先行するファイアストン。追うグッドイヤーとジレット。最終的に勝ったのはグッドイヤー。

昨日はゴム製空気入りトラクターのタイヤのパターンは初めから斜めラグのあの形だった!・・・というところまででした。今日はそこからもうちょっとだけ踏み込んで、トラクタータイヤのスタンダードパターン争奪戦のおはなしを・・・

1930年代初めにファイアストンの先行から始まった僕の好きな「あの形」争奪戦。それぞれこだわるトラクタータイヤのパターンがあって、最終的に勝ったのはグッドイヤー。なんだかそんな僕の印象です。

1930年代の先行者ファイアストン

最初に標準装備され市販されたゴム製空気入りトラクタータイヤはファイアストン社製だということは昨日わかりました。
最初に標準装備され市販されたゴム製空気入りトラクタータイヤはファイアストン社製だということが昨日わかりました。しかし、正面から見ると若干パターンが違います。
先行者だけあって実はこれがGROUND GLIP TIREとして当初主流だったみたいです。
同じくファイアストンのコマーシャル。先行者だけあって実はこれがGROUND GLIP TIREという名前で当初主流だったみたいです。接地面の形が強調されていますよね!Greatest traction tire ever built・・・と、牽引力を謳っています。
同じくファイアストンの広告。このグラウンドグリップタイヤという名前もそうですが、このパターンそのものが商標のように働いていたのでしょう。
同じくファイアストンの広告。このグラウンドグリップタイヤという名前もそうですが、このパターンそのものが商標のように働いていたのでしょう。牽引力があって長持ち。そしてクリーン(泥はけがよいということでしょうか?)

追うグッドイヤー

追いかけるグッドイヤーは当初ダイヤモンドパターン推しだったようです。タイヤがむき出しのトラクターはそのパターンが丸見えですから、ファイアストンのパターン戦争に乗ったということですね。
追いかけるグッドイヤーは当初ダイヤモンドパターン推しだったようです。タイヤがむき出しのトラクターはそのパターンが丸見えですから、ファイアストンのパターン推しの仕掛けに乗って個性際立つ独自のパターンで勝負を挑んだということになります。
そのダイヤモンドパターン推し、どうもすぐヤメちゃったみたいで広告を見つけるのに苦労しました。これなんかもダイヤモンドパターンっぽいです。広告の絵から見て、どんな天気の時にも使えるみたいな売り文句。タイヤパターンを前面に出すファイアストンの広告に比べるとちょっと弱いですねぇ・・・
そのダイヤモンドパターン推し、どうもすぐヤメちゃったみたいで広告を見つけるのに苦労しました。これなんかもダイヤモンドパターンっぽいです。広告の絵から見て、どんな炉面でも使えるみたいな売り文句。道路を走っている絵と、畑で鋤を引っぱっている絵・・・タイヤパターンを前面に出すファイアストンの広告に比べるとちょっと弱いですねぇ・・・
1957年の広告では推していたダイヤモンドパターンはall tractionとall weatherということになって「その他大勢」になってしまっています。 今でもゴルフ場で働くトラクターが履いているパターンではありますけど。
1957年の広告では推していたダイヤモンドパターンはall tractionとall weatherということになって「その他大勢」になってしまっています。 今でもゴルフ場で働くトラクターが履いているパターンではありますけど。

ジレットは個性的

一方、ウィスコンシン州のタイヤメーカー、ジレットは個性的なパターンで攻めています。

1937年のジレットの広告。ノビーパターンです。ちょっと気持悪いですね。
1937年のジレットの広告。ノビーパターンです。ちょっと気持悪いですね。
ノビーパターンです。ちょっと気持悪いですね。牽引力はもちろんですが、スピードが出せること、そして乗り心地がいいことをウリにしています。
牽引力はもちろんですが、スピードが出せること、そして乗り心地がいいことをウリにしています。
カンサスファーマーという1936年の雑誌でしょうか・・・ ジレットはこのパターンにすごくこだわって作り続けたようです。内容からして畑でどう・・・というより「凍った道でもグリップするよ」と書かれていますし、道路でのグリップを謳っているような気がします。
カンサスファーマーという1936年の雑誌でしょうか・・・ ジレットはこのパターンにすごくこだわって作り続けたようです。内容からして畑でどう・・・というより「凍った道でもグリップするよ」と書かれていますし、道路でのグリップを謳っているような気がします。

こんなのも見つけた!BFグッドリッチ

いつの広告かわかりませんが、こんなパターンも見つけました。パワーカーブだそうです。このように一目でメーカーがわかった時代っておもしろいですね。
いつの広告かわかりませんが、こんなパターンも見つけました。パワーカーブだそうです。このように一目でメーカーがわかった時代っておもしろいですね。

でも最終的にグッドイヤーに落ち着いた感じ

グッドイヤーの広告です。このオープンセンターのラグを持つこのパターンはどうもグッドイヤーが一番先のようです。
グッドイヤーの広告です。このオープンセンターのラグを持つこのパターンはどうもグッドイヤーが一番先のようです。まさに僕の思う「あの形」になっています。

クローズドセンターのグラウンドグリップタイヤで先行したファイアストンですが、早々にダイヤモンドパターンを放棄したグッドイヤーは、牽引力と泥はけのよさをウリにオープンセンターのパターンで巻き返しを図ります。

あくまでも僕のネットを見ての印象ですが、ファイヤストンも後々このタイプを出したでしょうけど、バカ売れしたグラウンドグリップにこだわって遅れをとったのではないでしょうか?

これから先はわかりませんけど、今のところこのパターンが世の中のトラクターのタイヤを席巻しているような気がします。

今日はこんなところです。また明日っ!

上の記事とゆるく関連しているほかの記事:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です