター式
★速度
前進1速 1.02キロメートル/時
前進2速 1.57
前進3速 2.48
前進4速 3.86
前進5速 6.06
前進6速 14.8
後進1速 1.56
後進2速 3.80
カタログ本文は結構長くて・・・
◯◯作業にぴったりの超軽量ディーゼル
■◯◯な湿地でもフルに性能を発揮する超軽量、超小型、◯◯ディーゼルを搭載しました。低速回転での粘りが強◯◯抜群です。
■エンジンの始動は、もちろんセル始動。いっぱつでかかります。氷点下15℃の厳寒時でも予熱装置がありますから、始動はスムーズです。◯◯の作業性能を誇るロータリ装置
■ロータリは、車輪幅よりはるかに広く、反転ストレークを取付けたままでも、あぜぎわまできれいに耕耘し、また湿田などでは広幅のトレークをつけた場合はストレーク延長爪軸(特別装備品)を同時にセットすると、1.56メートルまで延長でいるので、大変能率的です。
■ロータリ回転爪は4段に変速できます。それも乗ったままレバー操作でOK。レバー1本で荒起しから、代かき、そして作物に適した砕土が得られます。
■ロータリの取外し、取付けは、標準装備の脱着金具を使用するだけ。油圧で簡単にできます。チェンブロックなどはいりません。
■◯軸の強度を今まで以上に強くしました。また残耕◯◯のためスイングセンター(特別装備品)を用意しています。
■ロータリ用後二輪は、車輪の感覚を作業幅に応じて調整できます。車輪の径を大きくしましたから、コロガリ抵抗は少なくなり、耕深が安定しました。◯◯・作業条件を選ばない充実した足まわり
■最小回転半径は、わずか1.7メートル。隣接耕うんが◯◯でき、枕地も非常に小さくなりますから能率が上がります。
■前輪、後輪とも大径タイヤです。湿田でも沈まず、作業能率は非常にすぐれています。
その他
■三点リンク装置(特別装備品)は、国際規格のカテゴリ1で、広範囲の作業機がセットできます。
読めないところは伏せ字にしています。
★車体
名称 L200R
形式 農用四輪トラクタ
全長 2,400ミリ
全幅 1,120ミリ
全高(ハンドルまで) 1,335ミリ
軸距 1.500ミリ
最低地上高 340ミリ
軸距(前輪) 920・1,320ミリ
軸距(後輪) 910ミリ・1,250ミリ
タイヤ(前輪) 4.00-15
タイヤ(後輪) 8.3/8-24
重量 910キロ
三点リンク カテゴリー1(三点リンクは特別装備品)
変速段数 前進6段 後進2段
主クラッチ 乾式単板式
駆動方式 後輪駆動
差動方式 デファレンシャルギア式(デフロックつき)
制動装置 一系統左右独立(連結装置つき)
作業機昇降装置 油圧式
最小回転半径 1.9メートル
PTO 規格DIN,SAE規格1 3/8(インチ)
エンジン2,700回転/分にて650.95・・・以降読めず
ロータリ L200R形1.120ミリ(約3.7尺)・・・以降読めず★エンジン
名称 Z1100
形式 直列立形水冷4サイクルディーゼル
シリンダ内径×行程 88×88ミリ
シリンダ数 2
総行程容積 1,070cc
出力 20馬力 2,700回転/分
燃焼室形式 球形燃焼室式
使用燃料 クボタディーゼル重油またはディーゼル軽油
燃料タンク容量 24ℓ
潤滑形式 ギヤポンプによる強制圧送式
始動方式 セルスターター式
★速度
前進1速 1.18キロメートル/時
前進2速 1.69
前進3速 2.66
前進4速 3.84
前進5速 6.55
前進6速 14.90
後進1速 1.70
後進2速 3.85
カタログ本文は・・・
20馬力の超軽量ディーゼルを搭載
■湿田でも充分な作業ができるように、超軽量・超小型の強力ディーゼルを搭載しました。
■エンジンの始動はもちろんセル始動。予熱装置がありますから寒冷時も簡単に始動できます。
■バッテリーが上がり気味で始動困難になった場合は、手元のデコンプ装置のノブを引くと楽にスタートできます。水田作業に抜群の威力を発揮
■隣接耕うんが楽にでき、枕地も非常に小さくなりますので能率が上がります。
■湿田などで広幅のストレークをつけた場合は、延長爪軸(特別装備品)を同時にセットすれば、きれいにあぜぎわ耕うんできます。
■反転ストレーク、代かき装置が標準装備になっています。(L200R・XY形)
反転ストレークは、車輪につけたまま、折りたたむだけで農道を走ることができます。
クボタ独自のロータリ装置
■ロータリは、砕土が細かく2毛作に適したL200R形(1,120ミリ)、砕土より能率を高めた1毛作地帯用のL200RB形(1.320ミリ)、爪回転が4段で2毛作に適したサイドドライブのL200RS形(1.320ミリ)、1毛作で馬力消費の少ない土質向きのL200RC形(1.560ミリ)があります。
■ロータリの取外し、取付けは標準装備の脱着金具を使用すれば、チェンブロックなど必要とせず、エンジンの油圧だけで簡単にできます。
■ロータリをつけたままでトレーラを牽引できます。その他
■速度、使用時間、PTO軸回転速度、エンジン回転速度がひと目でわかるトラクタメーターがついています。
■デフロック装置がついていますから、軟弱な圃場で作業中に片輪スリップしたときや圃場への出入り、プラウ耕で外側の未耕地を走るタイヤがスリップする場合などは非常に便利です。
■エンジンの加速は、手元の加速レバーと、足元のフートアクセルでできます。特にフートアクセルは、トレーラを牽引して道路を走る時に便利です。
■小型◯◯で運転できます。車検がなく、保険・税金◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ます。
と書いてありました。ストレーク、標準装備だったのですね。このことからもL形は主に稲作用だということがわかります。
ずっと見てくると、湿田、湿田、湿田と、湿田のオンパレード! このL形が発売された当時(L170Rが中に含まれていることを考えると、L170Rが発売された昭和43年、1968年以降)はまだ、土地改良が進んでいなくて田んぼが深かったのでしょう。
その湿田に対応するため、小さくて軽いトラクターが求められ、小型軽量のディーゼルエンジンが発達し、非力なために牽引力を必要としない、しかも代かきに使える上に畑作にも流用できるロータリーが組み合わされた・・・と考えられます。
現在は土地改良が進み、区画も大きくなってきていますから、当然トラクターも大型化しつつある・・・と、いうことなのでしょうね。
カタログの内容は、その当時の困りごとと「それをこれで解決できます!」という未来がストレートに入っていますからとても興味深いです。
今日はこんなところです。また明日!