意外と生まれは古かった。シバウラS1500「撮りトラ」

今日は、hokkaidoujinさんの案内で行った中古屋さんで見たシバウラトラクター、S1500「撮りトラ」です。

 

シバウラS1500です。シバウラLE892、2気筒ディーゼル776cc25馬力/2500rpm FORD1000やFORD1700と同じエンジンです。
シバウラS1500です。シバウラLE892、2気筒ディーゼル776cc25馬力/2500rpm・・・FORD1000やFORD1700と同じエンジンです。

 

tractordata.comによればFORD1000は1973年〜1976年、シバウラ製2気筒1 .3Lディーゼルで25馬力/2500rpmだそうです。
FORD1000のステッカー、「1000」の下のあたりに見えるのは燃料タンクでしょうか・・・エンジンフードは前方に倒れるタイプ。給油はエンジンフードを跳ね上げて行うみたいです。エンジンフードは形が違いますが、良く見るとリヤフェンダーやウインカーは同じですね!

 

シバウラS1500(25PS)カタログの表紙です。もう現在のカタログと比べても技法的には変わりのないもの。年代としては最後に49.4とありますから昭和49年4月のものなのでしょう。ということは1974年。これ以前のカタログが会社のおじさんたちが頭を付き合わせて作っていたとしたら、それが「プロの手」に渡ったのだな・・・と感じられます。
シバウラS1500(25PS)カタログの表紙です。もう現在のカタログと比べても技法的には変わりのないもの。年代としては最後に49.4とありますから昭和49年4月のものなのでしょう。ということは1974年。ただし、生まれ自体はもっと古そうなことがわかってきました。カタログの他のページを見たい方は以下のリンクで↓
『シバウラ祭りは続く・・・シバウラトラクターS1500「昔のカタログ」』

 

マフラーには空き缶ウェザーキャップがついてます。これは様々なものが使われていてとても楽しく、ついつい集めてしまいます。
シバウラS1500のバックショット。マフラーには空き缶ウェザーキャップがついてます。これは様々なものが使われていてとても楽しく、ついつい集めてしまいます。

 

拡大してみると甘酒〜♬。自販機で売られてりしてますね!
拡大してみると甘酒〜♬。自販機で売られてりしてますね!

 

ウェザーキャップはタイヤスプレー光沢 L-PS011 420ml 光沢タイプ
David Brown 1210のウェザーキャップはタイヤスプレー光沢 L-PS011 420ml 光沢タイプ

 

tractordata.comによればこのモデルは1964年〜1975年まで作られたロングセラーで、エンジンはパーキンスAD3.152、3気筒2.5L45馬力1300rpmだそうです。
マッセイファーガソンMF135のウェザーキャップは、カンには穴があけられてアース線かなんかが結びつけられている謎のシステム。

 

ZL2002DT 全農のマークはこっちのほうがカッコいいな。なんかまとまっていて好きです。この形。色のバランスもいいな。ミラーに青空が映っています。
ZL2002DTのウェザーキャップはオーソドックスなレジ袋。

 

L2002DT
サンシャインもレジ袋。

 

コマツWD30 マフラーの上のウェザーキャップは、コーヒー豆の空き缶。しかも、ペンキを塗るのに使ったか、筆を洗うのに使ったもの・・・このトラクターの中で唯一人間臭い感じ。
コマツWD30 マフラーの上のウェザーキャップは、コーヒー豆の空き缶。

 

・・・と、書き出してしまってから出す写真がこれっていうのも申し訳ないのですが・・・プラスチックのグリルに直接ヘッドランプが取付けられていたようで、経年劣化なのか割れて落ちてしまったようです。おまけに冗談のような煙突マフラー。多分、空き缶をマフラーにかぶせるぐらいの軽い気持。最長45歳。もっともっと程度の良いD1500だってあるとは思いますが、この機体はすざましいヤレ具合です。
三菱D1500は空き缶をかぶせるどころか、煙突かぶせ型。

 

拡大すると緑茶のペットボトルを切ったもの。これ、雨の多い日本だけの風習じゃないみたいです。他の国の写真でも見たことあります。
MF382? BIG-T98? のウェザーキャップは緑茶のペットボトルを切ったもの。これ、雨の多い日本だけの風習じゃないみたいです。他の国の写真でも見たことあります。

 

これなんか空き缶をかぶっているところまでそっくりです。(世界中やることは同じ)それにしてもマフラーが独特で太いなあ・・・
『きっとLANZ農業ブルドッグDなんちゃら・・・撮りトラ』の時にネットで探したLANZのトラクター。外国でも空き缶。

 

lanz bulldog
こちらは同じくランツ。日本の写真です。同じように缶キャップ。しまった!ダラダラやってしまった・・・

 

いつも思うんですけど、型番が大きいですよね。
シバウラS1500です。いつも思うんですけど、型番が大きいですよね。メーカー名より大きい。

 

