三菱R4桁GシリーズのGはグレートパワーだった「朝1分の農機考古学」

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今朝の「朝1分の農機考古学」『スキマを埋めて日本農機の流れを把握!「運輸省型式認定番号」』シリーズは、Shioikaさんからいただいた(いつもありがとうございます!)1972年型式認定の三菱R1800Gカタログです。三菱R4桁GシリーズのGは、Hi Powerの黄色いバッジがついているのにも関わらずGreat Powerの「G」だということが判明しました。

【ネットで1枚だけ見つかった三菱R1800Gの写真】

もともとR1800があったわけではなく、Gシリーズが始まって突然1800のGが誕生したみたいです。

【R1800HでもいいだろうにG】

R1800Gのカタログ表紙です。左上の一番目立つところに「G」GREAT POWERとありますね!これまでのR4桁にテコ入れした場合、何か変化をつかなくてはならない・・・そこで選ばれたのがGってわけです。アルファベットだったら最初の方の ABCDEF、もしくは最後でZくらいが(Zってあるかな?こっちは少ないかも)選ばれやすいです。
R1800Gのカタログ表紙です。左上の一番目立つところに「G」GREAT POWERとありますね!これまでのR4桁にテコ入れした場合、何か変化をつかなくてはならない・・・そこで選ばれたのがGってわけです。アルファベットだったら最初の方の ABCDEF、もしくは最後でZくらいが(Zってあるかな?こっちは少ないかも)選ばれやすいです。

それにしてもR4桁Gのカタログは初めて見ました。実物にしてもデータにしてもとても珍しいのではないでしょうか?

三菱トラクターR2500Gです。tractordata.comによれば、青いDトラの前の赤い三菱・・・1970年〜1975年製造。車体のプレートによると、1192cc2気筒ディーゼル25馬力/2700rpmです。
こちらは以前見たR2500Gです。G型の特徴、Hi Power 25 PSのバッジが見えますね。別にハイパワーとこっちで謳っているのだからR2500Hだってよかったのに、GREAT POWER までつけて、「どれだけすごいんだ?」って感じです。同じことを様々言い換えて忙しいことです。
裏表紙は2気筒の2DQが大きく取り上げられています。GREAT POWERで、R2000のエンジンと同じものだから当然です。
裏表紙は2気筒の2DQが大きく取り上げられています。GREAT POWERで、R2000のエンジンと同じものだから当然です。

【R2000も2DQ】

三菱農用トラクター|20馬力|R2000カタログです。引っ掛ったところというのは昭和50年(1975年)のカタログだとだというところです。ネット上にいろいろな情報があるわけですけど、年代的に合っている部分と合っていない部分があり、「どちらなんだろう」と、調べているうちに時間切れです。仮定としては「もしかしたらR2000には2つバージョンがあったのではないか?」ということで進めてみます。 それと、表紙の3つ離れたおもり、このころからあったのですね!
三菱農用トラクター|20馬力|R2000カタログです。
安定した出力を誇る高性能エンジンです タフで経済的です エンジンの三菱ならではの合理化構造ですから、強度・耐久性は抜群。振動が少なく、全負荷状態での連続運転でもビクともしません。また、燃焼効率の高い子燃焼室式を採用していますから、常に高出力を保つとともに、燃料消費も少なく経済的です。 粘り強さが違います 最大トルク5.9kgmの粘り強いエンジンですから、急激に大きな抵抗が加わってもエンストを起さず、スキ耕をはじめ、どんな重作業でもラクに乗り越える根羽リヅトさを発揮します。また、ガバナには機械式ガバナを採用、どんな状態でも安定した回転を保ち、運転もスムーズです。 合理的な車速で20馬力をフルに活用します 合理的なトランスミッションですから、耕うんから運搬作業まで、最適のスピードが得られるばかりでなく、20馬力のパワーをフルに発揮することができます。 また、水温計・タコメーターを装備しており、エンジンを常にベストコンディションに保てるうえ、強力なセルスタータで厳寒時でも始動は一発、スタートから運転も快調です。
R2000でも使われている2DQ。ここでも大きくバリバリ売り込んでいます。以下そこに書かれた説明文。

安定した出力を誇る高性能エンジンです タフで経済的です エンジンの三菱ならではの合理化構造ですから、強度・耐久性は抜群。振動が少なく、全負荷状態での連続運転でもビクともしません。また、燃焼効率の高い子燃焼室式を採用していますから、常に高出力を保つとともに、燃料消費も少なく経済的です。 粘り強さが違います 最大トルク5.9kgmの粘り強いエンジンですから、急激に大きな抵抗が加わってもエンストを起さず、スキ耕をはじめ、どんな重作業でもラクに乗り越える根羽リヅトさを発揮します。また、ガバナには機械式ガバナを採用、どんな状態でも安定した回転を保ち、運転もスムーズです。 合理的な車速で20馬力をフルに活用します 合理的なトランスミッションですから、耕うんから運搬作業まで、最適のスピードが得られるばかりでなく、20馬力のパワーをフルに発揮することができます。 また、水温計・タコメーターを装備しており、エンジンを常にベストコンディションに保てるうえ、強力なセルスタータで厳寒時でも始動は一発、スタートから運転も快調です。

【R1800Gカタログは排気量が型式認定よりわずかに多い】

R1800Gのスペック表です。運輸省型式認定では排気量が992ccとされていた2DQ型エンジン。こちらの表では993ccとなっています。1ccサバを読んだのか、それともパソコンのなかった当時の原稿は手書きでしょうから、人為的ミスか・・・まあ、どうだっていいことですけどね。
R1800Gのスペック表です。運輸省型式認定では排気量が992ccとされていた2DQ型エンジン。こちらの表では993ccとなっています。1ccサバを読んだのか、それともパソコンのなかった当時の原稿は手書きでしょうから、人為的ミスか・・・まあ、どうだっていいことですけどね。
型式認定は72年4月ですけど、カタログ自体は1971年1月のものみたいです。

【72年にしては珍しいかもなビジュアル重視の中身】

今から50年以上前のカタログにしては珍しく、ビジュアル重視で中身少なめです。ただ、コピーは「一発始動」だの「故障がない」、「完璧」などと前以て言い訳をしない男らしい言葉が並ぶと同時に、言うことがなくなり、隙間を埋めるためか「頑丈さは抜群」などと評価のしようがない言葉も含まれていて、とっても人間らしいです。
今から50年以上前のカタログにしては珍しく、ビジュアル重視で中身少なめです。ただ、コピーは「一発始動」だの「故障がない」、「完璧」などと前以て言い訳をしない男らしい言葉が並ぶと同時に、言うことがなくなり、隙間を埋めるためか「頑丈さは抜群」などと評価のしようがない言葉も含まれていて、クスッと笑えると言うかとっても人間らしいです。

カタログって、もらった瞬間はただの情報のハードコピーですけど、時間が経つとその時代の人の雰囲気を少し感じられるようなものに変化するように思います。

どれくらい経つとそう変化するのか・・・ちょっとそこらへんも気にして今度は見ていきたいですね!今日はここまでです。それではまた明日!

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