今日は伊藤産業機械さんに提供いただいた昔のカタログシリーズ&田植機考古学、1992年の登録、三菱プランティングカー・マイレディ・スウィートMPR4のカタログです。
国産農業機械の開発が一回りし、各社とも機械面での差別化が難しくなったためなのか、70年代後半に入ってカタログに女性が登場してきました。初めのうちは歌手や女優などの有名芸能人が広告塔となり「◯◯さんの田植機」のように特色をだしていたものの、機械の機種やバリエーションが増えて予算が回らなくなったのでしょうか? 80年代に入ると有名ではない匿名の女性イメージキャラクターが使われるようになります。衣装もチアガールから始まってだんだん露出も増えてきた流れの中、1992年、三菱田植機マイレディ・スウィートMPR4では・・・
よく意味の分からないレオタード(それは以前もありましたが)に加え、ついに田植機の広告なのに田植機ですらないものが最前面に!!! 昔のカタログよ、あなたは一体どこへ向かおうとしているのか・・・
確かにギザギザの頼りない車輪や、出っ張りの多い植付け部などは機械として美しくない部分ではありますが、すべて取り払ってスッキリさせてしまうとは何という荒技!
マイレディ・スウィートMPR4より10年ほど前、『1981年三菱プランティングカー・マイレディMPR601「昔のカタログ」』では、同じようにレオタードの匿名おねえさんイメージキャラクターが採用されていましたが、衣装の角度は結構穏やか。シンプルだったトラクターの愛称が、スーパーやエクストラやグレートなどの意味が重ね塗りされ過激になっていったように、時代の流れはより鋭角に、露出多めにシフトしていたのです。
ちなみに冒頭のホバー田植機でレオタード姿だった匿名キャラクターのおねえさんは、2年前の1990年マイレディMPR55のカタログでは普通の格好をして画面に納まっています。
もう一度上の写真と比べてみましょう。2年経つとモデルもカタログの作りもこんなにはじけちゃうってことです。今まで見た中で今のところいちばん僕のツボかもしれません。
表紙は衝撃的ですが、中身はもちろん遊ばずに作られています。なぜ「マイレディ・スイート」なのか(スウィートじゃなくてスイートでしたね)わかりました。きっと今ではあたりまえの機構、前後進モノレバー無段変速のことを「スイートマチック」と称していたことから来ていたのです。それに合わせて無理矢理特長にスイートを付けて紹介しているのでした。
「田植えがパ〜ッと華やぐ、マイレディに新型マイレディスイート登場。」とあります。そりゃあ華やぎますよね? 表紙みたいな格好で田植えしたら・・・見物人もたくさん集まりそうです。でもこの「田植えがパ〜ッと華やぐ」ってところ、すごくいい言葉だと思います。そんな機械があったらいいですよね!
「ホラ!こんなにスリムで、美人になったでしょう。」と匿名おねえさんに言わせています。今だとこういうのアウトですかねえ・・・
リフト量が大きいので枕地植えも一往復でOKとあります。少し苗を踏んでしまいそうだけど、4条植えだとこんな風に植えられるんだなあ。
非対称のひとつ目のすタイルは結構好きです。ここでもペースト施肥機を推していますね。
今のカタログではあまり匿名おねえさんキャラクターは見ないような気がします。(もしかしたら僕が持ってくるようなカタログには載っていないというだけかもしれませんが)匿名おねえさんが廃れていったのはいつ頃なのかも知りたいです。
今日はここまでです。また明日!
あ!今思い出しました。小さな管理機などでは今でも匿名おねえさんキャラクターを見かけます。ただ、実際に即した感じでちょっとオシャレできれいな格好で楽しそうに管理機を押しているくらいで、超ハイレグのレオタード姿ではないようです。
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