今日は、北海道上富良野町にあるスガノ農機の『「土の館」 土と犂の博物館』で見た、インターナショナルトラクター?、Farmall Cub ファーモール・カブ「撮り虎」です。
エンジンは真ん中にないし、対称ズキの日本人にはちょっと気持悪い形です。ただ、これは「耕耘」するためのバランス、オフセットエンジンとステアリングなのだそうです。
1964年まではFarmall Cub、それから1979年!に生産終了まではInternational Cubという名前だったのだそうです。形としてはこんなに古いのに、1979年まで作られていたとは驚きです。
機種名:ファーモールカブトラクタ
形式・仕様:CUB 9.75馬力
製造社・国:インターナショナル社 アメリカ
導入年度:1954(昭和29)年使用経過:常呂町、伊藤二朗が購入。1956(昭和31)年に竹本が譲り受けて25年間はモーア作業などに使用していた。現在では使用していないが、家族全員の家宝で始業点検などを続けていた。1950(昭和25)年北海道に導入したホイルトラクタ第一号機と同型のもの。
ここにあるトラクターは、各所に点在しているこのような生い立ちの家宝を、保管展示するスペースになっているのでしょうか・・・
調べてみると、ガソリンエンジンのようです。International Harvester C604気筒水冷1.0リッターエンジン、馬力は大体9.87馬力という感じです。
古いトラクターランプはガラスっ!っていう感じがして、味わい深いです。
Guide Motor Lamp Manufacturing Co.
EVER WINGといえば、イセキTC-10や三菱D2650FD、コマツインター484などで、主に作業灯などで使われているランプの銘で、市光工業株式会社の製品ではないか? と、結論付けたもののはずでした。
う〜〜〜ん・・・とりあえず、三菱にOEMをしていた・・・という見解にしておきましょうか、今回は。三菱と関係が深かったのかな?
山葵さん おはようございます
便利な時代です、便利ですけど、やはり知識というものは経験と結びついてこそのものだよなあ・・・とも思います
簡単に手に入れたものは簡単になくすでしょうし、なくしたことにも気がつかないかもしれません
経験と結びついていない浅く断片的な知識では、タバスコの瓶にファーモールを見つけることはできないでしょう
それだけ豊かだということですよね!?
レイモンドローウィさん、もちろん霧のかかった頭の僕は知りませんでしたが
彼の生み出したものはもちろん見たことがあります
ステキな情報をありがとうございます!
たとえ断片的でも、そのうち忘れてしまったとしても、こういう話を聞くのは楽しいです
noraさんの研究熱心さにいつも感心します!便利な時代ですね、ファストヒッチのマニュアルも
いつの日にか見つかるだろうと忘れかけていましたが、こうして目の当たりにすると不思議な感動が。
カブって、ファストヒッチの鞘が1本なのですね!新しい発見です。でもバランス悪そう・・・
瓶のようなファーモールシリーズの美しいデザインはレイモンドローウィ氏が手がけたそうです。
アメリカの乗り物に詳しい矢吹アキノリ氏の雑誌記事で知りました。
しかし、美しい。燃料タンクの絞りから中間サイドのボリウム、そしてフロントの優しい球面。
それぞれの曲面の半径と全体の長さやバランスが絶妙です。
最高傑作はファーモールスーパー系と、個人的には思います。
タンクからエンジンにかけての緩やかな登りと、ラジエターグリルのさり気ない逞しさ
メーカーフォントやシンボルとモデルマークのチョイスもサイズもおしゃれです。
製造メーカーは加工しやすく、パワーや優しさを表現しつつ、心臓部を保護してラジエターの能力を引き出す。
いかにも、「デザインしましたよ~!」的な主張が一切感じられないナチュラルさがいい!
デザイナーのレイモンドローウィさんは口紅から機関車までデザインされた有名な方です。
それにしても背もたれのないシートで急発進したら、独りバックドロップですね!
山葵さん こんばんは
とても興味深かったので、調べてみました
これは見やすいですね!
これも話題のセルモーターのようですぐに画像が見つかりました
このでかいレバーがセルスイッチ???
本当はどんな構造になっているのかなあ・・・探すとマニュアルがありました
土の館のファーモールカブは少々部品が足りないようです
アタッチメントはこれを突き刺すだけ・・・これはこれで使いやすそう!
ピザの赤い丸い瓶の肩のあたりは確かにファーモールカブのオデコをイメージさせます
そういう方は多くはないはずですから
きっとマコーミックさんは喜んでいますね!
リアアクスルをリダクションして、最低地上高を稼いでいます。作物を跨いで中耕除草したり
培土や収穫に活躍するための構造です。
前後輪の中間のスペースにカルチベーターをセットして運転手の足元で作業できるスタイルは
最高のパフォーマンスを見せたことでしょう。
変速は前進3段、後進1段で、最高速度も10キロ程度でした。
セルモーターのマグネットがありません。人力で開閉させるため、強力なレバーが付いています。
サイドバルブエンジンでなんだかロビン発動機を4台並べた雰囲気。
リアにはアメリカファーモール独自のファストヒッチなるアタッチメント装着装置が付いています。
写真ではよくわからないですが、作業機には2本の刃、トラクターのヒッチは油圧で動く鞘となっていて
作業機の刃には、鞘に嵌ったら抜けなくなる切り欠きが付いていて、鞘のばね仕掛けで喰らい付きます。
3点ヒッチよりも素早く軽快にアタッチ交換ができたそうですが、ファーガソンの3点ヒッチは
ドラフト制御ができて安定と汎用性があり、ファーモールファストヒッチは時代から消えていきました。
イギリスやドイツのインターは3点ヒッチを取り入れたモデルを早くから出しています。
アメリカでは大農場で引き回しスタイルの作業機が中心となっているので、棲み分けられたといえますね
プラウとハローとプランターを全部繋いで一度に作業したりと、豪快なモデル展開をすることになると。
インターは麦のバインダーを発明した農家のロバートマコーミックさんが作った会社です
農機具のデーリング社と合併などで巨大企業になって、トラストなるスタイルの独禁法で世間を騒がせ
貨物車事業まで展開して(ターミネーターやマッドマックスでおなじみの)強いアメリカの象徴みたいな
企業でしたが、80年代には失速して現在では部門ごとにバラバラの憂き目に。
ピザを食べるたびに赤いタバスコからインターを思い出し創業者に思いを馳せています。