2016年の米作りはプログラム通りに着々と・・・「温湯消毒」

3月24日、唐箕で選別した飼料稲の籾を温湯消毒するというので見てきました。2016年の米作りはプログラム通りに着々と進み始め、もう走り始めた感じです。

「温湯消毒」は化学農薬を使うかわりに温湯(60℃)を使う種子の消毒法だそうで、ちらっと見たどこかのpdfで「山形県立農業試験場などで開発された」と書いてありました。

3/24日、こんな感じに選別していました。

↑ 動画(28秒)

唐箕といえばこちらです。確か昭和8年製。

そして温湯消毒

↑ 2014年の動画ですが、種籾の温湯消毒(68秒)

 

ここからが今年「温湯消毒」の様子。

こちらはこれから消毒する食用の種籾。コシヒカリです。
こちらはこれから消毒する食用の種籾。コシヒカリです。
何かチラシが乗ってる・・・なになに? 前川清コンサート・・・こういうところにアプローチしてるんだなあ・・・前川さん。
何かチラシが乗ってる・・・なになに? 前川清コンサート・・・こういうところにアプローチしてるんだなあ・・・前川さん。
米袋をあけると4キロに小分けした種籾袋が入っています。
米袋をあけると4キロに小分けした種籾袋が入っています。
こちらは唐箕で選別した飼料稲の種籾です。こちらは「夢あおば」という品種です。
こちらは唐箕で選別した飼料稲の種籾です。こちらは「夢あおば」という品種です。

60℃のお湯に種籾を10分浸けて、すぐ・・・
60℃のお湯に種籾を10分浸けて、すぐとりだし・・・
煮えてしまわないようにすぐに冷水で冷まします。
煮えてしまわないようにすぐに冷水で冷まします。
10分待って急いでザブザブ。
10分待ったら急いで出してあわててザブザブ。
このままではビショビショなので、脱水機に入れて水分をとります。
このままではビショビショなので、脱水機に入れて水分をとります。
このインターバルの繰り返しです。
このインターバルの繰り返しです。
年々飼料稲の作付け面積が増えて、この温湯消毒も行う種籾の量がどんどん増えてきました。
年々飼料稲の作付け面積が増えて、この温湯消毒を行う種籾の量がどんどん増えてきました。

10分は必ず「待ち」の時間がありますから、時間を詰めることはできません。今のところ1日で終わる作業量に納まっているみたいですが・・・

温湯消毒は1日で終わっても、作付けが増えると収穫が終わる頃には稲が黄色くなってしまい、商品としては問題が出てきてしまうのだそうです。

そこで今年は収穫時期を長く取るため、早く収穫できる品種と、今までの「夢あおば」の二本立てで作付けすることにしたそうです。

新たな品種「ホシアオバ」

これが「ホシアオバ」の種籾袋らしい・・・オレンジの袋。
これが「ホシアオバ」の種籾袋らしい・・・オレンジの袋。
食用米に比べてちょっと長めで細身。そして両端がとんがってる。「夢あおば」とはおなじアオバが付いているけど、ずいぶん違う感じ。
食用米に比べてちょっと長めで細身。そして両端がとんがってる。「夢あおば」とはおなじアオバが付いているけど、ずいぶん違う感じ。
少し貰ってきて家に帰って写真を撮り直しました。「夢あおば」に比べると一回り小さいです。
少し貰ってきて家に帰って写真を撮り直しました。「夢あおば」に比べると一回り小さいです。

農研機構のサイトによれば

【ホシアオバ】

稲発酵粗飼料向け品種「クサノホシ」は諸障害が少なく多収で、牛による採食性にも問題ないことから有望である。また、極早生で有望な「ホシアオバ」との組み合わせで収穫期間が拡大できるため、両品種を主体に稲発酵粗飼料の普及を図る。

主要特性

●「日本晴」に比べ、「ホシアオバ」は出穂が6日早い極早生、「クサノホシ」は9日遅い中生であり、両品種を組み合わせることによりサイレージとしての収穫期間は30日程度確保できる。また、「クサノホシ」は1穂籾数が極多く、登熟日数も長いことから、収穫適期幅は比較的広いと考えられる。

