ネタ探しで重箱の隅をつつくように昔の写真を整理しています。今日は北海道開拓の村で見た貯炭式のフクロク石炭ストーブと、貯炭式というのがよくわからず使い方を調べる過程で見つけた研究分野のことを少しです。いつものように調べるうちに時間がなくなってきています。
その中でも目を惹くのは鋳物の石炭ストーブ
櫓炬燵や薄い鉄板の時計型薪ストーブなどが並んでいます。その中で存在感を放つのは大きく重い鋳物の石炭ストーブ。
作り手が地球と言っているのに、見た人使う人はタコですか!おもしろいですね。確かにこれを見て地球はすぐに出てこないなぁ・・・てっぺんが平らですが、これとピッタリのヤカンを載せていたのでしょうね。
何も置いてなかったらこの部分に魚や餅を載せてしまいますもん。やる人はヤカンを降ろして焼いたとは思いますけど。
本題の貯炭式石炭ストーブ
石油タンクに石油を入れる石油ファンヒーターの石炭版のようなものですね。一回入れたら石炭を一々くべなくてもいいストーブだと理解しました。
どうも普通の石炭ストーブより背が高い・・・この高い部分が貯炭槽になっているのでしょうか?
どう使うのだろう
それはわかったけどどういう構造?
シャッターかなにかで燃料が落ちる速度を変えるのでしょうが、細かい構造はこれではよくわかりません。さらに調べてみます。
これは意匠のことが主に書かれていて、使い方や構造に付いては書かれていませんでしたが、煮炊きする炊事用として使われていることなどが書かれています。確かにずっと燃えているのであれば煮炊きに使わないてはありませんよね。
鋳物製石炭ストーブは、北海道開拓をひとつの契機として西洋から移入され、日本のメーカーによって開発・改良され普及し、大正末期から昭和40年代にかけて、わが国の重要な暖房具であった。
福禄石炭ストーブの製品開発について
株式会社福禄ストーブは昭和20〜30年頃、鋳物製石炭ストーブ全国シェアの80%を取っていた鋳物の町川口でトップメーカーだったそうです。
これがまた痒いところに手の届く感じのpdfで、逆になんでまたこんなに詳しく鋳物製石炭ストーブのことを調べたのだろう・・・と不審に思うくらいです。
ただ、燃料が下に落ちるための構造などは書かれていず、このあたりは継続調査ですね。
検索して直接この論文に行き着いてしまったので、どのような親のどういう部分に収録されているのかを知るのが大変でしたが、文部科学省がサポートしている「日本の技術革新-経験蓄積と知識基盤化」という研究領域の「第4回国際シンポジウム」のなかで発表された研究論文のようでした。
「日本の技術革新-経験蓄積と知識基盤化」とは何?と調べてみると
20世紀の日本は膨大な技術革新を行い今日の発展を遂げました。この20世紀の日本が行った「技術革新の経験」は、21世紀に我が国の更なる技術開発・技術革新を行うための膨大な知識の宝庫です。しかし、20世紀から21世紀にかけて、我が国は産業構造の急激な変化、終身雇用制の崩壊、戦後の技術革新を支えてきた技術者の高齢化などにより、「技術革新の経験」は、急速に失われつつあり、今のうちに経験を集積し、役立つ知識として知識の基盤を形成する必要があります。
研究領域の要点
メチャメチャごもっともなことでした。
しかし、とんでもない分野のとんでもないことを日夜調べている人がいるのですね・・・びっくりです。
だったら、『参入過多の農発市場に於ける企業の退出と技術力の関係』とか『黎明期の国産トラクター市場での各社シェアの推移』なんていうことを調べている人もいるかもしれない・・・見てみたいものです。
今日は油断して思ったより時間が掛かってしまった・・・それではまた明日!
