今日はトラクター狂さんに送ってもらった「昔のトラクターカタログ」シリーズ、日の本MBは「Miniature Better」の略だった!・・・の“ラクトラ”MB1100です。それにしてもよく持っていますね・・・「蛇の道は蛇」といいますが、昔のカタログのほうでトラクター狂さんのほうへ寄って行くのでしょうね。
1970年代のカタログだと思うのですが、「女性からお年寄り」と今と同じような切り口で操作の簡単さを訴えています。日の本MB-1100が当時、「女性からお年寄り」に親切なトラクターだとすれば、現在のトラクターはより親切になっているはずです。
しかし、未だに「女性からお年寄り」に訴えるということは、人間が親切な機械によって退化しているということなのでしょうか?
文化とは
結局「ラク」ということは単純に比較の問題で、以前に比べて「ラク」であり、同じようにカタログにある、《歩かない・汚れない・疲れない》健康で文化的な生活も絶対的な基準があるわけでなく、以前に比べてということなんですよね。
文化って、なんとなく「でん」と社会の中心に石のように座っているものかと思っていましたが、まわりの様子に左右されるものだったのか!
社会組織(年齢別グループ、地域社会、血縁組織などを含む)ごとに固有の文化があるとされ、組織の成員になるということは、その文化を身につける(身体化)ということでもある。
ある社会組織に共有されている価値観
とありました。ああ・・・意外と文化って身近で、ふわふわしていて、しかもうつろいやすいものなのね・・・当時の農家が《歩く・汚れる・疲れる》として、そういうものを「イヤだなあ・・・」と思う人が多く、もし、《歩く・汚れる・疲れる》ということがあれば、《歩きたくない・汚れたくない・疲れたくない》と思うのが文化ということだったんだ!
Cultureってもともと耕すっていう意味から来てるわけだから、もしかしたら《歩きたくない・汚れたくない・疲れたくない》そのまんまの話かもしれません。
文化とは、《歩きたくない・汚れたくない・疲れたくない》と思い、道具を作り出し、それを羨ましいと思い、自分も使い、世の中の人多くが使っていると自分が遅れているような気になって不安になる・・・そんな人間の心持ちが作り出した世の中の雰囲気で、生きるのに直結していた農業が文化の源だっていうの、今再確認しました。
「〜トラ」は流行ったのか?
自分も「撮りトラ」とか言っちゃってますが、「ラクトラ」は「ブルトラ」を意識しているのではないでしょうか?
このカタログには日付がないので正確にはわかりませんが、ヒントはあります。それは2ページ目の「日の本トラクター提供番組、五木ひろし・八代亜紀・中条きよしを生んだ!!全日本歌謡選手権」です。
ウィキペディアで調べてみると、この名前で放映されていたのは1973年1月から1976年12月25日までです。ブルトラが生まれたのは・・・
「国立科学博物館-産業技術の歴史」というサイトによれば1971年・・・わずかにこちらのほうが先かなあ。
日本の農業に最適なこの小さなサイズに多彩なアタッチメントが存在し、「〜トラ」というネーミングにも共通点があります。これも文化ですね!
代掻きや耕うんに加えて、フロントロータリーモア、三連リールもあ、肥料・石灰撒布・・・こういうアタッチメントを買うのは大変だったでしょうけど、何だかいろんなことができそうな夢があります。
カタログ表紙に、創業110余年、一貫して農村文化向上に貢献する日の本! とありますが、これも気になります。できた当時どんな様子だったのかな・・・
昔のカタログ、おもしろいです。今回も楽しめました。