今日は札幌農学校第二農場で見た、井関農機のゼトア5511/4511/3511のカタログ、「昔のカタログシリーズ」です。

札幌農学校第2農場(さっぽろのうがっこうだいにのうじょう)は、北海道札幌市、北海道大学構内にある施設。ウィリアム・スミス・クラークの大農経営構想に基づき、明治時代に建てられた木造の畜舎などの建築物群が位置する。また、施設は「模範的畜舎」を意味する「Model Barn(モデルバーン)」という名称でも知られる。一部建造物は内部が一般公開され、北海道開拓時代の農具など展示されている数々の資料を無料で見学することが可能である。
となっています。建物が素晴らしいのですが、それは後日として、今日はその中で見たカタログのお話です。


井関農機では内部的に?TZ5511と呼ばれていたモデルです。60年代のカタログは今のカタログと違い、思いきった個性的な表現が多いので楽しいです。ちょっと中身をのぞいてみると・・・
“ズバ抜けた強馬力”であらゆる土を征服する!
1945年から本格的に生産され、現在年産55,000台—–世界的に有名な機械技術をもつチェコスロバキヤで生まれたゼトアトラクターは世界72ヵ国で活躍中です。
すぐれた各部機構、強力無比のエンジンを装備・・・トラクターの理想を実現させたすばらしい機体構造で、どんなに過酷な条件下でも常に最高の作業性能を発揮します!
征服とかチェコスロバキヤ、最近の広告では見ない言葉ですね〜。

見出しには●連続中作業ができる強力なエンジン(ユニット式のシリンダーが見える写真が載っています。ユニーク!)●前進16段・後進?段のトランスミッション●精巧な油圧装置ゼトアマチック●ずば抜けて強いけん引力●便利なダブルクラッチ
とあります。
ダブルクラッチとは何だろう・・・ピントが手前に合っているのでうまく読めないのですが、クラッチを軽く踏み込むとPTOの動力が切、さらに踏み込むとエンジンのクラッチが切れる・・・そんな感じの機構のことを言っているようです。

●利用範囲の広いPTO装置●軽く強力な油圧ブレーキ(読めないですけど多分そうじゃないかな)●広範囲な車輪調整●快適な運転操作

銘柄形式 ゼトア5501
種類 ディーゼル
冷却方式 水冷
サイクル数 4
シリンダー数 4
内径×行程(mm) 95×110
総行程容積(cc) 3,120
圧縮比 17.9:1
出力(ps) 57
定格回転数(r.p.m) 2,200
車両総重量(kg) 2,270
荷重 前輪(kg) 900
荷重 後輪(kg) 1,370
全長(本体のみ・mm) 3,475
全巾(標準状態・mm) 1,740
軸距(標準状態・mm) 1,620
輪距 前輪最大 1.725
輪距 前輪最小 1.330
輪距 後輪最大 1.800
輪距 前輪最小 1.425
最低地上高(mm) 460
青焼き図面のような三面図が載っているのがいい感じです。時間がなくなってしまいました。この続きは明日ということで・・・
カタログ通り、エンジン性能は圧倒的にブッチギリでハイレベルでした。もしかしたら
意図的に公表出力を低くしていたのか???と思わざるを得ないトラクターです。
フライホイルが巨大だったり、ガバナーやプランジャーのチューニングがカリカリに
決まっていたと思われます。
負荷に負けて回転数が堕ちて来ても、満開指令をスロットルレバーで与えると
グングン吹け上がってきます。思わずニヤニヤしてしまうこの瞬間!