昭和28年でこの洗練された形、ランツブルドックD1506・・・「撮り虎」

今日も昨日の続き、スガノ農機「土の館」で見た、単気筒2サイクル焼玉エンジンのランツブルドックトラクタその2です。このブルドッグはD1506というのでした。ブルドックにもいろいろあるんですね・・・

1953年(昭和28) ランツ社製 ランツブルドッグトラクタ 1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn 1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。 畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。 音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。 同型はこの11台の導入のみ。 同型の全道での導入は92台。 LANZ BULLDOG TRACTOR YEAR: 1953(Showa 28) Manufacturer: Lanz (Germany) Model: D1506 Output: 55ps Weight: 5 Tons Single piston 2 stroke hot bulb engine In 1954(Showa 29) the Land improvement Industries, subsidized by the Goverment of Japan, puchased 11 of these tractors for use by the local agricultural unions. The use of these tractors greatly increased the crop harvests for the area. After being used non-stop by the Kawanishi-mura Agricultural Union, this tractor was preserved by the college. The aforementioned 11 were the only purchases of this model.1953年(昭和28) ランツ社製 ランツブルドッグトラクタ 1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn タイヤが入っているみたいな、LANZロゴ入りカバー・・・気になります。なんでしょう・・・
単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn タイヤが入っているみたいな、LANZロゴ入りカバー・・・気になります。なんでしょう・・・
昨日の画像で行くと、ここにはクランクシャフトがあります。大きなはずみ車が入っていて、ここから動力を取出したりできたのかもしれません。
昨日の画像で行くと、ここにはクランクシャフトがあります。大きなはずみ車が入っていて、ここから動力を取出したりできたのかもしれません。

このカバーもそうですが、トラクターとして、なめらかなひとまとまり感があります。すごく昔のトラクタなのにずいぶん洗練されています。どんな人がデザインしたのでしょう・・・

1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn
効率が悪いとされる焼玉単気筒で55馬力です。きっとエンジンも巨大なんでしょう・・・いったい何cc? 隣のファーガソンがものすごく小さく見えるくらいの巨体です。
1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn
キャプションを見てみましょう。

ランツブルドッグトラクタ

1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ)
単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn

1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。
畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。
音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。

同型はこの11台の導入のみ。

同型の全道での導入は92台。

LANZ BULLDOG TRACTOR

YEAR: 1953(Showa 28) Manufacturer: Lanz (Germany)
Model: D1506 Output: 55ps Weight: 5 Tons

Single piston 2 stroke hot bulb engine

In 1954(Showa 29) the Land improvement Industries, subsidized by the Goverment of Japan, puchased 11 of these tractors for use by the local agricultural unions. The use of these tractors greatly increased the crop harvests for the area. After being used non-stop by the Kawanishi-mura Agricultural Union, this tractor was preserved by the college.

The aforementioned 11 were the only purchases of this model.

前にもここのキャプションで、土地改良で深耕事業があったというような記載がありましたけど、国が高価なトラクターを貸与するようなこともしていたんですね。

1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn  1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。 畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。 音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。  同型はこの11台の導入のみ。  同型の全道での導入は92台。
単体で見ると大きく見えませんが、比べるとすごいです。黒い四角い部分がラジエターですね。その上にぴょこっと飛び出した、マスコットのようなものが見えます。
1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn  1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。 畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。 音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。  同型はこの11台の導入のみ。  同型の全道での導入は92台。
何かのメーターのようです。ラジエターの上にあるので水温計かな・・・とはいえ、どうやって水温を表示するのかわかりません。黒い輪っかが何かを示しているのか、それとも単に脱落しているだけなのか・・・
ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn
「目」にいってみましょう
1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn  1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。 畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。 音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。  同型はこの11台の導入のみ。  同型の全道での導入は92台。
左目・・・何も書いてありません。
1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn  1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。 畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。 音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。  同型はこの11台の導入のみ。  同型の全道での導入は92台。
右目・・・何か書いてあります。
1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn  1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。 畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。 音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。  同型はこの11台の導入のみ。  同型の全道での導入は92台。
ジョンディア・ランツにも付いていたHASSIAです!

詳しくは『「電装探偵団」HASSIA ジョンディアトラクター JHON DEERE LANZ M500「撮り虎」その3』を見てもらうとして、HASSIAはドイツの会社で、HELLA(これはラリーのランプなどで見たことがあります)と並んでVWやポルシェなど、それからこのLANZトラクターなどにヘッドライトやウインカー、テイルランプなどを供給していたメーカーでした。

当時の感覚で5千万円!のトラクター MAN Ackerdiesel AS440A・・・「撮りトラ」でもテールランプなどに使われていましたね!

1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn  1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。 畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。 音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。  同型はこの11台の導入のみ。  同型の全道での導入は92台。
ハインリッヒ・ランツ マンハイム(ジョンディアの工場のある地ですね)
1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn  1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。 畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。 音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。  同型はこの11台の導入のみ。  同型の全道での導入は92台。
拡大してみます・・・確かに55馬力。すごいなあ・・・焼玉パワー。
1953年(昭和28) ランツ社製  ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn  1954年(昭和29) 耕土改良事業に国の貸し付けで北海道内11農協などに配置された。 畑地の深耕による農作物の増収に大きく貢献した。 音更農協で昼夜活躍していたものを、大学の教材に使用後保存していた。  同型はこの11台の導入のみ。  同型の全道での導入は92台。
こういうところもすばらしい。ボディも鋳物ってことでしょうか・・・5トン5トンって書いてあるのもこういうところで「重い」っていいたいんだろうなあ・・・

