既に現在のカタログの流れ。三菱newマイサン「昔のカタログ」

今日は伊藤産業機械さんに提供いただいた昔のカタログシリーズ、三菱newマイサン「昔のカタログ」続きです。

大きな「売り」があった60年代。イメージを使い始めた70年代。ほぼ現在の形の80年代。

今度は構造の説明。でも、これはとても興味深い。
1960年代、ランツのカタログは単気筒と4気筒の違いを述べています。当時は最適解を求め、かなりチャレンジしていた印象。
A catalogue of ferguson 35. In 1957?1958? Tokyu which was a Japanese importer published it.
そしてこんなのも・・・ファーガソン35のカタログです。すごくおおらかな感じ。
「アッ!」「オッ!」「イー!」青いトラクター
こちらはD1500とD1800の切り抜きです。そして1970年代。ランツのカタログが他社との大きな違いを示していたのに比べ、微妙な違いでも優劣がわかる「数字」を取りあげたカタログになっているような気がします。合わせて今でもよく見るイメージ広告。ここではユニークなコピーで引きつけようとしていますね。
三菱MT1401/MT1401b、MT1601/MT1601b、1983年のカタログです。今から34年ほど前のものですが、機体が古いというだけで今のカタログと比べて大きな違いは見られません。
三菱MT1401/MT1401b、MT1601/MT1601b、1983年のカタログです。今から34年ほど前のものですが、機体が古いというだけで今のカタログと比べて大きな違いは見られません。

三菱のカタログの1980年代には技術が熟成し他社と差別化が難しくなってきたのでしょう。せいぜい3気筒と4気筒の違い、わずか1気筒の差の話になっています。

他社に差を付けるためには細かい機構の差や、イメージの違いで売っていくしかなくなっていたに違いありません。

そして、前の型との微妙な違いを「ニュー」やら「スーパー」やら「エクストラ」などという、言葉のインフレーションで表現する現在につながっているわけですね。そういった意味では80年代からカタログ表現の進化は停滞しているというか、何か「発明」みたいなものがされなかった感じです。

農研機構の登録は1980年。この前のモデル「マイサン」の生産は1978年〜1980年ですから、ちょうど引き継いだ感じになります。(このカタログは1983年のもの)
ちょっと戻りますけどこのカタログの表紙、給油口のあたりだけ黒いのはどうしてでしょう?タンクが見えているのかな?それとも野球のアンダーシャツがちょっと見えているみたいなデザイン上のアクセントなのでしょうか?
三菱トラクターMTE2000D
スーパー・マイサンMTE200Dにもこの黒い部分はありますね。

快適な居住空間、ロータリ・ツーダウン方式など安全作業への最新設計、などの言葉が並んでいます。使いやすさや、安全への関心が見えます。
快適な居住空間、ロータリ・ツーダウン方式など安全作業への最新設計、などの言葉が並んでいます。使いやすさや、安全への関心が見えます。
颯爽の居住フィーリング・・・若干意味不明のポエムっぽいのが入ってきました。マンションポエム(ググってみてください。笑えます)のずっとずっと前、こういうのは始まっていたんですね。
颯爽の居住フィーリング・・・若干意味不明のポエムっぽいのが入ってきました。マンションポエム(ググってみてください。笑えます)のずっとずっと前、こういうのは始まっていたんですね。

黒とブルーがいい感じに切り替えられています。三菱はこういった2〜3色をうまく使い分け、シャープな印象を与えるのが得意ですよね。

MT1401は三菱K3B水冷4サイクル3気筒立形ディーゼル849cc、14.5馬力/2400rpm。MT1601は三菱K3C水冷4サイクル3気筒立形ディーゼル900cc、16馬力/2400rpm。 ずいぶん小さな排気量だったのですね。こういうのクルマには使えないんでしょうか・・・軽トラとかに乗せたらおもしろそうなんですけど・・・
MT1401は三菱K3B水冷4サイクル3気筒立形ディーゼル849cc、14.5馬力/2400rpm。MT1601は三菱K3C水冷4サイクル3気筒立形ディーゼル900cc、16馬力/2400rpm。 ずいぶん小さな排気量だったのですね。こういうのクルマには使えないんでしょうか・・・軽トラとかに乗せたらおもしろそうなんですけど・・・

今のカタログは写真がキレイとか、紙が高そうとかそういうところはありますが、ポエムっぽいのは少ない感じです。ちょっと三菱GA/GAKのカタログを見てみたら、「フィールドを楽しもう!」とかキャビンを指して「自分だけの広々空間。」それから「大地が目覚める多彩なロータリをラインナップ」などなど。

ごく普通でわかりやすいです。それから比べると『「アッ!」「オッ!」「イー!」青いトラクター』なんてわけがわかんないですよね!

現在のカタログは80年代カタログの完成型なのでしょう。

今日はこれまで、また明日!

上の記事とゆるく関連しているほかの記事:

“既に現在のカタログの流れ。三菱newマイサン「昔のカタログ」” への4件の返信

  1. 木田さん こんばんは

    YM1500は見つからなかったのですが、YM1700は1977年。イセキ耕太TS2510が1976年。TX1500も1976年。それ以前は記録がなかなか見つかりません。三菱のニューマイサンは80年代に入ってからですから、ヤンマーとイセキ、この二者の勝負でしょうね。

  2. 角目ランプはどこが最初かな?クボタは80年代入ってだから間違いなく違う
    ヰセキの耕二、耕太か ヤンマーYM1500かな?
    角目ランプ初は……?

  3. 木田さん こんにちは

    業界初の内装マフラー・・・なるほど・・・
    細かいことですがこういうことを気にしてみるのもおもしろいですね!
    四角いので確かにフォルテに似ています
    ついでにどこが角目ランプをいちばん先に採用したのか調べてみるのもおもしろそう
    newマイサン、このクラスでもいいところへいくのではないでしょうか?

  4. クボタが業界初の内装マフラーのトラクタと思ってましたが このトラクタがどうやらいちばん最初の内装マフラーのトラクタのようですね。
    しかしマフラーと色を除けば ヤンマーフォルテのパクり見たいです。

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