今日はトラクター狂さんに送っていただいた、クボタトラクター、L140、L200、プラスオマケ・・・「昔のカタログ」です。いつもありがとうございます。
Kubota Tractor L140 catalog
まずはクボタL140のカタログです。1969年(昭和44年)と書いてあるような気がしますので、46年前?
この型の前のものになると思うのですが、以前L13Gというのを紹介しましたね・・・L13GもL140と同じ、フェンダーライトでした。パッと見には、目が退化してしまった深海の生物みたいに見えます。
『クボタL13G何歳なんだろ・・・「撮りトラ」』
『これもフェンダーライト・・・「撮りトラ」クボタL-13G』
引用してみましょう。
米つくり機械化一貫体系
その要にふさわしい豊かな内容のトラクタです余裕タップリのエンジン性能
●単気筒立形水冷4サイクル・ディーゼルを搭載。低速時にすばらしいネバリを見せる理想のトルク。さらに特許のダイナバランサを内蔵、振動が少なく運転が快適です。
●独特の球形燃焼室ーー燃焼効率が高く、燃料消費が少なくてすみます。
●始動はセル。燃料自動コントロール装置、グロープラグ、デコンプ手元装置などを装備、また、バッテリー容量はこのクラスで夕いつの80AHで、どんな厳寒時でも始動はいつも一発でOKです。
●特許の保護安全装置が潤滑系統の故障を未然に防ぎ、エンジンを守ります。
●特許のピストン強制冷却装置。ピストンを効率よく冷却し、ピストンリングを保護します。操作機構は合理設計
●変速レバーをはじめ各レバー類を手元にセット。各種計器盤も一目でわかるよう一カ所に集めました。
●各部の軸、計器、ブレーキ、電装貧などの主要部分は防水、防塵が完ペキ。水田、雨の中でも心置きなく作業ができます。
湿田でも力強く機敏な足回り
●後輪タイヤはハイラグタイヤ。前進力、浮力が十分。タイヤのままで代かきができます。
●L型シリーズでご好評の強湿田で威力を発揮する反転ストレークを装備すれば、車輪につけたまま、折り畳むだけで農道を走ることができます。
●スリップを防ぎ、牽引力を高めるデフロックつきです。
●ブレーキは左右独立して作動できます。片側をきかして一点旋回!回転半径は1.6メートルという機敏さ、キメ細かく動き回れます。(もちろん、連結装置付きですから、左右同時の制御もできます。)作業効率を高めたロータリ
●ロータリは直結式。耕うん幅は後輪タイヤ幅より広くあぜぎわもキッチリ、隣接耕耘もかんたんにできます。
爪変速は4段。前進速度に関係なく、砕土、荒起こし、代かき・・・と、適切な作業力がえられます。
爪軸の交換、代かき、うね立て装置の取付け、取りはずしが簡単です。延長爪軸でロータリ幅を広げることも自由です。
●爪軸の強度を今まで以上に強くしました。また残耕処理のためスイングセンター(特別装備品)を用意しています。
こういう謳い文句は珍しくも何ともないことは書かないですから、書いてあることは今までと違い、こういう問題点を解決できますよ!ということになります。
ということで、このカタログから今までのトラクターは・・・
●振動が多く運転が快適でない ●燃費が悪い ●始動が困難 ●故障が多い ● 各レバーが手元になく、操作のことをあまり考えていない ●雨天でも使えるような防水を考えていない ●田んぼ、特に湿田ではからきしダメだった
こんなところでしょうか・・・これらをすべてきれいに解決できたとは思えませんが、かなり考えて作られていたのでしょう。
それからエンジンは立形単気筒4サイクルディーゼル E700 678cc 14馬力/2800rpmとあります。
単気筒だったんですね。
Kubota Tractor L200 catalog
次は同じタイプで強力型のクボタトラクターL200のカタログです。
引用してみましょう。
20馬力の超軽量ディーゼルを搭載
●湿田でも力いっぱいの作業ができるように、超軽量、超小型の強力ディーゼルを搭載しています。
低速回転での粘り強さは抜群です。
●エンジンの始動は、もちろんセル始動。いっぱつでかかります。-15℃の厳寒時でも予熱装置がありますから始動に時間がかかるようなことはありません。
