今日は「昔のカタログシリーズ」。千葉県の伊藤産業機械さんにお借りした乗用車感覚の2人乗りトラクター、日の本JF1のカタログその2です。
今日も構想時点ですでに終りそうにない感じ・・・ネットに情報が多数載っているということなのかもしれませんが、つくづく80年代って動きがあっておもしろい時代ですね。
実車のほうは
『二人乗りトラクタはジョイフルファッション!!日の本トラクタJF1型・・・スガノ農機「土の館」』
『ジョイフルファッションその2 日の本トラクタJF1型・・・撮りトラ』
『ジョイフルファッション最後 日の本トラクタJF1型・・・撮りトラ』
で確認してくださいね!
まだ2ページ目
背景黒は1980年代中頃の共通項?
別々にしちゃってますが、本来見開きのページです。それでもってこれ、どこかで見たことがあります。
やはり昔のトラクターカタログで、これもまた選べるカラバリと前後どちらにも使えるリバースタイプという、「ジョイフルファッション」にも負けていないユニークなコンセプトのトラクター。クボタL-1-R。
クボタL-1-R・・・時間があったら『これ好き!クボタサンシャインL1-R・・・「昔のトラクターカタログ」』の記事でチェックして下さいね!
1980年代中頃はトラクター技術革新の入口に違いない。電子化の波が押し寄せてたんだった。
知っているからこその予断かもしれません。でも、この背景黒の図面風カタログたちからは「先進」とか「未来」というメッセージが込められているように思います。
純粋に動力としてのトラクターから油圧を使ったさまざまな作業ができるようになり、メカと油圧を電子制御する次のステージへ向かう踊り場みたいな状態だったんじゃないでしょうか? きっとこの裏でさまざまな技術が開発中で出番を待っていたのだと思います。
で、「これからまだまだすごいことになるよぉ」とそんなニュアンスが図面風カタログにページには入ってる感じがします。
トラクター電子化の時代
日の本JF1が1984年。クボタサンシャインL1-Rが1985年。そして同じ1985年のクボタニューサンシャインブルトラB1シリーズのカタログには・・・
もちろん電子化は以前から。カメラは70年代に電子化の波が到達。
複数のサイトをながめた結果、電子化の波がカメラに及び始め、例の電子マークがそれに伴って現れだしたのは70年代に入ってからと思われます。
minolta hi-matic E ミノルタが1972年に発売した「二重像一致式レンジファインダーカメラ」の普及機種だそうです。黒いザラザラの部分向かって左側に電子マークが見えます。
1972年発売されたGシリーズの中で初めて電子シャッターを搭載したカメラだそうです。こちらも同じように黒いザラザラ部分に電子マークが見えますね。
トラクターを買え!買換えろ
人々はカメラやラジオなど、小さな電化製品などは黙っていてもコンパクトだし値段も手頃なので電子化されたものに買換えたようですけど、頑丈なトラクターは高価でもあるし、ちょっと便利になったからって電子化されても買いませんよね。
できる仕事はそんなに変わらないし・・・
そこで1985年、メカトロ税制というものが始まったようです。
トラクターがなかったころはトラクターを導入するのに色々補助があったようですがそれらが一巡し、そのトラクターを電子制御(今となると古い感じがしますが)の付いたものに買換えると補助が出る・・・というのが「中小企業新技術体化投資促進税制」(メカトロ税制http://www.alps.or.jp/chuokai/organ/200108/5/81.html)なんですって。
そのメカトロ税制は、
〔取得の場合〕
1台又は1基の取得価額が160万円以上の対象設備について、7%の税額控除又は30%の特別償却が受けられます。(ただし、資本金が3千万円を超える法人の方は、特別償却のみとなります。
〔リースの場合〕
リース費用の総額が210万円以上の対象設備について、リース費用の総額の60%について7%の税額控除が受けられます。
というもの。
まだまだ使え、しかも高価なものを電子化だ、環境のための排ガス規制だ、省エネだと補助金を出して買換えさせる政策って昔からあったんですね。
こういう補助金の話って家とかクルマとかそれこそトラクターばかりで、カメラや電子ジャーなんかに補助金が出たって話は聞かないから、ぼぼ経済効果だけを狙ってるんだろうなあ・・・
なんだか支離滅裂になってしまった・・・
とにかくこの1980年代中頃はメカ方式のトラクターがほぼ行き渡り、爆発的に売れることはなくなって、たくさんできた農機メーカーが買換え需要を得ようと色々もがいている・・・そんな時代だったのかもしれません。そのなかでこの二人乗りトラクターが生まれたのでしょう。
まだまだ続きます。