シンプルだけど、最後まで手を抜かないでちゃんと作っている・・・そんな感じのランツブルドックD1506なのでした。

ケッチンスタート?の動画を見つけたので貼っておきます

おもしろいなあ。

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“昭和28年でこの洗練された形、ランツブルドックD1506・・・「撮り虎」” への16件の返信

  1. 六郎田一馬さん こんにちは

    コメントありがとうございます

    え〜っと、かけるときに便利なように噴射ポンプ作動レバー(すごくあっさりした棒みたいなレバーですね)の付近にあるはずの始動用ホイールは本来「進行方向右側にあるはず」ということなのですね

    排気量が単気筒のくせに10L越え(必ずしも「番号が大<排気量が大」となるわけではなかった・・・)だとか、逆回転で普通に回るとかユニークなクルマということがわかりました
    とても興味深いです

  2. それとこの写真では左側に手動式のホイールが着いていますが、何故なのか逆に着いていますf(^_^;。本来は噴射ポンプの着いている右側に着いているはずの物です。

  3. ちなみに写真の車体番号書かれたラベルの下に見えるレバーが手動式の噴射ポンプです。始動前にこのレバーを手前半分まで引けば噴射ノズルから噴射されるので、これを場合によりますが1~2回引いてから始動します。停止は運転席のスロットルレバーでも停止出来るし、このレバーを一杯まで引けばここでも停止出来ます。

  4. この手は排気量が確か10300ccってアホみたいな排気量です。昔このエンジンの始動したことが有りますが、半端ない重さです❗。けっこう逆転で回り始める事の方が多くて正回転にするにはけっこうな技が必要になりますよ。運転席の左下に矢印の付いた回転メーターが着いているんですが、それが時計回りなら正回転、反対回りなら逆転です。

  5. ぶんさん コメントありがとうございます

    売っているの、見たことあります
    あれを使っているんですね!

  6. デカールはカーショップで買ってきた一文字づつの物を貼りました。今ならパソコンでカッティグシートを作るんでしょうけど。

  7. ぶんさん おはようございます

    コメントありがとうございます
    マフラーが変わっている・・・あ!確かに少し短いように見えますね!

  8. こんにちは、これですね〜、自分でかなりレストアと塗装をしたり、改造したので、オリジナルより少し新しい油圧系統になったりしてます。マフラーも454Dの物ですので、使う為のレストアでした。懐かしいですね〜

  9. ぶんさん こんにちは

    そうなんですか!

    こちらでしょうか? 他にB450はあったかなあ・・・
     
     

     
     

    それでは明日の記事はこちらにします!!

  10. 返答ありがとうございます。土の館には何度も通いました。何度通っても飽きないんですが。実はあそこに自分の使っていたfarmall B450が展示されてます。今度ご覧になってください。レストアや塗装もしたので、懐かしい機体なんですよ。

  11. ぶんさん おはようございます

    そうなんですか?!!!
    このランツ自体を・・・・それはそれは・・・

    その時は紺色に近い色で、・・・・

    そうですよね。色が鮮やか過ぎると思ったんです
    もう少しシックな色のほうが似合うと僕も思います

    その他の土の館のトラクターたちも見てやってください
    よろしくお願いします

  12. こんにちは、たまたま見かけたのでお邪魔させていただきました。私が帯広の大学にいる時に、土の館に展示する話になり、工場の奥から苦労して引き出しました記憶があります。その時は紺色に近い色で、この水色は土の館で塗られたようです。懐かしく拝見しました

  13. 山葵さん おはようございます

    オートバイでも昔の2ストロークは逆回転するって聞いたことがあります

    ケガをしていたり、筋肉痛だったりで始動が憂鬱になることもあったでしょうね
    そういう意味では電気がいりますけど、セルスタートは便利です

    屈強で健康なオトコには必要ないけれど、弱者にはありがたいセル
    考えてみればセルスターターというのはユニバーサルデザインなんですね

  14. 発動機のシャチさん おはようございます

    ああああ!
    あの縄模様?の丸い部分、なんだろう?と思っていたんです
    スターターだったんですか!!!!!

    カツーンとやって始動するんですね!
    手で回すのは見つかりませんでしたが、ハンドルを刺して回すタイプの動画を見つけたので
    本文のほうに貼っておきますね!

  15. 日本の発動機のデザインとは違うようですね。ここがドイツ風といえるかも 
    なるほど、アニメでは逆回転エンジンですが始動にケッチンを利用するためだったとは驚き。
    噴射ポンプの反対側に始動円盤が付いているのもなんだか不親切な気がしますが
    左手で噴射ポンプを弄ってビリビリ音を聞きながら右手で始動するスタイルではないから
    これでいいのでしょうね。あまりにも大きすぎて両手で始動させるなんて、女性や子供では
    始動できないでしょう。それでもきっと裏技的な始動方法があったと思います。

    これ、簡単に逆転しそうなエンジンですね。逆回転でトップ後退とかできそうです
    恐らく噴射ポンプにクラッチが付いていると思いますが、想像すると楽しいです。

  16. 丸いカバーの中はフライホイールが入っています。
    ちなみにブルドックにはセルモータは当然付いてません
    始動ハンドルもありません。
    始動方法はフライホイールの反対側にある円盤を
    両手で持って回します。
    圧縮の反発力を利用して始動します。
    ケッチンスタートと言います。
    (正式名称?)

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