山葵さん
こんばんは お返事遅れました
いいですねえ・・・焚き火や薪ストーブの扱いが上手い奴は空気が読める
そりゃそうですよね!見えない空気を読むのが燃焼ですもん
僕はおもしろくていつもいじり消してしまいます
「マテナイ君」がいいポジションにもいないし、出世もしないというのも当たっていますね
釧路産の石炭が最近まで売られていたというのに逆にびっくりします
今でいうブラックな環境で採掘していた人がいたということなのでしょうか
それとも過去のストックが残っていたいうことなのでしょうか
下から燃えるにせよ、上から燃えるにせよ
カッカと燃えて制御不能にならないところがすごいです
これが火薬だったりガソリンだったりすればそうは行かないわけで
(作りに拠っては行くのか? もしかして)
石炭やコークスという燃料のことをよく知らないとそのようなプロダクトは生まれないですよね
薪だって未だにコントロールできないのに、石炭やましてや原子力なんて僕にはちょっと遠い話です
貯炭部分の下から燃えるストーブです。そこから煙突方向に向かって
燃焼炎が噴出していきます。煙突までの空間は2次燃焼室です。
最上部の投入口からも空気を吸うので貯炭部は炎上しない設計です。
ルンペンストーブといわれるタイプは貯炭部の最上部から線香のように
下に向かって燃え移って行く方式です
釧路産の石炭販売は一昨年に終了しました。石炭ストーブを使うなら
輸入炭を高額で購入するほかないようです。これからは
エキシビジョン燃焼とでもいいましょうか・・・残念な話です。
札幌に福禄ストーブ発祥の地があるはずです。今は公園になっていて
ストーブのかわいいオブジェが複数鎮座していたと思います。
もうこうなったらバーベキュー用の豆炭でも入れて雰囲気だけでも
楽しんでみたいです。
焚き火や薪ストーブの扱いが上手い奴って大体、テストでハイスコア
を取るのが苦手だったりします。が、要領や根回しや空気読みは得意で
大人になって再会すると意外な人物が美味しいポジションにいます。
トライ→エラー→フィードバック→トライのサイクルの次元が違うというか。
誰が言ったか、焚き火は人生の全てを教えてくれる。
秀逸な名言です。
空気読めなきゃ寒い思いしますもの。人生も焚き火も一緒です。
山葵さん こんにちは
福禄石炭ストーブ、使ったことがあるんですね!
文字で書くと複雑ですけど、おっしゃる通り
燃焼の理屈やドラフトの理論を強制的に勉強させられれば
(やってみれば)何となく理解できるのでしょう
読んだ限りにおいては、貯炭部に直接火を付けるように感じてしまいますが合ってますか?
今のファンヒーターに比べたらめんどくさい作法が必要ですけど
身に染み付いている人には気にならないのかもしれませんね
火をつけて後は全く気にしなくて良いストーブより
ちょいちょい気にしなくちゃならないストーブのほうが
イカを炙るじゃないですけど創造力をかき立てるような気がしてきました
本来なら時間ができる分、気にしなくてもよいもののほうがより創造性が高いと思われるのに・・・
このストーブ、使ったことがあります!コークスを燃料にしていたので点火の難易度が高かった・・・
燃焼室の扉を開けるとロストルが2つ、扉の下水平と、扉の上から始まって奥に向かって斜めに。
この斜めのロストルの上にコークスが貯まっています。水平のロストルの下は灰箱です。
燃焼室扉を開けて奥に行くにつれ狭くなってる空間に始動用の燃料を入れて点火します
これは使う人によって工夫されていて、廃油とオガクズを混ぜて作った団子とか色々なアイテムが
準備されています。特にコークスは燃え難く、木の枝や石炭で段階的にパワーを上げていきます。
主燃焼が始まってくると空気穴を調整して安定させます。燃焼室扉、灰箱扉、2次燃焼室に
空気穴があります。他には煙突にスロットルバルブがあります。これは天候に合わせて調整。
上に貯まってるコークスに燃え移って大炎上するのでは??と思われますが、貯留タンク内は
負圧になっていて、燃焼中に投入口を開けても煙は僅かしか上がりません。煙突が機能しています
燃えるにつれ灰は下に落ちコークスは下がりますがコークスがブリッジを起こしたり灰が堆積して
空気の流れが悪くなると燃焼が弱くなるのでたまに点検してL字型の火掻き棒でガシガシします
ロストルは熱にやられて変形するので金物屋にはスペアが置いてありました。
点検とか調整とか始動とかなんとか・・・今の感覚では非常にメンドクサイし、パワーコントロール
もほとんどできません。燃焼の理屈やドラフトの理論を強制的に勉強させられます。
そんな昔の石炭ストーブが大好きです。いつかは自分の工場に据え付けてイカを炙って一献!