商品は低き(足りなき?)に流れる

アメリカ「ZEN-NOH」ブランドで売り出されていた ヤンマー2210
アメリカ「ZEN-NOH」ブランドで売り出されていた ヤンマー2210

ここのところずっと僕にとって大変興味深かったhttp://www.orangetractortalks.comの記事(これが本当にあったことか検証はしていない上に、僕の理解が合っているのかもわからないのですが、)を紹介してきました。こういうことがあったとすれば品物も水と同じように高い所から低い所へ流れるんだなあ・・・と思います。

アメリカ「ZEN-NOH」ブランドで売り出されていた ヤンマー4100?4300?
アメリカ「ZEN-NOH」ブランドで売り出されていた ヤンマー4100?4300?

アメリカではクボタやヤンマーのの中古トラクターは現地の法人ができて輸入できなくなってしまいましたが、現地法人のない国があればコンテナ詰込み師が詰め込んだコンテナはそこへ行きそうです。

機械を使うほどではない農業をしている人や国でも値段によっては導入する可能性もあります。牛や馬をもし農作業に使っている所でも所得がある程度上がってくれば中古機械でも使ってみるか・・・となりそう。

ホンダのカブ50を貰って直して乗っていたことがありましたが、3万で買うから売ってくれと言われ「タダで貰ったものが3万円になる!」と喜んで売ってしまったことがありました。今思えばこれもきっとどこかの国に行ってしまったのでしょう。ホンダもどこかの国でクボタと同じような訴訟を起こしているかもしれません。

新商品を入れれば、中古品低きに流れる

ある程度行き渡った所に新たな商品を注入すると中古品がこぼれ落ちる。なかなかそれをせき止めることはできません。そこをせき止めても、別の所にこぼれていっちゃう。
ある程度行き渡った所に新たな商品を注入すると中古品がこぼれ落ちる。なかなかそれをせき止めることはできません。そこをせき止めても、別の所にこぼれていっちゃう。

どうしたって品物は余ってくれば溢れて足りない所に流れ込むんですから、ただ商標権があるというだけではそれをせき止められず、微妙な所ではクボタやヤンマーように訴訟を起こして権利の線引きを確定させたり、周知したりしなければいけないんですね。持っていると守るのも大変です。

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成功体験は忘れられない(「ZEN-NOH」トラクター)

バブルを体験した人はなかなかそのうまみが忘れられないと言います。お金がジャブジャブ入った話を今でも懐かしそうにしているのを聞くと「ほんとうにそうなんだなあ」と思います。

再びよみがえった中古のクボタトラクターですが、「ZEN-NOH」ブランドでは今までのように売れなかったようです。やはりぽっと出のブランドやメーカーより、知名度のあるもののほうが手が出やすいですし、名前も知らないメーカーのしかも中古では苦戦したはずです。

そこ行っちゃダメでしょ!

そこで、販売業者はクボタ/全農トラクターと称して「ZEN-NOH」とクボタは同じものである・・・と宣伝する戦略に出たのです。「ここだけの話、とある大手メーカの◯◯って製品と同じものなんですよ」とは、販売店の営業からよく聞く、しかし本当かどうか確認できない話なんですが、そもそもクボタの商標権侵害で訴えられてその部分と距離を置くために「ZEN-NOH」にしたのに、また熱い所へ近づいてしまいました。

またアウト

ダメだったらダメ おとといおいで!
ダメだったらダメ おとといおいで!

さらにはわざわざ「ZEN-NOH」のステッカーを剝がして「KUBOTA」にするために、ステッカーキットまでつけて販売したそうです。成功体験が忘れられなかったというか、お金がジャブジャブ入るレベルが普通と思ってしまっていて派手にやりすぎたのでしょう。立入禁止の脇に「座ってもダメ」と書かれるのは時間の問題でした。

1998年、またまた訴えられてお灸を据えられ「KUBOTA」の中古トラクター販売は完全にアウトとなります。

まだやるか!

販売業者はすっかり懲りてしまったでしょうが、「ZEN-NOH」商標は生きていました。成功体験が忘れられない業者は複数いたのです。2002年、若干ロゴを変えて今度は主に中古ヤンマートラクターを「ZEN-NOH」トラクターとして売り出しました。

ヤンマー「ZEN-NOH」トラクター ネットではたくさん見つけることができます。ヤンマーZEN-NOHは濃い赤に塗リ直され、きれいに整備されて売られていたようです。
ヤンマー「ZEN-NOH」トラクター ネットではたくさん見つけることができます。ヤンマーZEN-NOHは濃い赤に塗リ直され、きれいに整備されて売られていたようです。

しかしそれも長くは続かず、ちょうどアメリカで販売網を確立しようとしていたヤンマーに訴えられてしまいます。前例があるので、この商売もすぐにアウトとなってしまいます。2004年のことでした。

人に限らず、自分もうまくいったことというか、うまくいった方法論にしがみついてしまう所があります。うまくいかなくなった時、次はその方法をもっと磨いて再チャレンジみたいな・・・時代は動いているのでさっさとその考えを捨てて別の考え方でチャレンジしなくてはいけなかったのかもしれません。

そして2009年「ZEN-NOH」の商標権は引き継ぐののがないまま失効してしまったそうです。

何だかうすら寒い風がひゅ〜っと吹き抜けるような寂しい終わりになってしまいました。ある意味、アメリカの人たちは安く稼働時間の少ない優秀なトラクターを手にする機会を失ってしまいました。でも、正規値段と安く買えた値段の差額がブランドの価値であったり、クボタやヤンマーの人たちの努力に対する報酬ということなのでしょう。

とにかく全農「ZEN-NOH」がアメリカで認知されるようになった一部分は確実にこのトラクター?ブランド?が関わっているように思います。また誰かが復活させるかもしれないですけどね。

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