どうしてこうなった?脂っ気が抜けまくっている、Massey Ferguson FE35「撮りトラ」

今日は某所で見た、ここまでヤレているとかえって潔い感じ・・・どこをとっても脂っ気がなく、艶消しのマッセイファーガソンFE35「撮りトラ」です。もう60歳くらいのおじいさんですから仕方がないのですが、昔のトラクターですから、「THE 機械」といった感じできっとちょっといじると元気に動いてしまうのでしょうね。

マッセイファーガソンFE35です。赤いトラクターだったと思うのですが、ほとんどが褪色してしまって錆と下地色で明細カラーになってしまっています。めくれ上がったグリルが悲しい・・・トラックに乗せられここへやってくる時にアオリにでもぶつけたのでしょうか?
マッセイファーガソンFE35です。赤いトラクターだったと思うのですが、ほとんどが褪色してしまって錆と下地色で明細カラーになってしまっています。めくれ上がったグリルが悲しい・・・トラックに乗せられここへやってくる時にアオリにでもぶつけたのでしょうか?それとも農作業中に衝突事故をやらかした???

少し気になる改造が見られます。赤錆たアングルが腕を曲げたように付き出しています。これは何でしょうね・・・アングルの下部、曲がっているところに三角の補強が見えます。

力がかかることを想定してのことでしょうから、ここにウエイトでも引っ掛けたのでしょうか・・・それには少し華奢のような気もしますけど・・・

なぜこの機体がFE35だと思ったか

色あせに赤錆・・・機種の特定ができそうな手がかりはそのシルエット以外になさそうですが、なぜこの機体がマッセイファーガソンFE35だと思ったか?それは・・・

理由はこの機体に付いていたトラクターメーターなんです。
理由はこの機体に付いていた、ACのトラクターメーターなんです。
拡大すると・・・ねっ? 〈FE 35〉と書いてあるでしょう? アワーメーターの下に「AC」と書いてあるのが見えます。今はACデルコと名前を変えてえいますが、アルバート・チャンピオン(Albert Champion)さんが創業したACの製品です。
拡大すると・・・ねっ? 〈FE 35〉と書いてあるでしょう? 

アワーメーターの下に「AC」と書いてあるのが見えます。今はACデルコと名前を変えてえいますが、アルバート・チャンピオン(Albert Champion)さんが創業したACの製品です。
初めてACの製品に気がついた時の記事はこちらです。

同じマッセイファーガソンFE35なのに別のメーターを採用している機種もある

キャプションにMF35と書かれていたのですが、今日見てみたら同じくメーターに「FE35」と書かれていたので、これも今日のFE35と同じじゃないかと思うんです。
機種名:ファガソントラクタ 形式・仕様:MF-35 37馬力 製造社・国:マッセイファガソン社 英国 導入年度:1959年(昭和34) 使用経過:堀部氏は昭和28年4月にウイリスジープを農耕用に導入している。帯広地方ではかなりに早い導入であった。  のちに、下取りに出してトラクタ導入プラウ・ロータリーバックレーキ付で120万円、一年の農産販売が70万円のころ、大変高価な投資であった。 30年ほど大切に使用していたもの。
下のほうに今日のFE35と同じく〈FE35〉と書かれているのが見えますよね?
拡大してみます。指針のセンターあたりに「SMITHS(スミス)」そしてアワーメーターの下に〈FE35〉とあります。当時のトラクターメーターの双璧な感じですよね!
拡大してみます。AC(アルバート・チャンピオン)ではなく、サミュエル・スミス(1827年生まれ)さんが、ロンドンのコーズウェイに創立した時計屋さんが元になったという、イギリス製の「SMITHS(スミス)」そしてアワーメーターの下に〈FE35〉とあります。当時のトラクターメーターの双璧な感じですよね!
初めてスミスのメーターに気がついた時の記事はこちら。ダイレクトにイギリス製の「SMITHS(スミス)」の縁起に行きたい方はこちらのリンクを辿ってください。
部品1つとっても歴史があっておもしろいですよね。そしてこんな姿になってしまったFE35・・・どんな暮らしをしてきたのでしょう。トラクターは口がきけませんから聞くことはできません。
部品1つとっても歴史があっておもしろいですよね。そしてこんな姿になってしまったFE35・・・どんな暮らしをしてきたのでしょう。トラクターは口がきけませんから聞くことはできません。
やけにハンドルの付け根部分が光っています。塗装は一回上から重ね塗りしているのでしょうか?火星の運河のようにひび割れています。ステッカーが貼ってあるのが見えます。
やけにハンドルの付け根部分が光っています。塗装は一回上から重ね塗りしているのでしょうか?火星の運河のようにひび割れています。ステッカーが貼ってあるのが見えます。
拡大してみます。わー!コマツインターナショナルのマークが付いている!真ん中のイラストはダブルタイヤのインタートラクタ。
拡大してみます。販売店のステッカーなのでしょうね。大野自動車。わー!コマツインターナショナルのマークが付いてます!真ん中のイラストはダブルタイヤ(それとも幅広タイヤ?)のインタートラクタ。
ものすごくスカッとしたエンジンです。マフラーがどっかへ行っちゃってます。4気筒のように見えるので、3気筒とされるMF35とはやはり違い、FE35で良さそうな感じです。
ものすごくスカッとしたエンジンです。マフラーがどっかへ行っちゃってます。4気筒のように見えるので、3気筒とされるMF35とはやはり違い、FE35で良さそうな感じです。

マッセイ-ハリストラクターとファーガソントラクターが合併?してマッセイファーガソンになったのが1952だそうです。

しかし、このFE35は1956年生まれなのにもかかわらず、合併してしばらくはそれぞれのブランドで動いていたのか「ファーガソンFE35」と書かれて分類されています。

また当初FE35はファーガソンカラーのグレーに機体が塗られていたようでした。となると、赤のFE35は2つの会社がようやく融合してきた証の後期型(となれば1959年とか1960年あたり製)ということになるのでしょうね。

今日はこんなところです。また明日!

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