新三菱重工株式會社の耕うん機CT-90形ポスター

今日も「昔のカタログシリーズ」、もとい「昔のポスター」。伊藤産業機械さんのところで見た、新三菱重工株式會社の耕うん機、CT-90のポスターです。

これも昨日と同じく1952年〜1964年の間だけ存在した新三菱重工株式會社のポスターです。耕うん機は当然ですが、作業車に女性が採用されています。自動車のポスターなどは運転者ができるだけ目立たない(主張しない)ようにしているのに、きれいな服を着た上に、土が入るのじゃないか?と心配になるような靴を履いて作業をしています。これでは耕うん機と作業者、目があちこち行ってしまいます。なぜこんな売り方をしたのでしょう。
これも昨日と同じく1952年〜1964年の間だけ存在した新三菱重工株式會社のポスターです。耕うん機は当然ですが、作業者に女性が採用されています。自動車のポスターなどは運転者ができるだけ目立たない(主張しない)ようにしているのに、きれいな服を着た上に、土が入るのじゃないか?と心配になるような靴を履いて作業をしています。これでは耕うん機と作業者、目があちこち行ってしまいます。なぜこんな売り方をしたのでしょう。
当時の著名人ではないと思います。つまり匿名おねえさん。つばひろの帽子をアミダにかぶってわざわざ表情がよく見えるようにしているところから、商品を引き立たせるために目立たないようにする・・・という様子は感じられません。
当時の著名人ではないと思います。つまり匿名おねえさん。つばひろの帽子をアミダにかぶってわざわざ表情がよく見えるようにしているところから、商品を引き立たせるために目立たないようにする・・・という様子は感じられません。クルマの外見は感性に訴える部分が大きいですが、農機の外見は(特に耕うん機などは)感性に訴えるものはほぼ皆無です。その部分を大部分の購入層である男性に向けて女性作業車を採用することでで補おうとしたのかもしれません。
一方こちらはK500の作業風景。ギリギリ若いふたりの耕うん機を中心とした光景と捉えることはできるかもしれません。楽しそうではありますが、ヘビーな農作業デートであり、そのファッションもガッツリ作業着です。どう考えてもK700とK500の間には時間が横たわっています。そしてK500のカタログのほうが古い・・・そう考えるのが自然です。
作業者が本当に作業をしていると耕うん機も作業者もこのように「風景」となってしまいます。
これも同じくカタログ写真なのですが、白黒という点を割り引いてもあまりに自然すぎて「風景」となっています。農機カタログ写真の作業者に女性を採用するというのはある意味「発明」と言ってもいいかもしれません。
これも同じくカタログ写真なのですが、白黒という点を割り引いてもあまりに自然すぎて「風景」となっています。農機カタログ写真の作業者に女性を採用するというのはある意味「発明」と言ってもいいかもしれません。

耕うん機が珍しかった時は耕うん機の写真を「バーン」と全面に出しておけば良かったかもしれませんが、色々なメーカーが出てきて、どこも似たり寄ったりという状態になると女性作業者、女性モデルを採用したくなるのかもしれません。

ビールの法則

考えたらかなり身近にその例がありました。お約束のように各社女性が並んでいるビールのポスターです。しかも示し合わせたように海で水着でビールのジョッキです。ビールを一社だけが提供していればいいですけど、複数メーカーがあった場合、単体ではただの黄色い泡の出る液体で全く区別がつかないため、女性で区別しちゃおう・・・ということなのでしょう。新三菱重工株式會社時代には、耕うん機もこのような状態に突入しつつあったに違いありません。
考えたらかなり身近にその例がありました。お約束のように各社女性が並んでいるビールのポスターです。しかも示し合わせたように海で水着でビールのジョッキです。ビールを一社だけが提供していればいいですけど、複数メーカーがあった場合、単体ではただの黄色い泡の出る液体で全く区別がつかないため、女性で区別しちゃおう・・・ということなのでしょう。新三菱重工株式會社時代には、耕うん機もこのような状態に突入しつつあったに違いありません。
調べていたら興味深いページがありました。キリンのビール広告の歴史というページです。水着女性のポスターは戦前の1932年、昭和7年にはすでにあったそうです。液体の商品であるビールは、せいぜい容器やラベルで工夫するしかなく、ずいぶん前から広告では苦労していたと見えます。
調べていたら興味深いページがありました。キリンのビール広告の歴史というページです。水着女性のポスターは戦前の1932年、昭和7年にはすでにあったそうです。液体の商品であるビールは、せいぜい容器やラベルで工夫するしかなく、ずいぶん前から広告では苦労していたと見えます。
同じく液体の商品であるワインなどは、ビールで水着の1932年より10年も古い大正11年、1922年にこのようなポスターを作っていたと・・・同業他社が多くあり、商品単体では区別のつかない製品を販売する酒業という大先輩、お手本があったと言えるかもしれませんね。
同じく液体の商品であるワインなどは、ビールで水着の1932年より10年も古い大正11年、1922年にこのようなポスターを作っていたと・・・同業他社が多くあり、商品単体では区別のつかない製品を販売する酒業という大先輩、お手本があったと言えるかもしれませんね。
今はジェンダーレスですし、購買者以外にも配慮することが求められていて、これから先このような売り方をすることは難しそうです。
今はジェンダーレスですし、購買者以外にも様々な配慮をすることが求められています。これから先農機のポスターやカタログはどうなって行くか楽しみです。

今日はこんなところです。また明日!

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