休みの日は見に来る人も少ないので今日は趣向を変えて・・・国立科学博物館で開催されていた、明治150年記念、日本を変えた千の技術博という特別展で見たものいろいろ・・・
明治改元から150年、そして2019年に予定される改元。
時代が転換するこの機会にあわせて日本を大きく変えていった科学・技術の成果が一堂に集まります。
日本各地の大学・研究機関や企業などから、
600を超える点数の貴重な科学・技術の遺産が上野の国立科学博物館に大集合!
科学者・技術者の発明・発見にまつわるエピソードや世相、関連する写真などを合わせ、
“日本を変えた千の技術”をたっぷりと紹介していきます。
中でも、「重要文化財」や、「化学遺産」、「機械遺産」、「情報処理技術遺産」、
「でんきの礎」、 「未来技術遺産」に認定された約50点の資料は特に注目です!
もう終っちゃいましたけどね。
の話題から、特に気になった日本の文字の横書きが左からになったのはいつから?というお話です。昨日は昭和13年一区切り説に落ち着いたのですが、さらにもっと古いものはないか探検してみます。

横書きは当初右から左から統一されていたわけではなく、何となく書き手が判断しているところがありそうです。

昨日見つけた東京大学総合研究博物館画像アーカイヴス、日本の新聞広告3000(明治24年-昭和20年)で古い左横書きを探します。

第 21253 号、0 面、昭和 11 年 4 月 8 日発行
東京、読売新聞社
早速見つけました!昭和11年です。昭和13年の壁を薮しました。ラヂオの月賦、マツダ真空管、アリア受信機、電化製品はほぼ全部左横書きです。薬もそうですが、新しい製品、最新の製品ということを表現したい場合、左横書きを採用したのではないでしょうか? ラヂオは左横書きでも、薬の清心丹は右横書きです。
ラヂオのなかでもおもしろいのは右下の川松電機商会です。社名やミゼット受信機は左横書きなのに、景品付き大売り出しは右横書きになっています。紙面のなかで右横書きと左横書きが混在している上に、会社の広告枠のなかでも右横書きと左横書きが混在しています。混沌としていますねえ・・・
![[Image 2695] 2695 読売新聞 第 21470 号、7 面、昭和 11 年 11 月 12 日発行 東京、読売新聞社 同じく昭和11年です。ここでは時計が左横書きです。 修善寺温泉一泊ご招待付 マツダ電気時計宣伝大売り出し(かな?) 電気・時計このキーワードは新しいですよね?隣のマックスウエルコーヒーが右横書きなのが気になりますが、コーヒーは当時あたりまえのものになっていたのでしょう。](https://oba-shima.mito-city.com/wp/wp-content/uploads/2019/04/02695-504x688.jpg)
2695 読売新聞
第 21470 号、7 面、昭和 11 年 11 月 12 日発行
東京、読売新聞社
同じく昭和11年です。ここでは時計が左横書きです。
修善寺温泉一泊ご招待付
マツダ電気時計宣伝大売り出し(かな?)
電気・時計・・・このキーワードは新しいですよね?隣のマックスウエルコーヒーが右横書きなのが気になりますが、コーヒーは当時あたりまえのものになっていたのでしょう。
![[Image 2625] 2625 東京朝日新聞 第 17650 号、1 面、昭和 10 年 6 月 8 日発行 東京、東京朝日新聞社 ついに昭和10年!左横書き大豊作です。機械と工具、エアストリームクライスラー、明電舎モートル、冨士タービン、マキノ式粉砕器、揚水ポンプ、羽田ベルト・・・機械関係、モーター関係、最新式な感じで左横書きが採用されているのでしょう。あたらしモノ好きにアピールする感じでしょうか・・・](https://oba-shima.mito-city.com/wp/wp-content/uploads/2019/04/02625-504x688.jpg)
2625 東京朝日新聞
第 17650 号、1 面、昭和 10 年 6 月 8 日発行
東京、東京朝日新聞社
ついに昭和10年!左横書き大豊作です。機械と工具、エアストリームクライスラー、明電舎モートル、冨士タービン、マキノ式粉砕器、揚水ポンプ、羽田ベルト・・・機械関係、モーター関係、最新式な感じで左横書きが採用されているのでしょう。あたらしモノ好きにアピールする感じでしょうか・・・
それから丸六製粉機の広告も載ってますね!

![[Image 381] 381 東京日日新聞 第 18246 号、1 面、昭和 2 年 6 月 18 日発行 東京、東京日日新聞発行所(大阪毎日新聞社東京支店) 昭和2年!やりました。換気扇、モーター・・・色々あるなかで一つだけ左横書きが・・・うえおのほうの中程、最高級ナビゲーターボートモーターとあります。他にはヤンマーのポンプや石油発動機などもありますね。これから先大正時代には左横書きは見つかりませんでした。](https://oba-shima.mito-city.com/wp/wp-content/uploads/2019/04/00381-504x676.jpg)
381 東京日日新聞
第 18246 号、1 面、昭和 2 年 6 月 18 日発行
東京、東京日日新聞発行所(大阪毎日新聞社東京支店)
昭和2年!やりました。換気扇、モーター・・・色々あるなかで一つだけ左横書きが・・・うえおのほうの中程、最高級ナビゲーターボートモーターとあります。他にはヤンマーのポンプや石油発動機などもありますね。これから先大正時代には左横書きは見つかりませんでした。
僕が見た限りでは、左横書きが出てきたのは昭和になってから。それも昭和一ケタではほとんど見られません。新聞のスペースは明治・大正の頃は縦書きを前提に作られていたようで、そもそも横書き自体があまり見られません。
縦書きと横書きが混在する場合、縦書きは右から横書きは左からでは目があちこち行ってしまいますし、右横書きを採用するのはリーズナブルではあります。
世の中の流れで横書きが使われるようになった時に、当初習慣で何となく右横書きにしてみたものの、昔の人にもなんだか読みにくかったのでしょう。だんだんに左横書きに変化していったのではないかと想像します。
当時の新聞広告はきっと今でいうテレビCM、最新の表現を試す場でしょうし、きっとお金もかかったと思います。そのなかで皆が使いたがらない横長のスペースに最新の表現をぶっ込んだのが左横書きの会社。電気だったり薬だったり、モーターの会社だったりしたのかもしれませんね!
今日はここまでです。また明日!