今日は「昔のカタログシリーズ」。1984年のものと思われる、伊藤産業機械さんにお借りした日の本E2604のカタログその2です。
表紙のパンチ、印象が強く、今朝の時点では僕もどんなトラクターだったか忘れてしまっています。


とあります
多様化する
作業体系に適応する
強力な足廻り、
パワフルな油圧揚力。
トラクターの写真より大きく場所を取っている、光の輪がボヨンボヨン跳ねているようなこの模様・・・いったい何でしょう? 油圧の上り下がりを表している?
ただ、「乗用車感覚」というのはユニークな二人乗りトラクター、日の本JF1でも謳われていた日の本のトラクターの方向性の一つだったと思われます。


インパネをを見せるのにハンドルを取り外して写真を撮っています。こういうカタログ写真は初めてです。確かにクルマのカタログだったら、座席の配置などを見せるために屋根を切ってカタログを撮影したりするわけで、それからすると乗用車感覚。

日の本E2604は農研機構のWEBサイトではE2602Aというものしか見つからず、これが1984年登録。日の本3S139型水冷4サイクル立形ディーゼル 1395cc 26馬力/2500rpmだそうです。
日の本のロータリー、上部のカバー部分がグレー、もしくは白なんですね。日の本の「ロータリーは良かった」という話を聞いたことがあります。

『日の本のエンジニアの熱い思いが、ここの凝縮。』
とあります。パッと見、シリンダーの中をピストンが上下してるのかなー・・・などと思いましたが、線画の謎の球体や横倒しの円筒などがあり、具体的な形を持ったものではない、とわかりました。
したがってこれは抽象的に「日の本のエンジニア達の熱い思い」がエンジンに凝縮されていることを表しているに違いありません。
カタログはトラクターを売る、知ってもらうためのツールです。トラクターが珍しかった頃は本体写真と馬力、性能と価格くらいを表示していれば良かったです。
でも、メーカーが増え、トラクターが選ばれる時代になると差別化の必要性からレオタード姿のお姉さんが出てきたり、形のない「熱い想い」までくつけて売らなくてはイケなくなった・・・そんな感じです。
当然競合各社も同じく形のないもので差別化を図るわけですけど、なぜか似たような作りになってしまっているのがおもしろいです。


