異形の田植機、ヤンマーYP8000の大したアーティキュレートっぷり。「田植機考古学」

今日は年に一遍しか使わない、トラクターほど愛されず、保存するより鉄屑に・・・と、かわいそうな田植機に光をあてる「田植機考古学」

田植えの機械化を各社が競っていた頃に生まれた異形の田植機、ヤンマー田植機YP8000型のアーティキュレートっぷりです。

ほぼ一枚の写真だけの話題ですが、これが見たかった・・・

いつもは順を追っていくのですが、今日は見たかった写真という結論から。
いつもは順を追っていくのですが、今日は見たかった写真という結論から。

胴体屈曲と前植方式・・・今となっては全く異形の田植機、YP8000(8条植)のアーティキュレートっぷりがよくわかる写真です。

ヤンマーの社史『豊穣無限-ヤンマー農機20年のあゆみ』で見つけました。

アーティキュレート方式というのは、建設機械のホイールローダなどでおなじみの胴体屈曲方式の操舵ですが、アーティキュレートというのをWikipediaで調べてみると・・・

アーティキュレーション(articulation)は、英語では「はっきりと区切る」という基本義があり、関節、接合部などの意味もある。

Wikipediaより

関節屈曲方式とでもいいましょうか・・・

前で植え付けるタイプは、植え付け精度が悪かった当初の田植機では失敗にすぐ気がつくので便利だったそうです。

27.5MBもあるPDFのヤンマー100年史、245ページには

1977 年6月には業界初の乗用田植機として6条植のYP6000 を発売。植付状態を確認しながら作業ができるよう運転席の前方に植付機を設けた前植式を採用し、植付けた苗を後輪が踏みつけないよう胴体屈折機構を搭載していた。

とあり、40年も前のものだとわかりました。

以前これの6条植えをみたことがあるのです

1977 年6月には業界初の乗用田植機として6条植のYP6000 を発売。植付状態を確認しながら作業ができるよう運転席の前方に植付機を設けた前植式を採用し、植付けた苗を後輪が踏みつけないよう胴体屈折機構を搭載していた。
ヤンマー田植機YP6000です。座席の後ろで折れるようですけど、とてもその屈曲っぷりを想像することができないと思いませんか?「こんなのでちゃんと曲がるのか」少し疑問を持っていたのです。
1977 年6月には業界初の乗用田植機として6条植のYP6000 を発売。植付状態を確認しながら作業ができるよう運転席の前方に植付機を設けた前植式を採用し、植付けた苗を後輪が踏みつけないよう胴体屈折機構を搭載していた。
植付け部分が失われているので、どちらが前かわかりにくいですがこちらが前です。前輪が大きく、後輪が少し小さい。そして前輪より後輪のトレッドが狭いです。これは植えた苗を踏みつけないようにという配慮だそうです。
ヤンマー田植機YP6000です。植え付け部は失われています。イスの向きからして写真手前に向かって走行するものと思われます。
現在の田植機しか知らない僕がすぐには田植機だとわからなかった田植機・・・乗用田植機の夜明けで、まだその形が固まっていない頃の田植機です。
発見当時の記事はこちらです。

直進のようすはわかっていました

一番始めにフックしたのはこの写真。8条植え、しかも前で植えるタイプ・・・こんなのあったんだ!
1978年4月号の新農林社という会社が発行している「機械化農業」という月刊誌の表紙です。この表紙に写っているのがヤンマーのYP8000という8条植えの乗用田植機。農研機構の登録も1978年となっています。

これ、予備苗が少しハの字になっていますよね?

いつもは順を追っていくのですが、今日は見たかった写真という結論から。
その理由はこのようにお尻を振るからだったんですね!なんともコンパクト。

時間がなくなってきてしまいました。もうアーティキュレートの例をあげておしまいにします。

アーティキュレートの例

例によってステキなキャプションを読んでみましょう。
アーティキュレートが売りになっているホルダートラクター。ぶどう畑で今も使われています。
これもネットで見つけた写真。最近のものでしょうか・・・アーティキュレート式ですね!アーティキュレートはぶどう畑で需要があるというのを読んだことがあります。フランスといえばワインですから、納得ですよね!
ネットで見つけた写真。ストウブのアーティキュレート式
何だかカッコイイ!欲しい!
何だかカッコイイ!欲しい!
コマツアーティキュレートダンプトラックHM400-5 SAA6D140E-7 15.24L 6気筒コモンレール式直噴ターボディーゼルエンジン 466馬力/2000rpm 40トン積み。
コマツ アーティキュレートダンプトラックHM300-5/HM400-5

わー!もう時間。それでは皆さんごきげんよう。また明日!

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