船に乗って日高に出かける準備のため、ちょっとはしょって未消化のままお送りします。先日の「昔のコンバイン、評価テスト」で得られたデータを使った広告なのか、それともまた別に競技会を開催したのかよくわかりませんが、データに基づくセールストークが繰り広げられています。
「昔のコンバイン、評価テスト」で得られたデータです
(クリックで拡大すると思ったんですけど、さらにブラウザーで拡大しないとよく見えないので、PDFを置いておきます→コンバイン競技会 リザルト)
両方を見た印象としては、価格や1回だけのテストということを考えると「そこまで差はないんじゃないか?」といった印象です。特に名指しになることの多いファーガソンMF510は2台のうち1台しか完走していませんし・・・
ぜったい 【絶体】危険や困難からどうしても逃れることができないこと。
う〜ん・・・間違っている気がする・・・
ワープロやパソコンがなかった時代、こういう書類ってどうやって作っていたんだろう・・・
愛読者さん おはようございます
『何でこんな不思議なコンバインを使っているんだ?』と外国の人に聞かれることがありますが、この、八郎潟ショックがあって、知恵と工夫のジャパンオリジナル、自脱型コンバインへの道のりが始まったということであれば、多額の税金もムダにはなっていないということですね!
おじまさん おはようございます
だっぷそんしょうりゅう たちげかく
こーんけーぶ これだけでなく、気になる言葉はたくさんありました。
全部まとめて関連付けて説明していただいたので、流れるように理解できました!ありがとうございます!
**こりずに勝手に用語解説の追記**
扱胴:こぎどう … 穀粒を払い落とすためのギザギザの付いた円筒形のパーツです。
ただし,普通型は別の形状のものを採用していることが多いようです。
コーンケーブ:扱ぎ胴で払い落とした収穫物を藁等と粗選別して,次の選別工程(チャフシーブ)へ送るためのスクリーン。
高水分で収穫作業をすると,扱胴とコーンケーブの間に稲が詰まってしまいます。
時々稲刈り途中で農家の人がコンバインを止めて機械の上部を開けて中に手を突っ込んでいるのはここの詰まりを取るためです。
圃場で十分に乾燥させてから刈り取る麦や豆と異なり、稲はワラに水分が多く残っている状態(割と活きた状態)で刈り取るため、扱ぎ胴内部で穂軸と籾が分離しにくいんだそうです。
ここでいう「昔のコンバイン(今で言う普通型コンバイン)」達は、麦や豆の収穫機を改良したものであり、刈り取った茎葉全部をグリグリやってからワラと籾を分離選別する方式で脱穀していますから、稲は胴内での滞留時間(グリグリされている時間)が長くなって脱稃損傷粒が多かったんでしょうね。
現代の稲作農家が多く使っている「自脱型コンバイン(自動脱穀機と刈取機の複合機)」は、前部と後部で扱ぎ胴の回転数を変えてみたり、選別部をテフロン加工してみたり・・・と、収穫ロスと脱稃損傷を共に減らす工夫が満ちあふれています。
こんにちは。
たった一回の試験走行競技の結果をこんなに活用しちゃってるってすごいですね。
今,こんな大胆な営業活動をしたら大問題になるでしょうね。
今話題のiPhone6のキャリアの争いも結構露骨ですが,ここまでではないかな。
>> 「脱稃損傷粒」どういう意味なのか何と読むのかもわかりません。
読み:だっぷそんしょうりゅう
意味:コンバインの中を通過する過程で籾殻(稃)がむけてしまって,玄米状態になってしまった粒と
機械的な衝撃で砕けてしまっている粒
(玄米状態になってしまった粒は,その後の乾燥過程でひび割れが入ったりして整粒(ここでは精粒)には
ならない可能性が高いと考えられます)
です。
収穫作業時の籾水分が高いと,脱穀能力も選別能力も悪くなり,詰まったり損失が大きくなるので,籾水分25%以下が収穫作業の目安になっています。
八郎潟コンペは,水分30%前後の条件ですから,超湿田に加えてやや水分の高い悪条件の下で開催されたようです。
ちなみに,当時は,手刈りやバインダー収穫が大半だった(かな?)ので,自脱型コンバインのロスでさえ“とんでもなく多い!!”というのが農家の感覚評価でした。
ましてや,普通型のロスは,“もう話のほか!!”というレベルだったというのが幼少の頃の記憶です。
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ついでに記憶を頼りに幾つかピックアップで用語解説・・・
稈長:かんちょう … 地際から穂首までの長さ
穂長:ほちょう … 穂首から穂の先端までの長さ
立毛角:たちげかく … 稲株の傾斜角度
頭部損失 … コンバインの中に取り込むことができずに機械前部からこぼしてしまった籾の割合(ヘッドロス)
脱穀選別損失 … 機械の中に取り込んだものの収穫物して選別できず,藁と一緒にお尻から排出してしまった籾の割合
枝梗附着粒:しこうふちゃくりゅう … 穂軸と籾を繋いでいる部分(枝梗)がきれいに取れず,尻尾が生えたような感じになっている籾
穂切粒:ほぎれりゅう … 一粒一粒にならずに穂が途中から切れちゃった何粒か団体になっている粒
砕粒:さいりゅう又はくだけりゅう … 文字どおり,機械でガラガラしているうちに砕けちゃった粒
脱稃粒 … (前出参照) なお,脱稃損傷粒は,砕粒と脱稃粒の合計
粃屑:しいなくず … ちゃんと登熟していない屑籾
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>> 全国各地からのリポートによりますと(標準状態で)M122 1.8〜2.0ha/1日 M135 3.0〜3.5ha/1日 となっています・・・と書いてあります。
クボタの一番大きい6条刈りダイナマックス・レボER6120のカタログデータでは,刈り幅2mで1ha/hr(計算値)の能力があるようです。
コンバインは前述のとおり朝露などの湿気には弱いので,一日の稼働時間は短いですし,田んぼの大小等もありますが,実能力で2haはいけるでしょう。
当時,国をあげて夢に描いた農業を実現する期待のコンバインも,今にして思えば・・・