もってこいで好都合で至便です。シバウラトラクターS-30A「昔のカタログ」

今日はトラクター狂さんに送ってもらった「昔のカタログシリーズ」シリーズ、シバウラトラクターS-30Aです。いつもありがとうございます!

 

裏のナンバーから、1968年のものではないかと僕的には推察しています。ただ、当時の印刷物にしてはかなり鮮明で、フォントなどもマトモです。もしかしたらもう少し新しいものか、もしくは当時の最新技術を使って相当力を入れたものだったのか、なかなか判断がつきません。
裏のナンバーから、1968年のものではないかと僕的には推察しています。ただ、当時の印刷物にしてはかなり鮮明で、フォントなどもマトモです。もしかしたらもう少し新しいものか、もしくは当時の最新技術を使って相当力を入れたものだったのかも・・・などと、なかなか判断がつきません。

 

機種名:シバウラトラクタ 形式・仕様:S-17型 17馬力 製造社・国:石川島芝浦機械株式会社 日本 導入年度:1960(昭和35)年 使用経過:国産トラクタは各社で発売を開始する。プラウやロータリ作業の普及が始まる。玉置は中古で入手するが、以前の経過は不明。
スガノ農機「土の館」で見た、シバウラトラクター、シバウラの17馬力だからS-17・・・シンプルなネーミングのシバウラS-17です。こちらはキャプションによれば、導入年度:1960(昭和35)年。カメラのせいもあるかもしれませんが、四角い顔がかなり大きなトラクター。

 

それから旧IHIシバウラ(現在はIHIアグリテック)の沿革にではS-17は1959年。多分S-30AはS-17とS700(1972年)の間でしょうから、カタログの浦野朴の推察、1968年生まれというのは一応レンジに入っています。
それから旧IHIシバウラ(現在はIHIアグリテック)の沿革にではS-17は1959年。多分S-30AはS-17とS700(1972年)の間でしょうから、カタログの浦野朴の推察、1968年生まれというのは一応レンジに入っています。あ!それから、IHIアグリテックに会社名が変わり、会社の沿革はごくあっさりしたものに変わっています。今でも見られますが、そのうち消されてしまうでしょうから見るのはお早めに!

 

シバウラトラクター S1000カタログ shibaura tractor S1000 catalog
S-700ではないですが、S-1000のカタログもトラクター狂さんに送ってもらいましたね!これは1974年のもののようでした。

 

というわけで今回はS-30Aは1968年生まれ(確実ではないですが)ということで話を進めます。

 

S-30Aは以前も何回か見ましたよね!

 

『年式不明。シバウラS-30A「撮りトラ」』

『これが気になる!!シバウラS-30A「撮りトラ」』

『小ネタ2点』

いや〜スッキリした!

 

hokkaidoujinさんの案内で見た私設博物館にあったS-30Aはシンプルな駅表示みたいなタイプ。
hokkaidoujinさんの案内で見た私設博物館にあったS-30A。

 

スッキリとして上品なフォルムのトラクターです。シートクッションが気になりますね。どうも肥料の袋かなんかに見えます。肥料の袋に綿状のものを入れてクッションにしているのでしょうか?
『これが気になる!!シバウラS-30A「撮りトラ」』で見たシバウラS-30A

 

裏面です。エンジン形式DL-201P水冷ディーゼル(ここには書いてありませんが、多分4気筒)最大出力30.5PS 常用出力26PS 常用回転速度2000rpm 総排気量1991cc セルスターター 燃料消費量195g/PS-h 燃料タンク容量27L
裏面です。エンジン形式DL-201P水冷ディーゼル(ここには書いてありませんが、多分4気筒)最大出力30.5PS 常用出力26PS 常用回転速度2000rpm 総排気量1991cc セルスターター 燃料消費量195g/PS-h 燃料タンク容量27L

 

特長も書いてあります。引用してみますね。

 

  1. 強力で始動性、耐久性抜群の水冷ディーゼルが搭載されています。
  2. 前進8段、後進2段のミッションはあらゆる作業に適応できます。
  3. エンジン直結の油圧ポンプはクラッチと無関係に作動するので至便です。
  4. 操作弁レバーは自動戻り装置により自由な位置で中立にできます。
  5. 機械式ポジションコントロールは耕耘、整地代掻に威力を出します。
  6. 軽量にもかかわらずプラウ作業では当社独特のプルコントロール装置により40PS級の牽引力を発揮します。
  7. ボールネジステアリングにより、ハンドル操作は軽快でフロントローダーの作業でも重さを感じません。
  8. 完全密閉のブレーキは更に強力になり心地旋回を容易にしてます。
  9. フートアクセルが標準装備になりトレーラー作業にもってこいです。
  10. 作業灯が標準装備になり夜間作業に好都合です。
  11. 車輪幅は前後輪とも大幅に調節できるので管理作業に最適です。
  12. 軽量なSRT-6ロータリー及SRT-6Kロータリーは軽量強馬力のトラクターとマッチして40-50PS級の仕事をします。

 

とあります。今ではなかなか見ない言い回しが含まれていて楽しいです。例えば3.の『エンジン直結の油圧ポンプはクラッチと無関係に作動するので至便です。』至便って一応変換で出てきましたが、僕は使ったことがありませんし、見たことがありません。

 

また、9の『もってこい』や10の『好都合』など、今のカタログで見ないような言葉が使われていて興味深いです。「好都合」・・・使わないですねえ・・・

 

今の言葉への変換や別の言い回しなど、いろいろと浮かんできちゃいますが、今日は時間がなくなってしまいました。また明日!

