トラクター狂さんに佐藤造機のデビッドブラウントラクター、DB995/990のカタログを送ってもらいました。トラクター狂さんありがとうございます。
というわけで、今日は「昔のトラクターカタログ」シリーズです。
カタログ写真、じっと見ていたら、エンジンやシャーシが以前の黒から朱色というか、金赤に変わっていました。もちろんDBオペレーターはよくご存知だと思います。でも、こういうこと、自分で発見するとうれしいんです。
以前『デビッド・ブラウン トラクターとバッジの関係の年表(かなりイイカゲン)』でずっと見ていったように、デビッドブラウンは長い間にずいぶん波に揉まれてきました。ケースに買収される時にシャーシとエンジンが黒から赤に変わったんじゃないかなあ・・・↓以下抜粋です。
だいたい1971年を境に黒から赤に変わった感じです。(サンプル数少ないけど)ちょうどCASEのロゴがサイドに入ったあたりですね。このカタログのDBにもサイドにCASEのロゴが入っています。
それにしても、トラクターの990とかの数字は年式とは全然関係ないんですね。どちらかというとブランド名みたい。この表の前後関係を見たい方は『デビッド・ブラウン トラクターとバッジの関係の年表(かなりイイカゲン)』のリンクでどうぞ!
ちょっと長いですが、これを読んでもぜんぜんわかりませんでした。引用しますね。
レバー1本で4つの操作 セレクタマチック油圧機構。
セレクタマチックは世界のトラクターの中でも最も簡易化された理想的な、DB独自の油圧機構です。
セレクタマチック油圧機構の油圧ポンプは、PTOと同じクラッチを介して駆動されます。つまり、ライブドライブ型のDB995・990では、第2段のクラッチでポンプ駆動が行われるのです。必要とする作業内容の位置にダイヤルを合わせ、油圧操作レバーををセットするだけ、これで次の4種類の油圧サービスが得られます。深度調節(ドラフトコントロール)
異なる構造の土壌で深度調節軸がついていない作業機を使用するときに使います。深度は一定に保たれ、その正確さは抜群です。けん引力増加調節(T.C.Uトラクションコントロール)
圃場内の土地構成が種々に変化する場合、深度調節とT.C.Uの併用によりホイールのスリップをなくし深度を一定に保ちます。作業機の重量が油圧作動により後輪に2/3移動します。高度調節(ハイトコントロール)
一旦セットされると作業機は定められた高さに固定されます。作業機やエンジンスピードにかかる荷重の変化に影響されることがなく、常に一定です。油圧外部取出し(エキスターナルサービス)
ローダーやダンプトレーラーのようにシングルアクティングドラムが付いている作業機は、オペレーターの左側にスリーウエイバルブを取付け、これを使用することによって簡単に油圧を操作することができます。
4つの油圧サービスは左下の写真、矢印のついた目盛で選ぶのでしょうか・・・なんだか、中間位置も選べそうな感じ・・・
強力で経済性に信頼のある63・56馬力エンジン
シンクロトランスミッションに忠実にマッチした新型デビッドブラウンの63・56馬力エンジンは、PTOでも最大58・53馬力が得られ強力な牽引力を保持することができ、またより大きなけん引力を支えられるトルクが得られます。デビッドブラウンエンジンは、その信頼性があること、燃費が少ないこと、寒冷時でも始動が容易なことで知られています。クロスフロー型シリンダーヘッドおよび回転する排気バルブが、きれいでスムースなエンジン回転を約束します。一方、大口径のメンベアリングはアルミ/スズでメッキされているため非常に耐久力があり、一段と強くなったクラックシャフトなど、数多くの設計特性によって最適の出力が得られ、耐久性に優れ故障がきわめて少ない高性能エンジンとしてDBオペレーターの方からご好評をいただいています。
昔のカタログは書いてあることが技術的ですよね。クロスフロー型シリンダー、回転する排気バルブ(どんなだろう?)・・・その割にその評価は「抜群」、とか「ぐんとすぐれている」などと曖昧な感じがお茶目です。
今だとどうでしょう・・・
「◎△システム」で雨の日も快適操作
ぬかるんだ田んぼも「◎△システム」でラクラク!
「◎△システム」なら老後も安心!
なんて感じで技術的な難しいことを「◎△システム」でくるんで置き換え、置き換えたその「◎△システム」があるからイイ!みたいな書き方になっている感じです。僕も含めて色々なことに理解力が落ちて、もう説明する気力がなくなっちゃったのかもしれませんね。
トラクター狂さん おはようございます
便利のような恐ろしいような・・・
グーグルストリートビューの恩恵は受けているんですけど
ドロボウさんだって獲物を事前にチェックできますよねえ
山葵さん おはようございます
OHCのエンジンなどは自然とバルブが回転するのだ・・・と聞いたことがありますが
それを意図的に行う機構がついているということなんですね
バネが付いていてただでさえ大変なバルブまわりにさらにバネプラス・・・
僕がいじったら絶対に「ピィィィーーーーーーーーンンン」と飛ばしてしまいますね
ハア・・・
いつも思うのですが、エンジンの整備は色々なことが待てないマテナイ君やセッカチ君にはムリですね
隣町のJA農機センターにDB990がいました。
結構草臥れた感じではありましたが、現役のようでした。
お客さんの物では無く、農機センターに保管してある物みたいです。
私自身この目で確認したのは5年以上前なので、今残っているのかは分かりません・・・
ちなみにグーグルストリートビューに写ってます(笑)
>回転する排気バルブ(どんなだろう?
給排気バルブがプッシュロッドで作動するたびに、リテーナに仕込まれたバネでほんの少しだけ回転させられて
自動的にバルブの擦りあわせをおこなって、長期間エンジンを使ってもバルブの気密を維持しようとしたり
バルブに掛かる熱を均等にして各部の熱歪みから起こる偏った磨耗を低減させる仕組みです。
バルブローテーターだったかな?メーカーによって呼び方は色々ですが、仕組みも色々なものがあります
バルブを分解して小さなバネとボールが飛び出してきたら、それは回転するバルブです!(部品が細かく紛失注意)
シンプルな石油発動機とかはバルブがほとんど回転しないので、煤やゴミが偏ってシート周りに居座って
機密漏れを起こします。発動機なら手入れも簡単ですが、大型で複雑なエンジンで頻繁にこの作業をするのは
結構メンドクサいです。それを解決する優れたカラクリですね。
予熱がエアーヒート式なので、パーキンスなどとそれほど変わらないというか、エアーヒートって難しいです。
焼き過ぎて燃焼が終わってしまったり、ニクロム線が切れてしまったり、そもそも着火に失敗していたり・・・
耳をすまして蒸発音を確認して引火音が聞こえたら直ぐにスタートするのがコツです。その点、グロープラグは簡単です