今日は北海道上富良野町にあるスガノ農機の『「土の館」 土と犂の博物館』 でando、hokkaidoujinさんと見た、STHILの空冷単気筒ディーゼルをミッドシップに積んだチェリートラクターCT101 のトラクターシートに注目 して「撮りトラ」 です。
エンジンは車軸の中央に納まる完全なミッドシップです。もともと三輪タイプのトラクターから進化したためでしょう。一輪から二輪に変更した前輪部分がかさばったために、しかたなくこのようなレイアウトになったのでしょうね。前輪ユニット+燃料タンクがエンジンの前にボルトオンされています。
キャプションには目を引くところはありませんねえ チェリートラクタ
1956年(昭和31) ビクターオート㈱製 (日本) CT-101型 10馬力
1957年(昭和32) 常呂町 長谷川が導入。 9年使用したものを今橋が譲り受け長く使用した。
1953年(昭和28)弘前市の神農工社がトラクタの開発に入り、三輪タイプを商品化している。
同型は4年間に道内に136台導入された。
CHERRY TRACTOR
YEAR: 1956(Showa 31) Manufacturer: Victor Auto (Japan) Model: CT-101 Output: 10ps
This tractor was purchased by Mr.Hasegawa of Tokoro-machi in 1957(Showa 32). After using it for 9 years, it was passed on to Mr. Imahashi who used it for some time to follow.
シート部分を拡大してみましょう。背当ては付いていますが、オモチャのように頼りないシートは前支持で、後ろがバネでストロークするようになっています。
どのくらいのバネだかわかりませんが、ちょっと体重がある人なら底付きしてしまうのではないでしょうか?
拡大してみます。ちゃんとストッパーは付いているようです。ただ、座り心地はよくなかったでしょうねえ・・・
働き方改革が議論されている昨今からしたら、このシートで朝から晩まで作業しなくてはならないというのはゾッとすることで、緊急に改善しなくてはならない問題です。きっとそうやってトラクターのシートは少しずつよくなって来たのでしょう。でも、このようなトラクターが登場する以前は、動物を使って、もしくは働く人本人が長時間道具を使って土を耕していたことを考えると、ブラックとかホワイトとかは相対的なものとも言えます。今までホワイトだったものがブラックに変わるオセロゲームみたいなもの。もしかしたら技術革新はブラックをホワイトに変え、ホワイトは時が経つとブラックになり、またそれを技術でホワイトに変える・・・永遠のイタチごっこなのかもしれません。と、いうことは技術そのものがそのサイクルを生み出しているとも考えられます。そこまで考えて、なんだか少し「どよ〜ん」という気持になってしまうのでした。
今日はここまでです。また明日!
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