今日は北海道上富良野町にあるスガノ農機の『「土の館」 土と犂の博物館』でando、hokkaidoujinさんと見た、インターナショナルトラクター130のトラクターシートに注目して「撮りトラ」です。
このトラクターのエンジンフードの横には「McCORMICK INTERNATIONAL FARMALL」と書いてあって、どこまでが会社名でどれがトラクターのブランドなのか、大変わかりにくい標記になっています。
会社が大きくなる過程で合併し、名前も合体して長くなっちゃったのですね。「石川島播磨重工業」みたいなものでしょうか。
tractordata.comでは「International Harvester 130」と表記されていて、1956年〜1958年のモデルのようです。エンジンは4気筒2Lガソリンエンジン。馬力は22馬力のようです。この機体がオフセットされているタイプは、レイモンド・ローウィさんデザインのファーモールカブを以前紹介しました。(実は横に並んでいるんですが・・・)
『ファーモール・カブその2・・・「撮りトラ@土の館」』
『カブ?キャブ?非対称形のファーモール・カブ・・・「撮りトラ@土の館」』
顔が完全にセンターより右側に入っています。ハンドルはほぼ真ん中あたり。グリルがクリーム色に切換えられているところがオシャレ。足元をより見やすくとの配慮でしょうか・・・操舵のリンクは前に飛び出しています。
キャプションを見てみましょう。
機種名:ファモールトラクタ
形式・仕様:130型 22馬力
製造社・国:マコーミックインター社 アメリカ
導入年度:1957(昭和32)年
使用経過:日本に9台輸入された。
北見地方で使われていたもの。
昭和50年に入手。足元が見えやすく使いやすいトラクタで、
カルチ作業に使用していた。
そしてこれがシートです。二枚の板バネがサスペンション。複数の板バネは重ねた面の摩擦が適度な抵抗になって、ちょうどショックアブソーバーの役割を果たすと聞いたことがあります。厚めのクッションとともに、「少しでも快適に」という気持が伝わってきます。
板バネはそれ自身もサスペンションになりそうな曲げられた丸棒の渡りで繋がれていて、その丸棒に鉄椀シートの後部が接続されています。どうも鉄椀の前部取付け部分を軸に少々スイングするタイプのシートのようです。きっとこれなら上下方向以外に左右にも動きそうです。お尻をモジモジしてもそれにシートは追従しますね。きっと。
一般的にはこのような形だと思います。(写真はMF25のトラクターシート)サスペンションは板バネのみ。座面の形も丸いふりして直線で構成されたというか、いかにも工業製品・・・って形ですね。
考えてみたらシートの真ん中だけで支えていますから、これも左右に振れる「お尻モジモジ対応」と考えられなくもないですね。意外とグラグラするんでファーモールのように板バネ左右支持タイプが出来たのかも。
トラクターシートは「鋳物のデフに直接座らされるのはゴメンだ!」と少しでも浮かして、少しでもサスペンションストロークをとって、こうしたらどうだろう、ああしたらどうだろう・・・と進化してきた感じが見えて面白いです。
今日はここまでです。また明日!
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