昔のカタログシリーズ、昭和42年(1967)〜43年(1968)あたりに導入、50年近く前のインターナショナル ライス コンバイン105のカタログその2です。
高い作業性能を約束する合理的設計
●稲専用(水田)を前提として設計した機体重量、軟弱な水田地帯でも高い走行性能を発揮します。
●輪距に比べて広い刈り幅は、あぜ際まで完全に刈取ります。小さな旋回半径と合わせて、旋回時に未刈作物を踏みつけることもありません。
クレイスM80もそうでした。フォークリフトみたいに後輪で舵を切るのは小回りを利かせるためだったんだ・・・そして頭がでかいのはあぜ際まで完全に刈取るため・・・なるほどー。
そのためにフロントヘビーになって、バックで乱暴にクラッチをつなぐと「ポン」とジャックナイフするそうです。モノコックのボディに乗ってあれこれ指図するうるさい先輩をそれで振り落としたりしたそうです。
●プロパルジョンドライブ装置(無段変速)を装備、適切な作業速度で倒伏田もロスなく刈れます。
クレイスM80にも付いていました! ベルトの無段階変速装置。はさんでいるプーリーの幅を変えて変速比を無段階に変えて行くんです。幅4センチ、厚み2.5〜3センチ位の台形のベルトです。これが普通のものだと負荷が大きすぎて切れてしまうらしく、ものすごく高価! 5万円ぐらいするそうです。
●プラットホームは強力な油圧装置で楽々と操作し、昇降作動幅は地上84cm、地下8cm、あぜ越え、レベル面以下の刈取りも容易です。
●1,709リットル(9.47石)のグレンタンクを装備、ひんぱん穀物排出の必要がなく、連続して作業できます。
運転操作
●視野の広い運転席から刈取状況が一目で確認できます。
グレンタンクの籾の状態、テーリングスの点検も容易です。
むむっ・・・テーリングスって何だろう・・・あたりまえのように専門用語がでてきますけど、当時はこういうものだったのでしょうか?
●立っても座っても運転できるスプリング付き座席、合理的配置の操作系統で状況に応じた迅速な運転操作が行えます。
●安定した車体、少ない振動、軟弱地でも軽いハンドル操作は運転者の疲労を最小限に抑えます。
●脱着交換の簡単なアタッチメントで多方面に幅広く活用できます。
刈取搬送
●回転径の大きい6バットピックアップリールが倒伏した作物も完全に処理します。
●リールの高さ、前後位置の調整は勿論、回転数も28rpmから35rpmと広範囲、作物条件に合わせて調整できますのでヘッドロスを最小限に止めることができます。
●刈取り幅327cm ナイフ作動は毎分432行程の高能率、上下範囲は+84cm-8cmレベル面以下の刈取りが可能ですからあぜ越えしながらでも刈取りできます。
●角度調整のできる自動伸縮のプラットホームオーガーフィンガーで茎稈は均一に送り込まれます。
●フィーダーコンベヤードラムは浮動式にできますから、繁茂状態の不規則な圃場でも穀稈の流れがスムーズで脱穀能力を十分発揮させます。
脱穀
●シリンダーはスパイクツース式、独特な構造のコキ胴歯でコキ残しや損傷粒が非常に少なく、脱ぷ粒も極めて少量です。
脱ぷ粒・・・僕も少し賢くなってますよ。おじまさんの解説によれば「コンバインの中を通過する過程で籾殻(稃)がむけてしまって,玄米状態になってしまった粒」です
。
●シリンダースピードは標準スプロケットで326rpmから1330rpmまで広範囲に調整でき、コンケープとの間隔調整も簡単です。
●コンケープのツース(歯)はインター独特の材質と形状で脱穀漏下率は90%以上、一般コンバインの70〜80%に比して抜群の作業精度、未脱穀粒がなく損傷粒も殆どありません。
コンケープは同じく、「扱ぎ胴で払い落とした収穫物を藁等と粗選別して,次の選別工程(チャフシーブ)へ送るためのスクリーン」
選別精選
●ストローウオーカーは27,392㎠(256cm×107cm)の大容量、取外し自由なライザーロッドの調節でササリ粒が少なくワラ屑の多い水稲の選別処理も確実です。
これはクレイスM80だとこの部分なのかなあ・・・
●2枚のシープによって再選別を行いますから小石やワラが完全に分離され、美しい籾が得られます。
●チャファー、シューシープは篩目調節式、しかも傾斜調整も簡単です。
チャファー、シューシープ・・・うーん・・・スクリーンのことなんでしょうけど何が何を表しているかはわからないです。おまけに「篩目」は読めませんでした。漢字から調べたら「ふるい」でした。「ふるいの目」という意味だったんです。音は知っていても、漢字を書けなかったり読めなかったりするなあ・・・すんません。
M80だとこのあたりかなあ・・・
●クリーニングファンの風量、風向調整はレバー操作で簡単、スピード調整も8段階の広範囲で選別能力を一段とプラスします。
●再脱穀装置を装備、未脱穀穂はシリンダーに送り返されて再脱穀されますから、脱穀が完全でロスがありません。