今日は伊藤産業機械さんに提供いただいた昔のカタログシリーズ&田植機考古学。農研機構では2002年の登録、三菱田植機LV5・LV6です。伊藤さん、ありがとうございます!
なぜLV5・LV6なのかというと、OさんとMさんに誘われて見た、春の農業機械&生産資材展示会「スプリングフェア2018」の中古機の中で気になったものがあったからです。三菱田植機 LV6 中古価格 ¥450,000 使用時間 498時間 備考:イノベーター付とあります。
イノベーター?ネットで調べると『革新者。新しい動向のつくり手』などと出てくるのですが、機械の名前としては「?」です。
どうもこれがイノベーターらしい。
三菱イノベーターⅡ MPG-500A
何か粒状のものを撒く機械みたいですが、よくわかりません。そこでこの機種のカタログに何か書いてあるのかな・・・と
2004年のカタログと思われます。マイレディリードLV5・LV6カタログ。高速植付、一発旋回、枕地均平、環境保全・・・なんだか漢詩みたいです。そんなのないけど四言絶句。
まくらっこ。クボタではゆう優うロータと言われているヤツですね。
そういえば以前、『「田植機機能の名前」&「田植機考古学」まとめ』で田植機の愛称と機能をまとめましたよね。三菱はかつて田植機で使用した「すくすく号」のすくすくは使わず、響きはちょっと似ている「スマイル」+機能名で攻めています。
クボタはかつて田植機で使った「ゆうターン」という言葉にヒントを受けたのか、さらに重ね漢字で意味も加えた「ゆう優」+機能名で攻めています。トラクターで認知の進んだモンローも加えて万全の体制です。他にもヤンマーやイセキについてもまとめました。
田植機があんなにくるっと回れるのは内側車輪の動力が切れているからだったんだ!これが各社のナントカターンの機能なんだな。
この鮮やかな色もプラスチックの艶も冒頭の中古機ではすっかり煤けてしまって悲しいことになっています。
三菱LV6 三菱GM391 空冷4サイクルOHVガソリンエンジン 391cc 9馬力/3600rpm お!この最後のキャラクター、見たことあるゾ!
2016年、『今週は三菱ウイーク!三菱トラクタGAK360・・・撮りトラ@ダイナミックフェア2016』の時に見た、三菱トラクタGAK360XUV 四角く姿勢のよいキャビンと流れが自然なフェンダーが妙にカッコいいです。
これについていたロータリーがヘンな名前だったんだ。
付いているロータリーは、かわいくないイラスト付きで脱力するネーミングのドリームロータリ。若干不気味なこのイラスト、2004年時点では既にあった由緒あるキャラクターだったんだ!
拡大してみます。よく見ると一番左の黄色いシャツ、きりっとした表情の彼はHONKI(本気?)君。そして中央の緑のシャツはGENKI(元気?)君。そして一番右の女の子はなんとNINKI(人気?)ちゃんです。この米のキャラクター、ちゃんと名前があったんだ!あれー?上の写真では彼ら野菜を持っているけど、このカタログでは人気ちゃんがご飯を持っているだけだ。おもしろいなあ。
ついでに駆け足で2006年のLV5・LV6カタログも紹介しちゃいます。2004年のカタログに比べ、グッとカッコよくなっていますよね。
しかし、10年以上経つとご覧のとおり。こちらはOさんとMさんに誘われて見た、春の農業機械&生産資材展示会「スプリングフェア2018」の中古機。三菱田植機 LV5 中古価格 ¥900,000 使用時間115時間
2014年のダイナミックフェアで見た 三菱田植機 LV6 補助車輪付き 使用時間588時間 中古価格¥300,000
まっくらっこの説明で枕地ならしは重労働とあります。人が田植えをしていたころは田植え自体が重労働だったわけですが、田植機が導入されると今度は相対的に枕地ならしが重労働になってきた・・・ということなんですね。同じようなことは「苗スライダー」の説明にも言えて、相対的重労働スライドによりどんどんワンマン作業に、そしてオペレーターはほとんど動かないようになって行く流れです。最後は退屈なオペレーターのためにエンターテイメントが加わったりしそう。もしくはポン!とロボットに取って代わっちゃったり。
これは2004年の使い回しです。
ペースト施肥機のことが書いてあります。環境保全ペースト施肥機。深い位置と浅い位置の2個所に施肥するようになってます。図からいくと苗ひとつにつき深さを変えて2個所入れるように見える・・・
苗ひとつひとつに深さを変えて2個所肥料を入れるなんて、すごく緻密な作業で、外国の大規模農家が聞いたらびっくりするでしょうね。
なんだか話があちこちに行ってしまいました。結局カタログ2つを当たっても三菱イノベーターⅡ MPG-500Aは出てきませんでした・・・というのが結論です。
残念、また明日!
上の記事とゆるく関連しているほかの記事:
伊藤産業機械(株)さん おはようございます
これはどうせ田んぼに入るんだからついでに除草剤も撒いちゃおうという発想なんですね
ありがとうございます
トミーさん おはようございます
『スラまきちゃん』はちょっとよくわかりませんが
『滴下マン(てっかまん)』最高にいいですね!
イノベーターと言われるより親近感が沸くのが不思議です
イノベーターは田植と同時に除草剤を散布できます。
これがないと、例えば田んぼに長くつで入って、粒状の除草剤を手で撒いたりするんですよね~。
ちなみに、イノベーターは丸山製作所が作っています。
イノベーターは粒の除草剤散布機です。小さいブロキャスが田植機についたような感じですかね。
ちなみに液の除草剤散布機は『滴下マン(てっかまん)』です。
苗スライダーの上に取り付けて箱処理剤(殺菌殺虫剤?)を散布する『スラまきちゃん』なんてのもありました。