シバウラS1500です。この形は型番がなくなってしまうと見分けがつかない、シバウラ初心者泣かせです。「序列が特定できた!」と思うとするりと逃げていってしまう感じです。
シバウラS1500です。この形は型番がなくなってしまうと見分けがつかない、シバウラ初心者泣かせです。「序列が特定できた!」と思うとするりと逃げていってしまう感じです。

 

そこでいろいろなところからS1500の銘板の画像を引っぱってきました。 小型特殊自動車 運輸省型式認定番号 農720号 シバウラS15形 シバウラトラクタ S-1500 車両形式 S15 車体番号検印 機関形式番号 LE892 機関出力 25馬力 石川島芝浦機械株式会社松本工場
そこでいろいろなところからS1500の銘板の画像を引っぱってきました。

小型特殊自動車
運輸省型式認定番号 農720号
シバウラS15形

シバウラトラクタ
S-1500
車両形式 S15
車体番号検印
機関形式番号 LE892
機関出力 25馬力
石川島芝浦機械株式会社松本工場

「シバウラホイールトラクタ」ではなく「シバウラトラクタ」と書かれているのは古い銘板でしたよね?

 

ネットで探してきたS1500のプレートです。
ネットで探してきた別のS1500のプレートです。銘板には伸ばし棒つきのS-1500と伸ばし棒なしのS1500の2種類あるんですね! でも、どちらも農720号、エンジンも馬力も同じ、同じ型式の機体です。

小型特殊自動車
運輸省認定番号 農720号
シバウラ S15形

シバウラ トラクタ
S1500
車両形式 S15
車体番号検印 -
機関形式番号 LE892-
機関出力 25PS

 

そしてS150

 

こちらはなんとS1500ではなくS150だそうです。
こちらはなんとS1500ではなくS150だそうです。いただいた写真。

 

ちゃんとS150と書いてあります。エンジンはシバウラ製LE892 25馬力。
ちゃんとS150と書いてあります。エンジンはシバウラ製LE892 25馬力。コメントによれば、国内初の4WDがこの型式のシバウラだったそう。エンジン音は2気筒にしては、柔らかく静な印象とおっしゃっています。

S15Dなんてのも同じところで見た。

 

コントラストの強いどうでもいい写真ですみません。シバウラトラクターS15Dです。小型トラクターという感じですが、1484cc 28馬力のLEM754というエンジンが乗っているようです。馬力はけっこうあります。
コントラストの強いどうでもいい写真ですみません。シバウラトラクターS15Dです。小型トラクターという感じですが、1484cc 28馬力のLEM754というエンジンが乗っているようです。馬力はけっこうあります。しかも良く調べてみると、全くS1500と同じようなボディにSD3000Aとほぼ同じ4気筒のエンジンが乗っているんです。まさに羊の皮をかぶったオオカミ・・・グリルのデラックスは伊達じゃありません。この写真で僕の注目点は2つあります。一つは正面のグリルについたDELUXEのバッジ。もう一つはマフラーの下、頬のあたりに見える「CS」と書かれたステッカーです。

 

小型特殊自動車 運輸省認定番号 農863号 シバウラ S15D形 シバウラ ホイールトラクタ 車両形式 S15D 車体番号検印 10236 機関形式番号 LEM754- 機関出力 28PS kikannsyutsuryoku
小型特殊自動車
運輸省認定番号 農863号
シバウラ S15D形

シバウラ ホイールトラクタ
車両形式 S15D
車体番号検印 10236
機関形式番号 LEM754-
機関出力 28PS

 

以上のことからS1500(農720号)S150(農852号)S15D(農863号)という順番ということはわかりました。他のトラクターも含めて並べてみると・・・

 

まずS1500は1970年生まれの農699号のTS2400とやはり1970年生まれ、農726号の三菱R2500Gにはさまれています。となれば運輸省型式認定番号縛りの中では1970年生まれと考えて良いのではないでしょうか?
表にして並べてみました。まずシバウラS1500は1970年生まれの農699号のTS2400と、やはり1970年生まれ、農726号の三菱R2500Gにはさまれています。となれば運輸省型式認定番号縛りの中では、1970年生まれと考えて良いのではないでしょうか?

 

そしてS150は1973年生まれの農836号ヰセキTS1700と、農860、1974年生まれの三菱D2500にはさまれていますので、1973年〜1974年生まれ。 そしてS15Dは同じく農860、1974年生まれの三菱D2500と、農892号で1974年生まれ、三菱D3000の間にありますから、1974年〜1976年生まれ・・・ということになります。
そしてシバウラS150は、1973年生まれの農836号ヰセキTS1700と、農860、1974年生まれの三菱D2500にはさまれていますので、1973年〜1974年生まれ。
そしてシバウラS15Dは、同じく農860、1974年生まれの三菱D2500と、農892号で1974年生まれ、三菱D3000の間にありますから、1974年〜1976年生まれ・・・ということになります。

 

膨大な時間をかけて表を作って、一体何やってるんだ・・・という感じです。きょうはここまでです。また明日!

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