●バッテリーが上がり気味でセルモータの回転力が弱い時には、手元についているデコンプ装置のノブを引けば圧縮が抜け、始動が楽にできます。
●エンジン停止は、ストップレバーで行い、仕事の途中に降りて立ち話などをする場合にアイドリングの状態にしておくことができます。水田作業に抜群の威力を発揮
●車軸、ブレーキ、電装品などは完全密封していますから、降雨時の長時間にわたる代かきも平気です。
●最小回転半径はわずか1.9メートル。隣接耕耘が楽にでき、枕地も非常に小さくなりますので能率が上がります。
●車両幅より広いロータリは、あぜぎわまできれいに耕耘します。湿田などで広幅のストレークをつけた場合は、延長爪軸(特別装備品)を同時にセットすれば、きれいにあぜぎわまで耕耘できます。
●反転ストレークを装備すると、(L200R-XY形)車輪につけたまま、折り畳むだけで農道を走ることができます。クボタ独特のロータリ装置
●ロータリは砕土が細かく二毛作に適したL200R形(1,120ミリ)、砕土より能率を高めた一毛作地用のL200RB形(1,320ミリ)、爪回転が4段で二毛作に適したサイドドライブのL200RS形(1,320ミリ)、一毛作地で馬力消費の少ない土質向きのL200RC形(1,560ミリ)があります。
●ロータリをつけたままでトレーラをけん引できます。
●後ろ二輪は、右側と左側の車輪の間隔を、作業幅に応じて調節することができます。車輪の直径は340ミリもありますので作業が容易です。
●爪軸の強度を今まで以上に強くし、残耕処理のためスイングセンター(特別装備品)を用意しております。運転しやすさも抜群
●速度、使用時間、PTO回転速度、エンジン回転速度が一目でわかるトラクターメーターが付いています。チャージランンプ、フラッシャーランプ(点滅指示)も組み込まれています。
●エンジンの加速は、手元の加速レバーと、足元のフートアクセルでできます。特にフートアクセルは、トレーラを牽引して道路を走行するときに便利です。
●ステアリングハンドルは、径が大きく自動車なみのボールスクリュー式ですから非常に軽く、湿田でもすばらしい切れ味です。
気になったのは、「仕事の途中に降りて立ち話などをする場合にアイドリングの状態にしておくことができます。」というところ・・・
仕事の途中に立ち話をするために使う装置がカタログに載る・・・これが驚異的です。おもしろいなあ・・・確かに今でも立ち話は田んぼのあちこちで見ますけど、ここまでマストアイテムだとは・・・
それにしても、ストップレバーがアイドリングとどう繋がるかが書いていないのですが、レバーはリニアにアクセル開度に比例して、最後までもって行くと停止するようなものを言っているのでしょうか。
おまけ・・・サッポロクローラー
それこそ北海道の泥炭地などで使ったのでしょうか・・・でも、このクローラ、あちこちネットで見たことある! 日本で売っていたんですねぇ・・・しかもクボタから・・・
作業範囲がグーンと広くなりました。そういえば、「バツグン」とか「グーンと」などという文句は死語となってしまったのでしょうか、最近あまり目にしませんね。
まあ、「バツグン」とか「グーンと」などという言葉、はっきりしゃっきりしているクセにものすごく曖昧という、変わった表現ですものね。
Lシリーズもそうですが、土地改良が今ほど進んでいない昔、ぬかるみは当時相当強敵だったみたいですね。こんな下駄みたいなハイラグタイヤなど、今のトラクターにはついていないですものね。色々ドラマがあったんだろうなあ・・・
NAGIさん
L140が型式認定されたのが1969年ですから
もう53年クボタ党・・・その中でもL型支部という形ですよね!
すごいです
L140、昔我が家にありました、今では37年前に買い換えたL1-22が現役です。
懐かしいさん 続きをありがとうございます
10万円ですか・・・考えるまでもなかったですね
やはり手入れが重要なんですね
きっとそのL140はどなたかが大事にされてるでしょう
おじまさん おはようございます
直結タイプって、発動機で耕うんするベルトを介したようなトラクターではなく
「トラクター」として一つのカタマリに見えることを言うんですね!
