ZETOR5714は水田仕様の日本限定バージョンでは?ヰセキZETOR TZ5714「撮りトラ」

今日は某所で見たゼトアトラクター(ZETOR)TZ5714「撮りトラ」です。ゼトアは井関農機が1966(昭和41)年中頃から1977(昭和52)年の終わり頃まで、中馬力帯〜高馬力帯のトラクターーラインナップを補う形で輸入販売していました。

 

低くワイドなボディ。超絶朝顔式ハンドルのステアリングが特徴的です。(朝顔式についてはこちらのリンクでご覧ください)
低くワイドなボディ。超絶朝顔式ハンドルのステアリングが特徴的です。(朝顔式についてはこちらのリンクをご覧ください)

 

1918年から1992年にかけてヨーロッパに存在した国家、いまはなきチェコスロバキア製です。そういう色眼鏡で見るせいか、シンプルで装飾の少ないデザインが東欧の雰囲気を醸し出しているように感じます。
1918年から1992年にかけてヨーロッパに存在した国家、いまはなきチェコスロバキア製です。そういう色眼鏡で見るせいか、シンプルで装飾の少ないデザインが東欧の雰囲気を醸し出しているように感じます。

 

東欧の中のニッポン。僕が気に入ったのはここです。伸し餅みたいなコンクリの載った自作おもり載せ台。鉄筋を曲げて作った枠の柱が2本だけ異形鉄筋です。きっと材料が足りなくなっちゃったんです。その2本を対角線に配置したところがイイです。僕だったらトラクター側(後列)に回しちゃうなァ。
東欧の中のニッポン。僕が気に入ったのはここです。伸し餅みたいなコンクリの載った自作おもり載せ台。鉄筋を曲げて作った枠の柱が2本だけ異形鉄筋です。きっと材料が足りなくなっちゃったんです。その2本を対角線に配置したところがイイです。僕だったらトラクター側(後列)に回しちゃうなァ。ライトガードもいい感じです。

 

フェンダー裏に工具箱が見えますね。tractordata.comで調べてみると末尾2や4のZETORは見つかりません。もしかしたらイセキ用の番号だったのかもしれません。 tractordata.comに記載のある中で一番近いのは、ZETOR5711で1972年〜1978年で2WD ZETOR3.1L4気筒ディーゼル58馬力2200rpmとなっています。
フェンダー裏に工具箱が見えますね。tractordata.comで調べてみると末尾2や4のZETORは見つかりません。もしかしたらイセキ用の番号だったのかもしれません。
tractordata.comに記載のある中で一番近いのは、ZETOR5711で1972年〜1978年で2WD ZETOR3.1L4気筒ディーゼル58馬力2200rpmとなっています。

 

一方、インパネの少し下についている銀色のプレートに記載されていたのは・・・ ZETOR ヰセキ 名称 ゼトアトラクタ 型式 TZ5714 3.118ℓ 58ps/2200rpm 井関農機株式会社 とあり、5711と同じスペックです。イセキの社史である井関農機60年史によると、TZ5714はTZ5711の後継として1973(昭和48)年から
一方、インパネの少し下についている銀色のプレートに記載されていたのは・・・

ZETOR ヰセキ
名称 ゼトアトラクタ
型式 TZ5714
3.118ℓ 58ps/2200rpm
井関農機株式会社

とあり、5711と同じスペックです。イセキの社史である井関農機60年史によると、TZ5714はTZ5711の後継として1973(昭和48)年中頃から1977(昭和52)年の終わり頃まで販売されていたようです。

 

イセキで販売していたZETOR5511は社史の年表によると、1968年(昭和43年)中頃から1971年(昭和46年)中頃まで販売されていたもようです。保存状態が良く、ツルツルピカピカです。とても50年前のものとは思えません。
以前紹介したイセキで販売していたZETOR5511のカタログ。社史の年表によると、1968年(昭和43年)中頃から1971年(昭和46年)中頃まで販売されていたもようです。ZETOR5511のスペックは

ゼトア5511
銘柄形式 ゼトア5501
種類 ディーゼル
冷却方式 水冷
サイクル数 4
シリンダー数 4
内径×行程(mm) 95×110
総行程容積(cc) 3,120
圧縮比 17.9:1
出力(ps) 57
定格回転数(r.p.m) 2,200
車両総重量(kg) 2,270
荷重 前輪(kg) 900
荷重 後輪(kg) 1,370
全長(本体のみ・mm) 3,475
全巾(標準状態・mm) 1,740
軸距(標準状態・mm) 1,620
輪距 前輪最大 1.725
輪距 前輪最小 1.330
輪距 後輪最大 1.800
輪距 前輪最小 1.425
最低地上高(mm) 460