●両品種とも「日本晴」より茎数、穂数は少ないものの1穂籾数が多い。乾物収量は「クサノホシ」が供試品種中最も多く、年次、場所にかかわらず安定しており、「ホシアオバ」は「ホシユタカ」、「日本晴」より少ないものの「はまさり」より明らかに多い。

●両品種とも倒伏に強く、特に「クサノホシ」は長稈であるにもかかわらず茎が太く強稈で、直播栽培における耐倒伏性も十分である。

●いもち病の発生は両品種ともほとんどないが、「ホシアオバ」は紋枯病の発生がやや多い。ウンカ類の発生は「ホシユタカ」、「はまさり」で多いのに対し、両品種とも日本晴並みで被害は少ない。

●「黒毛和種」繁殖牛のサイレージの自由採食量は、「クサノホシ」は「はまさり」と差はなくイタリアンライグラス並みと考えられ、維持要求量以上の採食は可能である。

極早生とありますから、ものすごく早いということですよね・・・これと今までの「夢あおば」を組み合せれば少し収穫に余裕ができるかな?

ついでに「夢あおば」を見せてもらいました。

「夢あおば」の袋はトラ模様でした。
「夢あおば」の袋はトラ模様でした。

「夢あおば」は同じく農研機構のサイトによると・・・

【夢あおば】

「夢あおば」は寒冷地南部では早生の晩に属する粳種で、中稈、穂重型の稲発酵粗飼料向き系統である。中生の主力品種の刈り取り前に稲発酵粗飼料用として収穫が可能で、耐倒伏性が強く、湛水直播栽培に適する。大粒であるところから、一般品種との識別性がある。

そういえばこの【夢あおば】炊いて喰ってみたんだっけ・・・

興味のある方は下のリンクで↓

『2合の飼料米、夢あおばを「鍋炊きご飯」して食べてみる』

あきたこまちは黄色い袋みたい・・・なんだかいろいろな色の袋で楽しいな。
あきたこまちは黄色い袋みたい・・・なんだかいろいろな色の袋で楽しいな。

なんだかいつののようにとりとめがなくなっちゃいました。

それではまた明日。ごきげんよう。

上の記事とゆるく関連しているほかの記事:

“2016年の米作りはプログラム通りに着々と・・・「温湯消毒」” への2件の返信

  1. 農機具セールスマンさん こんにちは

    やはりどこも飼料稲が増えていますね。
    お米には変わりはないですが、なんか少しさみしい気もします。

    僕も何となくそういう気がします
    お米には変わりないというのもその通りなんですが・・・

    酒米ですか! このあたりでは聞いていないだけなのかもしれませんが、見たことがないです
    海外からの観光客の方が増えている昨今、これからオリンピック等を控え日本酒の需要って増えるかもしれませんね
    (海外へ行ったらやっぱり地元のお酒を飲んでみたくなるのじゃないでしょうか?)

    トウモロコシをエネルギーとしてアルコール等にしちゃおう・・・ということで牛さんのエサが不足し値上がりして
    それで飼料としての米が注目されて
    そうすると日本酒の原料が不足して
    日本人のエネルギー、アルコールが不足しちゃうという玉突き状態なんですねえ・・・

    石油がだぶついているみたいですけど、これが一気に巻き戻ったらどうなっちゃうのでしょう
    ドンと飼料の値段が下がって、飼料米がだぶついて、飼料米の生産調整が始まって、今度は一気に酒米の作付けが増えたりして・・・

    お金は大事ですけど、こういう雪崩現象は大きな影響が出ますよね

  2. こんばんわ。
    やはりどこも飼料稲が増えていますね。
    お米には変わりはないですが、なんか少しさみしい気もします。
    過去記事を読み返せていないので、知っていればスルーでいいですが、酒米も最近人気ですよ。
    酒米も2014年から国の政策転換で生産調整(減反)対象からはずれているみたいですしね。
    参考:http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201406/0007059437.shtml
    昨今お日本酒ブームと飼料米の増産のおかげで酒米が不足しており、噂では山田錦を1俵4万円で買い占めている酒蔵があるとかないとか。
    そこまでは行かなくても補助金なんかを合わせると1万7千円くらいでわが地域では農協に販売出来ています。

    まあ酒米も食べるのが目的ではないですが、牛のエサよりはいいかなって。。。
    何か参考になればよいです。
    ではまた!

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