今日は水戸芸術館の「こども・こらぼ・らぼ 2018」で持ち込み企画としてやった「何でもパッケージの」お話。必要のないこまごまとしたものを、技術とセンスで「欲しいかも」と思わせるような商品にしてね!という趣向です。
クボタNEWサンシャイン「ブルトラ」B1シリーズカタログ。クルマやトラクターのように大きなものは、商品パッケージがなくても、商品そのものに威圧感を持たせたり、力強さを持たせたりして、「欲しい!」と思わせています。それプラス、カタログなどでは必然性のないおねえさんや、有名俳優を持ち出してきてダメ押しをしてますよね! 小さな商品はバラッと商品だけあってもなかなか「欲しい!」と思わせるのは難しい・・・そこを代弁するのが外箱や、今回作ったブリスターパックってわけです。
2年前も1日だけやりましたが、今回は2日間の長丁場です。
色々な意味で甘く見ていて、作って行ったヒーターが悲鳴を上げて壊れたり、用意した材料がなくなったりで、最後までできず早じまいでした。
もちろん、「お米たべてー!」と、宣伝もしましたよ! なんでしょうねぇ・・・オモチャのペダルカーなどに乗っているはずで、こういうもの、珍しくないと思うのですけど・・・子供達はコイツを見ると乗り込んでみたくなるみたいなんです。そしてもれなくステアリングダンパーが付いていて小径のため、くそ重いハンドルを「カッコンカッコン」と切ってみるのでした。
大人は結構その意味を理解して面白いものを作ってくれます。捨てるキーボードから取り外したキーを組み合せて、「のりこ呼び器」。変に横文字などを使わず、ストレートに呼び器っていうのがいいですよね! 押せばカエル。シンプルかつわかりやすい機能で、バカ売れ間違い無しです。
子供達が作ったもので驚いたのは一番左のペットボトルのキャップ。ピッチャーがボクに向かってボールを投げているところだそうです。商品に何か機能があるのか?といえばありませんが、モノ言えぬ品物の代わりに、配置とコピーで見事にそのものを説明しています。欲しいか欲しくないかと言えば「欲しい!」ついでにいえば、真ん中の貝殻。音が鳴るというのは2枚の貝をこすり合わせると・・・だそうです。
他にも色々。金の鼻の金運ブタ。ガラクタは、自分で持ってきたわけではなく、こちらで用意しているので、大喜利のような瞬発力が要求されますね!
造花のガクだけを使ってカッパ!なかなかかわいい!
空のインク瓶にプラスチックのプリップを入れ、それをプールに見立ててエボルタ君を浸からせてます。暑い日でしたからエボルタ君からはクリップの汗がしたたっています。合わせ技でストーリーを組んできました。これも欲しいか欲しくないかと言えば「欲しい!」
すっごく小さな子の商品です。これもビックリしました。クリップを3つ、⧹⋀⧸のように配置してぷてらのどん。この発想はなかったなあ・・・好きなんだろうなあ・・・なんでもぷてらのどんにみえちゃうんだろうなあ・・・
みんな個性的で素晴らしいのですが、ボクに一番ツボだったのは、右の子の商品。
せんたくは「センタッキー」人気歌手野田昌子愛用!!
小学生が考えたとは思えない懐かしさ。昭和の香りです。ガラクタの洗濯バサミに「センタッキー」という名前を付けて差別化。さらにアイコンとして人気歌手(小学生なら人気アーティストってなりそうなのに、人気歌手ってとこがいいです。)野田昌子を起用して差別化に輪をかけています。
野田昌子、謎多き髪型と洋装ですが、わざわざ人気歌手と書いてあるところからして演歌の歌手なのでしょうか? 匿名おねえさんではなく、名のある歌手を使って勝負に出る完璧な商品パッケージです。「欲しい!」
人気歌手でなければこのように名前のない匿名おねえさんを使うパターンがおおかたですね!三菱マイレディMPR601 6状植え田植機です。型式名はMPR600Dで、農研機構の登録では1981年。表紙は商品である田植機の10倍くらい、慎重は10m、体重650kgぐらいの女性です。
1978年ヤンマー田植機の広告。これも女性が出てきますが、有名人のイメージキャラクター。一番上の目立つところに若い女性の写真が何の説明もなく・・・浅芽陽子。「なぁ、みんなどう思う。」っていわれて「やっぱりヤンマーがええ」と言わせています。「センタッキー」は大企業のヤンマー田植機「いちばん苗」レベルですね。
歌手起用という意味ではヰセキの桜田淳子さん。なんだか野田昌子とも微妙にかぶる感じです。
でも演歌歌手なら。ご存知サブちゃん。北島三郎さん。「センタッキー」は数ある無銘の洗濯バサミに対して爆発的に売れるに違いありません。野田昌子のギャラを払っても十分残るといいなあ・・・洗濯バサミ、安いから。
今日はここまでです。また明日!
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