効率の行く先を考えた 「土の館」ランツブルドッグ・・・「撮りトラ」

今日はスガノ農機「土の館」で見た、以前からちょくちょく耳にしていた、単気筒2サイクル焼玉エンジンのランツブルドッグトラクタその1です。

ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn
ランツブルドッグトラクタ 1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn

単気筒2サイクル焼玉エンジン・・・気になります

前からよく「焼玉エンジン」とは聞きましたが、模型のエンジンみたいにグロープラグ様のモノが付いているのかな?・・・といった程度に感じていただけで、どういうものかはよくわかりませんでした。

ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn
ものすごく離れた「目」は置いといて、焼玉です。黒いのがそうでしょうか・・・
ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn
いかにも「玉」な感じです。プラグみたいなものも見えます。

ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn
ランツブルドッグを見て「焼玉」といったらこの部分しかないですね!

 

焼玉エンジンを調べてみたらビンゴのものがありました

ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn
ウィキペディアより。こんな風に暖めています。

同じくウィキペディアより。本来は焼玉の下にトーチを受ける皿があるんですね・・・トーチを手で持って、ずっと暖めていたら大変ですもんねえ・・・燃料を調整するのでしょうか・・・バルブも見えます。
同じくウィキペディアより。本来は焼玉の下にトーチを受ける皿があるんですね・・・トーチを手で持って、ずっと暖めていたら大変ですもんねえ・・・燃料を調整するのでしょうか・・・バルブも見えます。

 
ウィキペディアによれば焼玉エンジンは

焼玉エンジン(やきだまエンジン、英:Hot bulb engine)とは、焼玉(やきだま、英:Hot bulb)と呼ばれる鋳鉄製の球殻状の燃料気化器を兼ねた燃焼室をシリンダーヘッドに持ち、焼玉の熱によって混合気の熱面着火を起こし燃焼を行うレシプロ内燃機関の一種。

ということです。
 

ランツブルドッグトラクタ  1953年(昭和28) ランツ社製 (ドイツ) 単気筒2サイクル焼玉エンジン 自重5tn
焼玉と呼ばれる鋳鉄製の球殻状の燃料気化器を兼ねた燃焼室をシリンダーヘッドに持ち・・・シリンダーヘッド???ここが頭?

 

エンジン、寝てるのか?

ここが頭ということは、単気筒のエンジンがこっちを向いて倒れているということになります。調べてみたら、ありました!

これは横から見ています。ピストンの右端にあるのが黒い玉。簡単、故障知らず・・・って謳ってますね。
これは横から見ています。ピストンの右端にあるのが黒い玉。簡単、故障知らず・・・って謳ってますね。
これは左側面から見た図。すると、この上の部分は何があるんだろう・・・ランツブルドッグ、ずいぶんでかいけど・・・
これは左側面から見た図。すると、この上の部分は何があるんだろう・・・ランツブルドッグ、ずいぶんでかいけど・・・
こんなのも見つけました。水冷なんですね・・・ラジエターは横向きで、石油発動機みたいにファンも付いています。水と燃料がエンジンの上のスペースに納まっています。
こんなのも見つけました。水冷なんですね・・・ラジエターは横向きで、石油発動機みたいにファンも付いています。水と燃料がエンジンの上のスペースに納まっています。

効率の行く先を考える

ウィキペディアの焼玉エンジンの項に興味深い記述がありました。石油発動機やディーゼルエンジンとの比較です。

石油発動機との比較

焼玉エンジンは始動に時間がかかり面倒で取り扱いに熟練を要したが、構造も簡便で製造コストが安かった。また安い重油をはじめ幅広い種類の燃料で動かすことができるので、定置動力や舶用などで広く普及した。火花点火式石油発動機は、焼玉エンジンよりも始動が早く扱い易かった。また、ガソリンより安い灯油や軽油で動作し、ガソリン機関よりも運転費が安く済むので、農業用動力などの用途で普及した。しかし1950年代以降、ディーゼルエンジンの小型化とディーゼルエンジン本体の低廉化と運転コストの低さにより、焼玉エンジンと石油発動機は駆逐されていった。