昨日のコメント 途中で途切れてましたね(汗)
中古機械屋に行って10万ほどで売りますよって言われましたが 以前 祖父が所有してたものとは比べ物にならないくらいやれてましたし もう今は使う所も無いので 写真だけ撮らせてもらいその場をあとにしました。
祖父は几帳面で その日の作業が終わる度に手入れしてたんで 少々サビ・キズあるものの手放すまでピカピカしてました。( ^∀^)
ちなみに当方現在40です…(汗)
こんにちは。
ほぼ毎日見てるのに今更ながらという感じもしますが,
“懐かしいさん”のコメントをきっかけに記事を読み直して気づいたことをちょっとコメントします。
>14馬力ではじめてのディーゼルエンジン直結タイプとあります。直結タイプとはどういう意味でしょう・・・
トラクターって,基本モノコックボディです。
エンジン+ギアボックス+デフケースで構成されていてシャーシはありません。
そのことを直結タイプと言っていると思います。
小さい機体ではモノコックでなく,シャフトで後輪やPTOに動力を伝達しているものもあります。
その方が多いのかもしれません。
noraさんお気に入りのSTARNやASTEも確かそうだったと思います。
小さい(低い)機体でも運転席の足元がフラットにできているのはモノコックではないから。
(確かめてないですけど,だいぶ前に農機屋さんに聞いた記憶があります。)
懐かしいさん おはようございます
実際に触れた経験がおありなんですね!
L140、数は相当少なくなってるでしょうし、悩ましいですねえ
もし農家をなさっているのなら、仕事には高性能なものが欲しいでしょうし・・・
農家でないならそもそも必要なものではないでしょうし・・・
どうされるのでしょうか?
初めまして
あれこれ 画像検索してたら 懐かしいクボタL140の画像があるではないですか(´▽`)…
幼い頃 亡き祖父の膝の上に座り畑耕したり トレーラー引いて荷運んだり 運転を教わったりして 小学三年生頃には1人で乗り回して懐かしい記憶がよみがえってきました…その後も ことあるごとに10年ほど前まで 快調な単気筒サウンド奏で畑耕してました。
その後は 祖父が亡くなり いろいろありトラクターは泣く泣く手放す事に…。
また最近 近所のリサイクル屋に L140トラクター本体のみが在るのを見つけ懐かしく 即 売り物ですかと 訪ねに…すると売りますよとの返答が( ゜o゜)…
ゲレゲレさん おはようございます
反転ストレークはついていなかったんですか・・・残念!
30年前に15万とは・・・すごくよい買い物だったのではないですか?
大事に使えは機械は長持ちするんだなあ・・・と思いました
反転ストレークはついてませんでしたね(=ω=;)
なんせ30年以上前に中古で15万で買ったシノモノですし…
エンジンの方はロータリーとかも使える状態なのですが、細かいパーツの製造が終了していますし故障回避のため、極力PTOは使わないようにしています。
ゲレゲレさん おはようございます
現役ですか!すごいです!
ちゃんと仕事を見つけて居場所を確保したのですね
見てみたいです
反転ストレークも付いているのでしょうか
L200はウチの農場では現役で稼働してますよ。
ただし、整地キャリアを着けて荷物運び用としてですが…
操作性と視界は抜群、チョイ乗り&荷物運びバギーとしての使用なら値段以上の働きをします(´ω`)
木田さん shiroemodonさん おはようございます
どんな仕事をするか、どのトラクターが比較の対象として頭の中にあるのか・・・
それによってずいぶんハーフクローラーの印象が違うようですね
そういえば、見た目はほぼ同じなのに、クボタとヤンマーでも違うとクボタの人が言ってましたっけ
クローラ対決 !! クボタ vs Y社・・・「元氣農業応援フェア」
トラクター狂さん おはようございます
オマケなのに一番の注目株・・・といった感じですよね
そういわれてみれば、確かに曲がるのは苦労しそうです
どんな用途に主に使われていたか、気になります
数年前にクボタの稲敷営業所に似たようなトラクターが、中古展示場の隅に置いてあった記憶があります。
木田 様
私の感覚ですが、現行のパワクロは圃場内でしたらそこまで旋回性が悪いとは思いません。
確かに、ホイールに比べ少々大回りになりますが、ホイール同様AD倍速のみで十分隣接耕に対応出来ますし、旋回半径もホイールに追従する程小さくなったと感じています。
ただ、以前借りた1つ前のKL4350PC-2は現行機と比べると結構大きく回るので、「曲がらないな」という印象はありました。
逆に、KL4350の印象があったので、現行パワクロに初乗車した際に軽快な旋回性には驚きました。
私も 去年の秋にパワクロを借りて我が家の田圃を耕運しました。現在のトラクタではAD倍速ターンが装備されてるけど パワクロのAD倍速ターンはかなり大回りとなり隣接耕運しにくく 結局片ブレーキを強く踏まないと小回りが出来なかったですね。
パワクロ、ハーフクローラは直進性は優れてますが旋回力は 今の最新式でもあまり良くないのが課題ですね。
サッポロクローラーのカタログは以前購入したフィアットトラクターのカタログに挟まっていた物です(笑)
元祖パワクロって感じでしょうか?
