インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果・・・「昔のカタログ」

切れ切れですがずっと続いていたインターナショナルライスコンバインの資料も今日で最後です。せっかくAさんにお借りした資料なので出し切ってしまいます。他にもまた追加でたくさん興味深いものをお借りしてきたので楽しみにしていてくださいね!

今日のは文字と表ばっかりで、僕は「こんなものがあったんだ・・・」と、淡い興味のみ持っただけですが、もしかしたら必要としている人もいるかもしれません。探している人には「ある」とわかっただけで十分大きな情報だったりします。

インターナショナル ライスコンバイン納入先一覧表

インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果・・・「昔のカタログ」
納入先一覧表です。クレイソンのカタログのもそうでしたが(https://oba-shima.mito-city.com/2014/09/12/clayson-m122-m135-catalog5/)納入先を示すというのは高価な機械の時は一般的だったのでしょうか? でも、一番始めに売るときは納入先はないですから困りますよねえ・・・
インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
茨城には県庁と農林試験場、下館市農協に105が昭和45年に納入されていますね! 県庁って・・・お堀の県庁にこんなのが納入されたのかな・・・
インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
なぜか北海道はのぞいてあります。表右端の収機導入、構改という文字は何か当時の制度を表しているのでしょうか?
インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
こうやって見ると各県の県庁には配られたみたいに納入されています。一県に一台。う〜ん・・・国が買ってあげたんだな・・・きっと。会社を作ってでも機械を売ろうとしたわけだ。少なくとも都道府県分は売れる。47台、一台700万として約3億3千万、その他サポート、メンテナンスで結構やっていけそう。

インターナショナル ライスコンバイン105の概要

インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
インターナショナル ライスコンバイン105概要 こういった資料も、もしかしたら公的機関に買ってもらうためには必要だったかもしれませんね。個人だったら「気に入った!買おうじゃないか」ですむところを、「紙」で納得させなくてはならないのですから。
インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
この一発目が非常に興味深いです。クレイソンの時はここに収穫に関する性能の高さが他機との比較で来ていたように思います。ところがインターナショナルの場合は、「他機と比較して抜群に軽い!」。
インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
モミの水分が多い時は効率が落ちるようで、その水分が多いときは一日で1町〜1町5反。少ない時で1町3反〜2町の効率だそうです。

反・町ってのがどうもピンときません。(そもそも大きな面積になるとメートル法だってピンとこないのです)

調べてみると(もう何回も調べていますが、いつもイメージが湧きません)1町は9,900平米1反は990平米・・・ということは水分量の多い時は一日で100M四方から122M四方の稲刈りをこなすことができる。

また、水分量が少なければ113M四方から140M四方の面積を稲刈りすることができる・・・こんな感じでしょうか?

インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
あ!スパイクツースシリンダってこういうカタチしているんだ! 現在よく見るコンバインのこぎ胴とはずいぶん違いますね!
インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
グレンタンクの容量は1709リットルあるそうです。
インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
細かいことがいろいろ書いてあります。クリックすると拡大するのでヒマなとき読んでみてください。

操作教習も行われていたようです

インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
保守契約などもあったのでしょうか? 点検整備指導、操作指導なども行われていたようです。
インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
機械に合わせて作物を作りましょう的なことが書いてあります。現在行われている米作りはまさに機械の効率を引き出すように以前と変わったんだな・・・というのが逆に想像できます。

インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果

減価償却試算表

インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
数字が苦手なんで、ささっと見ちゃってるので間違っているかもしれませんが、償却期間8年で、一年に300時間使ってやっと100%!!! ということは一日8時間稲刈りしたとして38日くらい稲刈りしないとならない・・・「収穫期間を長くしましょう」というわけだなあ。年間100時間程度の使用時間では8年で3割しか償却できない。

あ、右のほうの但し書きを見るとこれは元を取る云々というより、2800時間くらい使うとまったくのポンコツになるって話か!

インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
経費も親切に計算してくれています。他機との比較も。

試験結果

インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
インターナショナル ライスコンバイン105各地試験結果
結果、流量の多い(刈取り速度の早い)場合のテストが、ロスが少なかった事は一般通念とは逆の結果になった。 このことは105型コンバインにおいて4t/hr前後のワラ流量が適正流量であるのか、ワラ/籾比の相違であるか、あるいは試験誤差であるのかは判然としない。   ロスの内容を見ると、スレッジングロスが大部分であり、そのほとんどが籾残しロスであった。一方、ダメージは、流量が多い場合には少なく、逆に流量の少ない場合は多くなる傾向である。
結果、流量の多い(刈取り速度の早い)場合のテストが、ロスが少なかった事は一般通念とは逆の結果になった。 このことは105型コンバインにおいて4t/hr前後のワラ流量が適正流量であるのか、ワラ/籾比の相違であるか、あるいは試験誤差であるのかは判然としない。   ロスの内容を見ると、スレッジングロスが大部分であり、そのほとんどが籾残しロスであった。一方、ダメージは、流量が多い場合には少なく、逆に流量の少ない場合は多くなる傾向である。
インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果
ダメージはインター93型に比較してやや多かった。このことはコンバインが新しく、角が取れていない事、また稔実がよく、頴(読めない)が裂皮していた事により生じたものと考えられるので、105型の特質とする事は困難である。

コンバインの角が取れていないというのが「そういうこともあるんだ」という感じでおもしろいですね! テスト結果、クレイソンのテスト結果と比較してみてくださいね!

上の記事とゆるく関連しているほかの記事:

“インターナショナル ライスコンバイン概要/納入先/試験結果・・・「昔のカタログ」” への2件の返信

  1. おじまさん おはようございます

    いつもわかりやすい説明をありがとうございます

    するとこの農業構造改善事業で土地改良とか区画整理が行われて(だいたい年代が合っているような気がします)
    現在の機械を使った米作りの骨格ができた・・・ということなのかもしれませんね

    「穎」(エイ)は籾殻ですか

    アラブにはラクダに関する単語がたくさんあり
    アメリカには牛に関する単語がたくさんあるみたいに
    日本にはお米に関する単語がたくさんあるんですね!

  2. こんばんは。

    パンフの細かいところは見えないので本文だけでの話ですが、
    減価償却計算では国が定めた耐用年数に従って計算します。
    トラクタ、普通型コンバインは8年、田植機、自脱型コンバインは5年などです。
    実際にこの年数ではトラクターもコンバインも壊れないだろうし、
    壊れてしまうようだったら農家はとても買えないと思います。

    「収機導入」と「構改」ですが、
    構改の方は農業構造改善事業で間違いないと思います。
    収機導入は???
    以下は今日ちょっと勉強したものの概略です。

      当時は、戦後の農地解放で沢山の小作農家が自作農家になったが、
      暮らし向きは、経済成長の波に乗っている都市労働者に比べると見劣りするものだから、
      農業・農村の構造の大改革が必要だという事で、「農業基本法」が作られ、
      この法律に基づいていろいろな事業が展開されていたようです。

      筆頭は、基盤整備事業で、主に水田の生産条件の整備(区画整理と用排水条件の整備)
      さらに、条件整備された田んぼで動く高性能な大型機械導入のための資金助成
      それと、小規模な自作農家では買えない機械導入を進めるための協業、組織化の推進と農協の強化
      (これらの典型が八郎潟だったんでしょうね。農機メーカーにとっても絶好の販売チャンス到来!!)

    結局、この事業構想は水田農業の省力化を可能にしたことで、
    兼業化や都市への人口流出を加速させてしまう結果だったという総括が多いようです。

      >>こうやって見ると各県の県庁には配られたみたいに納入されています

    国策として上記のような壮大な構想があったという事は、半ば押し売り状態で各県は導入したんでしょうね。
    各県とも研究用に買ったのかと思いきや茨城を見ると農業試験場用とは別に県庁が買ってますね。何に使ったんだろう?
    長野県は5台も買ってる。。。

    おまけ

    ※ 「頴」は、正しくは「穎」(エイ)で、玄米を包んでいる籾殻のことです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です