ディーゼルエンジンとの比較

焼玉エンジンは、ディーゼルエンジンに比べて製造や保守が簡便であるというメリットと、低圧縮比で、燃料消費率が高く(つまり燃費が悪く)、熱効率が低いというデメリットがある。また正味平均有効圧力が低く、同排気量で比べるとトルクの低いものであった。したがって、同じトルクを得ようとすると総排気量を大きくせざるを得ず、規模が大きなものとなって燃料消費量が増加する。また排気量確保のためシリンダー容積を拡大すると、ピストンやクランクシャフトの重量が増加して慣性力が大きくなるため、回転数を低くせざるを得ず、したがって低出力のものであった。
このため、経済性に優れ効率の良い小型ディーゼルエンジンの発達に伴って、1950年代以降、焼玉エンジンは世界的に廃れていった。

発動機は始動の手間が簡便で扱いやすく、出力が高く、燃料費が安い方向へ進化して、そうでないもの・・・始動が難しく、燃費が悪く、扱いにくいものは駆逐されてきた歴史のようです。

しかし、発動機を仕事をさせるのではなく、ただ回して楽しんでいるところを見たことがありますし、集めているという話も聞いたことがあります。

つまり趣味の世界では、煙モクモクで環境性能も悪く、燃費は考えず、回るだけで作業もしないという発動機が珍重されているわけです。これはすごく興味深い。

結局帳尻はあってしまうのか?

個人的に仕事の上ではムダを削り、効率を追求し、生産性を上げて余暇とお金を稼ぎ出し、稼いだ余暇とお金を使って発動機を回す・・・なんだかプラスマイナスゼロな感じです。

また、全世界的に見ても、今生産をがんばっている国ではどんどん新しい機械を入れて効率を追求している最中に、既に余暇とお金を稼ぎ出してしまった国では趣味にバンバンお金を使って、不便で扱い辛いものを膨大なお金を掛けてレストアして眺めていたりして・・・

結局、人間には心地よいペース(焼玉エンジンくらい?)があって、最後の最後はそこで落ち着いてしまうのかもしれませんね。

上の記事とゆるく関連しているほかの記事:

“効率の行く先を考えた 「土の館」ランツブルドッグ・・・「撮りトラ」” への4件の返信

  1. 石油資源がなくなっても使えそうなトラクターですね。植物油をそのまま使えそう。
    潤滑油もサラダ油くらいのものでいけそうです。
    22世紀になっても、簡単な整備で再起動できる構造もステキ。
    古いジョンディアみたいにクランクから車軸まで全部同じ方向を向いています。潔い設計です

    1. 山葵さん おはようございます

      確かに蒸気機関車みたいに、いつまでもいつでも、求められれば復活できそうな感じです

      古いジョンディアみたいにクランクから車軸まで全部同じ方向を向いています。潔い設計です

      ホントです! 冷却ファンの軸まで同じ方向です!

  2. 焼き玉エンジンは、セミディーゼルエンジンとも
    言います。
    しかし低圧縮、低噴射圧では爆発しないので
    中に熱源がありそれによって着火します。
    ランツブルドックでは点火促進の為にプラグがあります
    バルブは燃料の噴射圧の調整です。

    ちなみに自分は働かないし金がかかる発動機を集める
    一人です。

    1. 発動機のシャチさん おはようございます

      ちなみに自分は働かないし金がかかる発動機を集める
      一人です。

      効率と生産性、費用対価格、なんて言葉の中で経済活動の一貫として一所懸命働いて
      稼いだお金で効率が悪く使われなくなった機械を集める・・・

      まさに、本来の意味とは少し違うようですが『人はパンのみに生きるに非ず』って感じですね!

      僕も発動機は集めていませんがバイクが集まってきてしまいます
      しかも、まるで集めるほうが経済より先住民であったかのように
      自分の中で矛盾なく両方成り立たせてしまっているところがおかしいです

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