とあり、排気量が同じことから5714と同じエンジンだと思われます。

 

パワーアシストつきステアリングのようですね。東欧のエンジン、見た目がなんか違います。
パワーアシストつきステアリングのようですね。東欧のエンジン、見た目がなんか違います。

 

ハンドルの前は燃料タンクでしょうか?すごく大きいです。その前に4気筒のエンジン。・・・となると、あとはラジエターとバッテリーのスペースなのでしょうけど、ずいぶん前が長いですね・・・それともう一つ。フロアが箱状に囲われているのが気になります。足元、かなり広いのかもしれません。
ハンドルの前は燃料タンクでしょうか?すごく大きいです。その前に4気筒のエンジン。・・・となると、あとはラジエターとバッテリーのスペースなのでしょうけど、ずいぶん前が長いですね・・・それともう一つ。フロアが箱状に囲われているのが気になります。足元、かなり広いのかもしれません。

 

ヰセキラインナップのうち、大型の部を担っていたゼトアTZ5714も1976(昭和51)年、T5000/T6500の完成と共にお役御免になったみたいです。
ヰセキラインナップのうち、大型の部を担っていたゼトアTZ5714も1976(昭和51)年、T5000/T6500の完成と共にお役御免になったみたいです。

 

井関農機の社史である井関農機60年史によると、畑はともかく水田に弱みがあったそうです。そこで1973(昭和48)年から水田専用の機能部分(ステアリングブレーキ・クラッチ)をイセキで組み付けることになったとあります。
井関農機の社史である井関農機60年史によると、ゼトアは畑はともかく水田に弱みがあったそうで、1973(昭和48)年から水田専用の機能部分(ステアリングブレーキ・クラッチ)をイセキで組み付けることになったとあります。

 

そして、このTZ5714はちょうどローンチが1973(昭和48)年!ということは、水田専用の機能部分(ステアリングブレーキ・クラッチ)付きのものが5714なのではないでしょうか?それならtractordata.comに5714の型番の記載がないのも、5714が水田仕様の日本限定バージョンと考えれば整合がとれます。
そして、このTZ5714はちょうどローンチが1973(昭和48)年!ということは、水田専用の機能部分(ステアリングブレーキ・クラッチ)付きのものが5714なのではないでしょうか?それならtractordata.comに5714の型番の記載がないのも、5714が水田仕様のイセキ製日本限定バージョンと考えれば整合がとれます。

 

今日はまあまあスッキリした感じです。また明日!

 

 

 

 

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“ZETOR5714は水田仕様の日本限定バージョンでは?ヰセキZETOR TZ5714「撮りトラ」” への2件の返信

  1. 山葵さん お返事遅れました
    ミュシャですか!
    そういわれるとカラフルな線画みたいに見えてくるのが不思議です
    シートのモジャモジャ・・・よく見ると足元に落ちていますね
    オイルが吹き出した感じがゼトア風というのは愛があっていいですね!

  2. 強烈な朝顔ハンドルはパワステと一体で設計されているためギアレシオも小さく
    軽快なハンドリングを見せてくれます。しっかり回転を上げておけばですけど・・・
    燃料タンクは80リットルくらい入るのですがステア軸が貫通するタンクでちょっと微妙。
    バッテリーは左右の足元の箱に並列で接続されて入っています。結線はセルモーターで合流。
    7シリーズはデコンプがありません。ある程度元気なバッテリーが必要です

    最低地上高がたっぷりあったりやたらホイルベースが長く見えます。面白いトラクター。
    エンジン周りからオイルとか色々噴き出した感じもゼトアらしいです。
    燃料フィルター以外は全部洗って何度でも使えるところも頼もしいです。
    シートのスポンジはもじゃもじゃの植物系繊維?たぶん??だったりします

    チェコスロバキアの芸術家のミュシャがデザインしたかのような華やかさがじんわり感じられる
    伸びやかで女性的なボンネットやグリルがオシャレです。たしか戦時中に亡くなられた
    ようですが、チェコスロバキアの人は時を越えても美しさにこだわりがありそうな感じがします。
    対照的にクリスタルシリーズはポルシェのドイツ人スタッフが仕上げた雰囲気が強い
    直線的でマッチョでパワフルな印象が強いですね。

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