乗用最小構成のチェリートラクタは、きっとこっちがオリジナルだっ・・・「撮りトラ」

今日は「撮りトラ」。スガノ農機「土の館」で見た、青森県弘前市の神農工社というところで作っていた、チェリートラクタ(2台目)です。

1台目を見て気がつかなかったことが、二台並べて(実際には並んでいないのですが)見るとわかることがあります。

この前紹介したチェリートラクタ

乗用最小構成! 三輪のチェリートラクタ
かっくんと折れ曲がったステアリングポストが特徴的! ハンドトラクターの前に操舵輪を付けて、座席をなんとか適当なところに配置した形。

見ていてまったく気がつかなかったのですが、キャプションに7馬力と書いてあるのに、載っているエンジンは最大でも3.4馬力・・・違いがあるんです。

2台目のチェリートラクタ

チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
チェリートラクタ 1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ  1台目に比べてギュッと詰まってスペースのない感じ。エンジンも重厚な感じだし、こっちが本当なのではないでしょうか? 比べてみると1台目のエンジン、借り物感があります。
チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
キャプションを見てみましょう。

チェリートラクタ

1954年(昭和29) 神農工社製 (日本)
CT-52型 7馬力 三輪タイプ

1955年(昭和30) 国産トラクタの発売でいち早く庄司は導入、60万円の投資をする。住宅一軒が建つ値段だったという。
1953年(昭和28)弘前市の神農工社がトラクタの開発に入り、三輪タイプを商品化している。

CHERRY TRACTOR

YEAR: 1954(Showa 29) Manufacturer: Jinnou Kousya (Japan)
Model: CT-52 Output: 7ps Three-wheeler

In 1955(Showa 30)Mr.Shouji was one of the first to purchase this domestic tractor,investing 600,000 Yen. At the time you could have built a house for that much money. In 1953 (Showa 28),Jinnou Kousya of Hirosaki-shi began development for tractors. This is their first three-wheel tractor put into production.

1台目は弘前の神農工社の直販で45万円だったのに、こちらはそれより1年前とはいえ60万円。しかも60万円で家一軒が建っちゃうというのですから、45万円だって相当なもので、45万円を安いなんて言って申し訳なかったです。

それにしてもエンジンが壊れて載せ換えたものなのか、45万円と直販の廉価版だったのでこのエンジンなのか・・・謎です。この形式だと汎用エンジンならどうにか載ってしまいそうですから、どちらともつきませんね。

エンジンは芝浦空冷石油機関KE67型

チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
芝浦空冷石油機関 こういう写真の撮りかただと、どちらが前かわかりませんね。右手が前です。
チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
エンジンに銘板が付いています。
拡大してみます。芝浦空冷石油機関KE67 ケロシンエンジン(kerosene Engine)のKEなんですかねえ・・・
拡大してみます。芝浦空冷石油機関KE67 ケロシンエンジン(kerosene Engine)のKEなんですかねえ・・・
チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
こっちかわにも銘板が・・・
同じく拡大・・・芝浦空冷石油機関KE67取扱法 ぶれちゃってます。 書き起こそうと思ったけど時間がありません。「スタートロープを勢いよく引っぱる」というのが印象的。
同じく拡大・・・芝浦空冷石油機関KE67取扱法 ぶれちゃってます。 書き起こそうと思ったけど時間がありません。「スタートロープを勢いよく引っぱる」というのが印象的。
チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
そのスタートロープ!

その他の銘板

チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
何かを引っぱっているのがワイヤーではなく、チェーンというのがおもしろいですね。その上にも銘板が見えます。
チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
検査合格証
チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
拡大してみます。農林省農業資材審議会 検査合格証 ゴージャスです。合格すると、こんなものをもらえたのでしょうか? それとも買うの?
チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
前回も見てみましたが、今回も
チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
チェリートラクタ。
チェリートラクタ  1954年(昭和29) 神農工社製 (日本) CT-52型 7馬力 三輪タイプ
こんな鋤をひっぱっていたんですね・・・1台目・・・軽いけれどパワーのないガソリンエンジンでは、大きな負荷をかけることはできなかったでしょうね・・・それに比べてこの空冷石油機関はかなり重そうで、しかも、より前にあるのでけん引力はありそうです。

もしかしたら、壊れてしまった機械を自分の手元にある材料で直したものかもしれませんね。たとえ元の性能がが出なくても、不動よりは機械が喜んでいると思います。

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“乗用最小構成のチェリートラクタは、きっとこっちがオリジナルだっ・・・「撮りトラ」” への2件の返信

  1. 発動機のシャチさん おはようございます

    やっぱりそうですか!

  2. そうです!こちらが正解です。
    チェリーはシバウラの空冷石発が載っています。
    最初のヤンマーの空冷ガソリンは新しすぎます。
    (馬力も低いし)
    あれでロータリー使えたのかな?
    プラウならまだしも・・・

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