今日は昨日からの続き、札幌農学校第二農場で見た、井関農機のゼトア5511/4511/3511のカタログ、「昔のカタログシリーズ」その2です。
売り文句はゼトアトラクターは、世界的に有名な機械技術を持つチェコスロバキヤで生まれました。
すぐれた各部機構、強力無比なエンジンの装備—理想的な機体構造でどんなに過酷な条件下でも、常に最高の作業性能を発揮!合理化に前進する日本農業の担い手として、みなさまのご期待にお応えできるのがこのゼトアトラクターです。
とあります。
以下ファーガソンシステムの説明です。「農具にかかる重量は後輪に誘導され、より強力な牽引力 を発揮します」 ファーガソン・トラクター独特の油圧装置によりますと作 業員の調節で農具を自動的に希望の深さに保つ事が出来ま す。更に独特の三点支持装置に依って農具に掛る重量が後 輪に誘導されますから特別にタイヤに水を入れるとか、鉄 塊を取付ける必要はなく、農具に重量が掛れば掛る程牽引 力は増大し、従来此種トラクター馬力では不可能視されて いた作業を容易たらしめました。
隠れていて読めないのですが、こちらはゼトアマチックの説明。ドラフトコントロール
ミックスコントロール
作業機の負荷が大きくなると、作業機を少し持ち上げてトラクションを増やす・・・負荷が大きくなればなるほど牽引力が大きくなるという説明だと思います。多分。
以下ファーガソンシステムの説明です。「農具の土壌に喰込む力はトップ・リンク(上部連結桿) を通じて前輪を押え牽引力を増大します。」 独特の油圧装置及三点結合法を用いた所謂ファーガソン・ システムに依る農作業に於ては、トラクター車体に特別の 重量を加える事なく、農具に掛る自然の力を旨く利用する 事に依って小馬力で大馬力に相当する作業を容易にする事 が出来ます。
ゼトアマチックのほうではまた作業機に加わる土壌抵抗がトップリンクを伝わって前輪を押える作用をするので、走向の安定性が増します。
みたいなことが書いてあるようです。
ゼトアトラクターのほうが10年近く若いですから、カタログの文句もあっさりと簡略化されています。そして、ファーガソンシステムでは「システム」であった機構の名前も、「ゼトアマチック」と「マチック」が付けられています。
「マチック」というとautomatic
自動的とか自動的に作動する機械や装置。自動拳銃や自動変速装置など。
かたや「システム」というと
多くの物事や一連の働きを秩序立てた全体的なまとまり。体系。もっと狭くは、組織や制度。
受け取る僕のイメージとしては、「マチック」は〜的というほんわかとしたムード、対して「システム」はかっちりとしたまとまった機構というイメージ。モンロー的、ゼトア的、もっというと日本語の「式」に相当するかもしれません。
モンロー式、ゼトア式、インプル式・・・曖昧で何を指しているかよくわからない日本人である僕にピッタリの表現が「マチック」だとわかります。やっぱり日本人は「マチック」だ!
その後日本の農機では、モンローマチックを筆頭に「マチック」が優勢になってしまいましたし、デヴィット・ブラウンだってセレクタマチックやインプルマチックで「マチック」を採用しています。この勝負、農機の世界では「マチック」の優勢勝ちといったところなのでしょう。
次のページが気になってしまいますが・・・ゼトア3511
種類 ディーゼル
冷却方式 水冷
サイクル数 4
シリンダー数 3
内径×行程(mm) 95×110
総行程容積(cc) 2,340
圧縮比 17:1
出力(ps) 37.0
PTO回転数主軸2000rpm モータースピード rpm 542
PTO回転数主軸2000rpm グラウンドスピード rpm 226〜1211
PTO回転数主軸2000rpm グラウンドスピード左回転 rpm 297
定格回転数(r.p.m) 2,000
車両総重量(kg) 1,530
全長(本体のみ・mm) 3,266
全巾(標準状態・mm) 1,652
全高(mm) 1,935
ホイールベース(mm) 1,918
最低地上高(mm) 400
ゼトア4511
種類 ディーゼル
冷却方式 水冷
サイクル数 4
シリンダー数 4
内径×行程(mm) 95×110
総行程容積(cc) 3,120
圧縮比 17:1
出力(ps) 49.5
PTO回転数主軸2000rpm モータースピード rpm 542
PTO回転数主軸2000rpm グラウンドスピード rpm 226〜1211
PTO回転数主軸2000rpm グラウンドスピード左回転 rpm 297
定格回転数(r.p.m) 2,000
車両総重量(kg) 2,035(多分)
全長(本体のみ・mm) 3,555
全巾(標準状態・mm) 1,790
全高(mm) 1,970
ホイールベース(mm) 2,125
最低地上高(mm) 436
今日はこんなところです。ではまた明日!