デビッド・ブラウン トラクター薔薇のバッジの謎
米子の児玉さんに興味深いウェブサイトを教えていただきました。前々から不思議に思っていたイギリス生まれの白いトラクター、デビッド・ブラウンのマークに描かれている薔薇のことです。
デビッド・ブラウン トラクターのユーザーであり、ファンであるサム・ケネディさんという方がこのバッジについて解説しています。
紋章というか、マークというか、ロゴというか・・・四角だったり丸だったり、小さなスペースにギュッと色々な意味を詰め込んだエンブレム。
一言でしっくりくるものが見つからないのですが、言ってみれば「メーカーや商品を象徴するもの」。この場では筆者のサム・ケネディさんの呼ぶ「バッジ」に統一してみます。
僕は比較的使い慣れている日本語を除けば、語学はまんべんなく不得意・・・特に英語は何年やってもダメなんですけど興味があるので食らいついて、思い込みと想像で再構成してみます。
謎は2つ
前に述べたように、バッジにはたくさんの意味が詰め込まれています。デビッド・ブラウン トラクターの薔薇のバッジの場合、僕の知りたいことは大きく分けて2つ。
1.どうして薔薇なのか(麦とか米なら何とも思いませんが、薔薇とはおよそトラクターに似つかわしくない感じがします)
2.そしてその薔薇の開き具合が色々なパターンがあるのは何故なのか
13世紀に薔薇のルーツが!
時は13世紀。イングランドには内乱の嵐が吹き荒れていました。それは「薔薇戦争(Wars of the Roses)」と呼ばれる、赤薔薇を紋章とするイングランドの貴族ランカスター家と白薔薇を紋章とする同じくイングランドの貴族ヨーク家の間の権力闘争でした。
13世紀というと日本では鎌倉時代あたりでしょうか・・・「薔薇戦争(Wars of the Roses)」歴史で習ったことはあるけれど、覚えているのは名前だけです。薔薇戦争の名前自体は後世のこじつけのようですが、今日でもそれにちなんでイングランドのランカシャー州の州旗には赤薔薇、ヨークシャー州の州旗には白薔薇が使われています。
ランカスター家のランカシャー
ヨーク家のヨークシャー
デビッド・ブラウンはヨークシャー(白薔薇)生まれ
デビッド・ブラウンの工場はヨークシャー州メルサムミルズ村( Meltham Mills in Yorkshire)にありました。そして1955年、デビッド・ブラウンはランカシャー州リー(Leigh in Lancashire)という町にある、ハリソン、マクレガー社という老舗インプルメント製造会社を買収します。ハリソン、マクレガー社は、英国中で、そして、海外でも名が通った「アルビオン」という商標で草を刈る機械であるモアーや、作物の刈り取りと結束を同時に行う機械、バインダーを製造していました。
評判の良いトラクターと評判の良い農機具・・・相乗効果が見込めそうです。きっと自社のトラクターにインプルメントのバリエーションを加えたかったのでしょうね。
ここで薔薇のバッジが初めて出てくる。謎その1がやや判明
会社は1955年から1960年の後半にかけて、これらインプルメントのかなりの部分に「デビッド・ブラウン・アルビオン」の名を冠し、薔薇のバッジは2つの有名企業が一つであることを表していました。
2つの企業の統合の象徴として、おそらく貴族とは関係なく、その土地柄と評判の高い商品を持った2つの並び立つ会社ということを象徴するものとして、薔薇戦争にちなんでデビッドブラウンのあるヨークシャーの白薔薇、ハリソン、マクレガー社のあるランカシャーの赤薔薇をあしらったのだと想像できます。
今でも2つの州がこの図案を使用していることから考えても、そんなに不自然な話ではないと思います。
つまり、ヨークシャー出のデビッド・ブラウンは白薔薇。だからトラクターも「白」なんです・・・きっと。
まあまあのオチがついたところで時間切れです。続きます。
k-workさん おはようございます
ほぼ展開がバレちゃいました!
一企業で運動会のムーブメントを独占してしまうようなものですから
もしかしたら色々批判もあったかもしれませんね
運動会をするのに一々使用許可を取ったりロイヤリティーを払うようになってたりして・・・
面白いですね。日本でも運動会が紅白に分かれて競うのは源平合戦からの流れだって説もあるようですし、歴史を感じますね。
続きが楽しみです。。