これだけ大きな履帯を付けたらステアリング操作だけでは確実に曲がらないと思うのですが・・・
片ブレーキを使って曲がれたとしても、土が掘れて田んぼ深くなりそうですね(汗)
山葵さん おはようございます
そうなんですね!
車の場合、アクセルペダルから足を離すとエンストするのでは困ってしまいますから
それは難しいとしても、建設機械やトラクターなど、アクセル固定で使うことが多いものは
レバー1本だけで済んじゃうほうがシンプルですよね
フールプルーフ・・・なんだろう・・・と調べてみたら
人が間違った操作をして機械を壊したり、事故のないように
あらかじめそれらを折込んで用意しておく・・・ということなんですね
この場合は、操作関係を複雑にしないことが機械の破損や事故を防ぐということになるでしょうか
僕は電池などが正しい向き以外に入らないようになっている仕組みを「バカよけ」と呼んでいたのですが
ちゃんと言葉が存在していたんですね・・・あたりまえといえばあたりまえですけど
木田さん おはようございます
名前を付けた人、ちょっと他の人と変わったセンスをお持ちのようですよね!
>それにしても、ストップレバーがアイドリングとどう繋がるかが書いていないのですが、
>レバーはリニアにアクセル開度に比例して、最後までもって行くと停止するようなものを
>言っているのでしょうか。
ディーゼル発動機などの簡単なエンジンコントロールは、停止させるためだけの機能を省略しています。
当然アイドリング回転数も決まってはいません。無噴射からガバナー限界回転まで、好きな速さに
ひとつのノブやレバーだけで操作しています。大昔のトラクターや建設機械はどれもこんな感じでした。
近代の機械はアイドリングが重要なので、規定のアイドリング回転にセットできるように押しボルトで
スロットルのナックル位置を保持していますが、当然アイドリング以下に回転数を下げて
エンジンを停止させることが出来なくなってしまいます。そこで噴射ポンプに停止させるための機能を
取り付けて扱いやすくしています。
古いトラクターや建設機械はスロットル一本で停止から全開までコントロールしていたので、
アイドリングはオペレーターの気分と腕だけでコントロールしていました。
油断して戻しすぎるとエンストです。ゼトアやチェリートラクターがこんな感じです。
ちょっといい機械になるとスロットルレバーにクリック感を与える細工がされていてアイドリング位置を
わかり易くするものがありました。クリックを乗り越えると停止するので結構親切で安上がり?
停止させるには噴射を止めるか、吸気を窒息させるかの仕掛けが必要ですが、噴射を止めるとクランクが
いつも同じ位置で止まるのでセルモーターのリングギアが同じ場所ばかり磨り減ってしまいます。
吸気を窒息させる仕掛けではこの現象はなくなりますが、エアバルブ周りのカラクリの調子が悪いと停止に
失敗して焦ったりします。アイドリング以外の回転数からの停止が苦手なのも安全上よろしくない。
腕のいい自動車整備士さんは、クラッチ板交換のときにリングギアを点検して必要があれば
リングギアをずらしてくれたりします。私も見習わなくては。
スロットル一本で停止できるのも悪くはないんです。フールプルーフです。
構造や操作は単純明快でシンプルであるべき。
L140これは近所の人が持ってましたから知っています。
しかし最後のサッポロクローラはオモロイです(笑)
妙に旨そうな名前です。