ずっと農機広告を追っています。先日は1970年代後半から1980年代後半までの約10年はイメージキャラクターの時代と定義してみましたが、今日はちょっとその前を振り返ってみたくなってしまいました。(行ったり来たりですみません)
1960年前後は耕耘機ブーム。参入メーカーは膨れ上がりその数130社とも・・・
経済の高度成長、農業就業人口の他産業への流出が顕著になるにしたがって労働手段としてのティラー/耕耘機の需要に拍車がかかりブームを形成。脱穀機、籾摺り機メーカーも組立主体に参入。その数130余社となり業界はティラー/耕耘機一色となる。
三菱の資料「農機技術概史と業界の動向」より
その結果がイメージキャラクター・・・女性モデルというわけだったんです。
稲作の場合はよく、「機械のお金を払うために勤めに出る」みたいな話を聞きましたが、その責任の一端をこのおねえさまたちは担っている部分もあったわけです。
すべて人力で作業していた部分が、このような機械でできるようになりずいぶん世の中が変わりました。
発動機が百花繚乱の頃はどうだったのでしょう・・・
それまで人力で大変な思いをして行なっていた、水汲みや脱穀の作業をエンジンで・・・ということで、ずいぶん多くのメーカーが参入していたはず。発動機の広告をちょっと調べてみました。
東京大学総合研究博物館画像アーカイヴス
日本の新聞広告3000(明治24年-昭和20年)
という素晴らしいサイトがありまして、1945(昭和20)年までと、少し半端ではありますが、ここで簡単に探してみます。
![[Image 2625] 2625 東京朝日新聞 第 17650 号、1 面、昭和 10 年 6 月 8 日発行 東京、東京朝日新聞社 ついに昭和10年!左横書き大豊作です。機械と工具、エアストリームクライスラー、明電舎モートル、冨士タービン、マキノ式粉砕器、揚水ポンプ、羽田ベルト・・・機械関係、モーター関係、最新式な感じで左横書きが採用されているのでしょう。あたらしモノ好きにアピールする感じでしょうか・・・](https://oba-shima.mito-city.com/wp/wp-content/uploads/2019/04/02625-504x688.jpg)


やはり女性モデル(イメージキャラクター)の流れは昭和10年のこの時点で確実に見てとれます。
高価な商品で、参入のメーカーがある程度出てきた時、女性モデル(イメージキャラクター)が出現する法則!!
これは時代に関係なく、現れては消え現れては消えしていたのです!
![[Image 381] 381 東京日日新聞 第 18246 号、1 面、昭和 2 年 6 月 18 日発行 東京、東京日日新聞発行所(大阪毎日新聞社東京支店) 昭和2年!やりました。換気扇、モーター・・・色々あるなかで一つだけ左横書きが・・・うえおのほうの中程、最高級ナビゲーターボートモーターとあります。他にはヤンマーのポンプや石油発動機などもありますね。これから先大正時代には左横書きは見つかりませんでした。](https://oba-shima.mito-city.com/wp/wp-content/uploads/2019/04/00381-504x676.jpg)

昭和2年の段階では他のメーカーはまだ女性モデル(イメージキャラクター)を導入していません。エアストリームクライスラーがもしかしたら先頭です!
というわけで、時代に関わらず参入増→イメージキャラクター導入の法則が成り立つのではないか?ということを見てきました。
まだ続きますがきょうはここまでです。それではまた明日!