 

いろいろ情報をいただいたので追記します

 

 

Facebookでいろいろ写真とコメントをいただきました。

コメントには・・・小回りは効く方だと思います。フロントはわざとこのタイヤにしてます。滑りにくいんですよ。エンジン特性として無理させると水温がすぐに跳ね上がります。40馬力までの仕事はフロント短く重量バランスの関係だったり、エンジンの熱だれだったりちょっと厳しいと思います・・・とのことでした。
S-30Aです。コメントは・・・小回りは効く方だと思います。フロントは滑りにくいため、わざとこのタイヤにしてます。エンジン特性として無理させると水温がすぐに跳ね上がります。40馬力までの仕事はフロント短く重量バランスの関係だったり、エンジンの熱だれだったりちょっと厳しいと思います・・・とのことでした。

 

S-30Aには前期型と後期型があるそうで、こちらは後期型だそうです。後期形のエンジンはカタログのDL-201P(いすゞ製4気筒)と違い、いすゞ製のC201というもの。後期型のC201でも油圧ポンプはエンジン回転に対して直結になっています。

 

C201エンジンということがわかります。
後期型S-30Aエンジン。C201エンジンということがわかります。

 

いすゞ製
後期型S-30Aエンジン。いすゞ製

 

後期型S-30Aエンジン。C201の刻印が見えます。
後期型S-30Aエンジン。C201の刻印が見えます。

 

後期型S-30Aエンジン。油圧ポンプの回転取り出し部分。プーリーのセンターから直接!ベルト交換が大変だそうです。
後期型S-30Aエンジン。油圧ポンプの回転取り出し部分。プーリーのセンターから直接!ベルト交換が大変だそうです。

 

後期型S-30Aエンジン。回転取り出した先はどうなっているんだろうと思ったら、ちゃんと写真も送ってくれました。
後期型S-30Aエンジン。回転取り出した先はどうなっているんだろうと思ったら、ちゃんと写真も送ってくれました。取り出した回転はラジエターの下を通ってフロントにあるポンプを回すということなのでしょう。このトラクターは油圧とミッションは別タンクだそうです。

 

S-30A後期型のいすゞC201エンジン。4気筒ですね!
S-30A後期型のいすゞC201エンジン。4気筒ですね!

 

S-30A後期型のいすゞC201エンジン。タンクがヘッドカバーの上にあります。
S-30A後期型のいすゞC201エンジン。タンクがヘッドカバーの上にあります。

 

S-30A後期型のいすゞC201エンジン。タンクキャップがピカピカです!
S-30A後期型のいすゞC201エンジン。タンクキャップがピカピカです!

 

S-30A後期型。
S-30A後期型。カタログの説明4番、操作弁レバーは自動戻り装置により自由な位置で中立にできます。という部分ですね。ロアリンクが上がるとレバー戻す仕組みになっているそうです。

 

DL 201Pのカタログ画像もいただきました。

 

 

S30-A前期型も(勝手に前期型と思い込んでいますが)いすゞ製だったんですね。4気筒で間違いなさそうです。
S30-A前期型も(もう勝手にS30-A前期型がいすゞ製DL 201P、後期型S30-Aがいすゞ製C201と思い込んでいますが)いすゞ製だったんですね。4気筒で間違いなさそうです。

 

サンヨーのドッキングローダS-30A用。きっと貴重品ですね!カタログ説明書き7番には「ボールネジステアリングにより、ハンドル操作は軽快でフロントローダーの作業でも重さを感じません。」とありますが、やっぱり重いそうです。

 

S-30A専用ロータリーの写真もいただきました

 

記事にもありましたけど、S-30専用ロータリー(SRT-6)は、結構使いやすい造りになっています。今のロータリーではまず無い、Hi-Low変速ミッションがロータリーそのものに付いている(写真)ので、フォードのような変速無しエンジン直結型PTOのトラクターにも相性が良いです。ちなみに、S-30の場合、トラクターの副変速Hi-Lowでも、若干PTOの速度が変わるようになっているので、実質4段変速仕様になります。 ロータリー作業幅も180あるんで、我が家ではフォードに装着してウエイト兼主力として使ってます。
記事にもありましたけど、S-30専用ロータリー(SRT-6)は、結構使いやすい造りになっています。今のロータリーではまず無い、Hi-Low変速ミッションがロータリーそのものに付いている(写真)ので、フォードのような変速無しエンジン直結型PTOのトラクターにも相性が良いです。ちなみに、S-30の場合、トラクターの副変速Hi-Lowでも、若干PTOの速度が変わるようになっているので、実質4段変速仕様になります。
ロータリー作業幅も180あるんで、我が家ではフォードに装着してウエイト兼主力として使ってます。

 

カタログ説明12番の「軽量なSRT-6ロータリー及SRT-6Kロータリーは軽量強馬力のトラクターとマッチして40-50PS級の仕事をします。」の部分ですね。メカメカしくてかっこいいロータリーです。

 

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